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ハイパーレーンに入って極彩色の空間が広がるのを確認して、私は“トランク”へと戻った。色んな事があったけど、フェルが待ってる。先ずは何から話そうかな。

“トランク”に戻ると、お目当てのフェルはダイニングのソファーに座って本を読んでいた。私が持ってきたアードの歴史が書かれてる。他にも今のアードを簡単に紹介してるパンフレットもある。

アードでは電子書籍が一般的だから、紙媒体は珍しい。当然趣向品扱いだからお値段もそれなりにする。

でも地球と交流するなら、こんな紙媒体も必要だと思ったから購入してみた。お値段の高さに腰を抜かしたのは良い思い出だよ。

「ティナ、お帰りなさい……どうしました?何かありましたか?」

私に気付いたフェルが顔を上げたけど、私の顔を見て心配そうにしてる。

フェルは優しいから、私の変化に気付いたのかな。まあ、泣いたしねぇ。

「あはは、ちょっと色々あってね。でも、良いことだよ。探していた星を見付けることが出来た」

「地球を見付けたのですか?」

「うん。予想通り文明があったよ。それも宇宙開発寸前のレベルが、ね」

「おめでとうございます!ティナの旅が無駄にならなくて良かった……」

「ありがと、フェル」

まるで自分の事のように喜んでくれた。それだけで私は報われた気分だよ。

私はフェルと一緒にソファ-に座った。

「それで、どうでした?」

「今回は挨拶しかして無いよ。本番は2ヶ月後かな。アリア、フェルにデータを見せてあげて」

『畏まりました』

アリアが直ぐに纏めた地球のデータをフェルの端末に送ってくれた。

ちなみにフェルの端末は私と同じブレスレット型で、私の予備をプレゼントしたんだ。リーフ人の端末は系統が違うし、そもそもフェルは身一つだったし、無いと不便だから。

データにはインターネットにあったたくさんの画像も使われてる。まあ、町の景色とかは画像がある方がイメージも簡単だからね。

フェルはデータを、いやむしろ地球の自然の景色をじっくり眺めてた。リーフ人は自然の中で調和を保ちながら暮らす種族。

アードにあるリーフ人の居住区は人工島の一つを使ってるんだけど、島全体が豊かな森になってるみたいだよ。行ったこと無いけどさ。

「綺麗な森……それに綺麗な海!」

いやまぁ、それリゾート地の紹介画像だから綺麗だよね。

「凄いっ!森の中に建物が違和感なく溶け込んでいます!」

あっ、日本の神社の画像だ。

確かに前世の頃から日本は自然と文明が調和を保ってる国なんて言われることもあったみたい。

日本人としてはあんまりピンと来ないよね。だってそんな国で産まれ育ったんだから、それが“当たり前”になる。

でも自分にとっての当たり前って、環境が変われば直ぐに非常識になるんだよね。それが面白いんだけどさ。

「こんな星があるなんて……仲良くなれそうな気がします!」

「うん、仲良くなりたいよね」

目をキラキラさせてる。フェルへ地球が気に入ったみたいだね。

うん、フェルの言う通り地球とは仲良くしたい。

私個人の意志もあるけど、アードの滅亡を回避するためにも地球との交流は重要な意味を持つ筈。

まあ、先ずは政府に関心を持たせないといけないし、地球への手土産も考えないとね。

「手土産、ですか?」

「そう、手土産。地球と交流するんだから、挨拶と一緒に手土産は必要なんだよね」

「となると、食べ物なんかは避けた方が言いかもしれません」

「だよねぇ」

惑星によって環境が違うから、食べ物なんかは特に注意が必要。

未知の細菌や微生物が体内に入るなんて想像しただけで恐ろしい。私達の身体はその産まれ育った惑星の環境に適応してるのであって、私達アード人の食べ物が地球人には猛毒なんて事もあり得る。

もちろん逆もね。

リーフ人との交流でもかなり大変だったみたいだし、その辺りは注意しないといけない。

「同じように、魔法を使わないと利用できない道具は避けた方が良いと思います」

「使えなきゃ意味ないからねぇ」

使えない魔法の道具なんか渡されても困るだろうなぁ。何があるかな?

「“トランク”とかどうですか?」

「“トランク”?」

「はい。ここはティナさんが手を入れていますが、“トランク”は本来物を運んだり収納するための道具です。魔法を使えなくても利用できますし、何より持ち運べます。最初のお土産には丁度良いのでは?」

あー、なるほど。確かに“トランク”は手を加えなきゃただの持ち運べる保管庫だからね。

魔力が無くても使える。要は開いて中に物を放り込むだけ。

すると中には収納されたものがミニチュアサイズで並べられる。重さも無くなるしね。

取り出す時は、中にあるミニチュアを取り出して地面に置くだけ。そうすると徐々に元の大きさに戻る。

万が一の事故も防げるから、かなり便利なんだよね。間違いなく物流に革命が起きるかな。

「なるほどねぇ。確かに“トランク”なら分かり易いお土産になるね」

「はい。私達もアード人から“トランク”を提供された時は此れまでの概念がひっくり返ったと聞きますし」

「そりゃそうだ」

大きな倉庫を作る必要もないし、一度に運べる量も一気に増える。

収納できるものは“トランク”の性能に左右されるけど、良いものだと私が今使ってるみたいに部屋そのものを作ることが出来るくらい容量に余裕があるんだ。

ランクが低いものでも、一つで大型トラック1台分は入るんじゃないかな。しかも“トランク”そのものも軽いし、場所を取らない。

私が生きている時、車とかから排出される排気ガスが原因で環境問題になってた。

もし“トランク”が普及すれば排気ガスの問題を改善できるかもしれない。

「ただ、一度にたくさん持ち込むのは避けましょう。混乱を産み出してしまいますから」

「過ぎた力はって奴だね、分かってるよ」

いきなり大量に持ち込んだら混乱が起きるのは目に見えてる。最初は少数で、あちらに管理して貰おう。幸い国連はまだあるみたいだし、そっちが管理してくれたら安心だ。

……下手に一つの国に任せたら、絶対に面倒なことになりそう。調べる限りだと皆仲好しなんて事はなくて、むしろ私が死んでから起きたパンデミックや戦争で地球はギスギスしてるんだよねぇ。

……宇宙からの来訪者を前にして一致団結、なんて夢物語かな?アードとの交流で地球が少しでも良い方向に向かえば良いんだけど。

星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~

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