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好きな人に誕生日プレゼントをあげるなんて初めてで何をあげればいいのかわからず、亜美菜さんから教えてもらった火曜日から3日が経っていた。
和馬(心さんの好きなものがフルーツ飴しかわからん)
バイトしてからというもの心さんと帰ることが多くなった。そこで聞ければいいのだが、なかなかに聞きづらくいまだにプレゼントは決まってはいない。
和馬(相手に費やした時間が大切だって亜美菜さんは言ってたけど、でもかけ過ぎも良くないよな)
和馬(…俺って心さんの事全然知らないんだな)
和馬(てか、心さん電車にいなかったから先に教室にいると思ったけどいないな)
和馬(亜美菜さんたちはもう来てるし聞いてみるか。めっちゃ緊張するけど)
和馬(いや、ラインで聞けばいいだろ)
亜美菜「おい、さっきからモジモジしてんの見えてるぞ」
和馬「ごめん、えっと心さんってどうしてるか聞きたくて」
亜美菜「逆に聞いてなかったんだな。休みだよ、風邪でな」
亜美菜「心からライン来てないの?」
和馬「うん」
亜美菜(まあ、心配かけさせたくないとかだろうけど、逆に心配されてるぞ)
亜美菜「なあ、放課後一緒に心の家行くか?」
和馬「え?それって捕まんないよな?」
亜美菜「当たり前だろ。なに罪だよ」
和馬「……心配だから行きたい」
亜美菜「放課後まで待てなかったら言えよ」
和馬「流石に待てるから、子供じゃないんだし」
そう言ったものの、いつも隣にいる心さんがいないと物足りなさと寂しさのせいで授業なんて集中できるような環境ではなかった。
ようやく放課後になった。
亜美菜「んじゃ行くか」
和馬「ちょっと待って、もう少し気持ちの整理を…」
亜美菜「んなもんいらねえよ。あ、でも今日心の親いるかも」
和馬「…タイミングが悪すぎる 」
亜美菜「悪りぃな」
ケラケラ笑いながら歩き進む亜美菜さんの後ろを少し不満げに歩く。
和馬(心さんが俺の家に来たことはあるけど、俺が行くのは初めてなんだよな)
いつも朝に心さんが乗ってくる駅で降りると言うのはなんとも不思議だった。迷いなく歩く亜美菜さんについて行くと、すぐに心さん家の玄関まで来た。すかさずインターホンを押す亜美菜さんの行動に戸惑っていると中から心さんに似ているが大人の雰囲気に包まれた人が出てきた。
亜美菜「久しぶりですね。心のお母さん」
「久しぶりね、亜美菜ちゃん。お見舞いに来てくれたのでしょ?そちらの男の子も 」
和馬「初めまして、こk…彩さんの友達の風間和馬です」
「風間…。風間くんね、よろしく」
「外は寒いでしょ?中に入って良いわよ」
亜美菜「お邪魔します」
和馬「お邪魔します…」
亜美菜「お前きょどらないで喋れるじゃねえか」
和馬「俺もこれに関してはよく分かってない」
心さんの家の中は隅々まで綺麗にされており、白色で統一されていてちょっとしたお城のような感じだ。
階段を降りる音がし、音の方を見るとぐったりとしながらも一段ずつ丁寧に階段を降りる心さんがいた。
心「2人とも、お見舞いありがとうね」
和馬「具合はどう?」
心「すごい具合悪い」
和馬「うん、正直でよろしい」
「彩はちゃんと部屋で寝てなさい」
心「はーい」