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37 - 第37話<好きだという気持ち1>

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2024年01月20日

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「アンケート用紙を持ってきました。書き終わったら各自、総務課まで持参するかメールに添付してくださいね」


総務課の佐藤友子がさりげなくホワイトボードを確認しながらデスクに向かってくる。


メール添付で提出可能ならメール添付で用紙も送ってくればいいのに、Wordか Excelならそのまま打ち込めるし、彼女の目的は秘書課に足を運ぶことだからこんな些細なことでもきっかけにしたいんだろうな。


賢一は終日、社長の同行だから残念だけど今日も空振りだわね。


まぁ、私にしは関係ないし


ここのところ上層部での会議が頻繁に行われている、何かしらの改編がある様だがまだ私たちにも知らされていない。

そのための書類作成は多岐に渡り、ひたすらキーボードを叩いている。


パサ・・・


キーボードを叩く手の上にプリントが置かれた。


下手に反応して佐藤さんを刺激するのはリスクが多い、佐藤さんを恐れるという事では無いが円滑に仕事をしたいと思ったら関わらないのが一番だ。

簡単にいうと触らぬ神に祟り無しとでもいいましょうか、30歳ではあるがある意味お局?的な存在でお仲間的なものがいて気に入らない女性社員や派遣の方に嫌がらせをしたりしているようだ。


私は入社して半年ほどで秘書課に配属され、常務付きとなったため大っぴらには手を出せないらしい。

らしいというのは、同じ秘書課の人に「そうらしいよ」と教えてもらったから。


結局は“らしい”ということなんだけど、ただ佐藤さんがここまでネチネチと小さな嫌がらせをするのは佐藤組に入らないからなのだろうか?

それとも、佐藤さんが定期的に秘書課への異動申請を受け付けられないのに新卒で秘書課に抜擢された私が気にくわないのかも知れないが陰口や嫌がらせをそれが当然であるように行いさらには噂好きでそれを吹聴するような軽い口を持った者に上層部の秘書が務まるとは思わないが、彼女自身は豊富なネットワーク(佐藤組)があるのにわたしを秘書課に配属しないのは誰かが圧力をかけていると言っているらしい。

やっぱり“らしい”だ。


そんなわけで、彼女を刺激せずに手の甲にのせられたプリントを紛失しないようにクリアファイルに挟むとキーボードの隣に置いた。


佐藤さんもお目当ての賢一がいないのでそのまま出て行ってくれると思ったのだが・・・


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