テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
前回の作品200いいね有難うございます。
本当に嬉しいです。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「ん…、…、?」
いるまがやっと目を覚ました。
辺りを見渡すと雪だらけ。
──そして、そこにはもう、
なつはいなかった。
「ッ…、、なつ、?」
観覧車の中から出て外を見ると一人寂しく
雪の中で埋まっていた。
激しく揺らしても、名前を呼んでも、
あの不器用な返事は返ってこない。
すべてが終わったと思ったはずだった。
死んだ先でまた会えると信じて、あの瞬間、手を繋いだはずだったのに──
指先がふと、なつの頬に触れる。
冷たい。
もう二度と、笑ってくれない。
「……うそ、だろ……ッッ?」
声が震える。
目の前がにじむ。
何度も呼んだ。
叫んだ。
でもなつは──もう目を開けない。
──どうして、自分だけ。
「一緒に死ぬって言ったじゃんかよ……
なんで……」
手のひらに残るのは、なつの手の温もりじゃなくて、冷えきった重み。
隣を見るたび、あの日の約束が脳裏に
焼きついて離れない。
なのに、なぜ。
彼らの“最後”の舞台は、雪の中だった。
観覧車の中で一緒に抱きつきながら
終わさたのに。
薄く降り積もった雪が、
なつの体を少しずつ覆っていく。
息を飲むように、いるまは自分の手のひらを見る。
──おそろいの、指輪。
なつの指にはもう、それはなかった。
雪の中に落ちたまま、見つけられなかった。
「なつ……ッ……ッ…“…!!」
肺が破れそうなほど叫ぶけれど、その叫びは白く昇って、空へ消えただけだった。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
スクロール有難うございます。
二人で心中のはずがいるまだけ生き残って
しまったという物語です。
こっからどうしよ。