ま〜たセラ夫が怪我をしたらしいですね。
「はぁ」
とため息をつきランドリーへと足を運びます。
一緒に仕事へと向かっていたたらいによると、腹を銃で撃たれ、頭を壁かどっかに強く打ったらしい。
「ったく。あんなに注意しておいたってのによ」
キレながら、私は扉を開けます。
「セラ夫!!!!」
そう声を荒げ、右手で頭をかき、左手で扉の取手を握って扉を開けようとすると、
「ヒュッ」
風を切る音と共に、私の体は後ろへと移動をしました。
ふぅ、こっちの世界に来て少し体は鈍りましたがこれでも元・諜報員。
危機管理は完璧ですよ。
てか、ナイフ持ってくるなんてどういうことです??
とりあえず、私の目の前には赤い熾天使がいます。
「、、、誰」
ん?
「誰って、、、。貴方の請負人ですけど、、?」
、、、、、、、、、、。
沈黙が流れる。何があったんだ。
「俺にお前みたいな請負人はいない。誰だ」
だから!!!!
「私は貴方の相棒で、請負人で、親友の!!!s___」
名前を言おうとした瞬間でした。
「アキラ!!」
たらいの声が聞こえてきました。
「、、、話するから、ランドリーに入って」
奏斗もきて、セラフを部屋に入れる。
何がどうなんだ。
赤い熾天使の背中を見つめて私が最後でランドリーへと入る。
「、、、、、記憶喪失、、???」
「アキラとデュエット組む前だから、結構前からの記憶全部消し飛んだらしい、、、」
は??
「ごめんな。アキラ、、。俺が油断したから、、、」
「いや、悪いのはかんっぺきにセラ夫ですね。あんなに無茶するなって言ってたのによ」
当の本人はソファの後ろでナイフを研いでいた。
「とりあえず、刺激しないでおこう。いいよね?」
「それが一番だと思います。私もあいつに心を許してもらうまで結構な年月が必要だったので。それ以前はフツーに冷たかったんですから。警戒心丸出しでした」
「声からも伝わるほどなのかよ、、、、」
そう。
最初は声だけしか聞かなかったのだが、それでも伝わるほどめっちゃくそに警戒していたのを思い出す。
「で、君たち誰?ここどこ?」
赤き熾天使こと、セラフ・ダズルガーデン。いや、今の精神状態は、Aresと呼んだ方が正しいのか。
「えーっとですね。未来の貴方の仲間ですね。Ares」
「、、、なんで名前知ってるんだよ」
やっっっっべ。
地雷踏んだかもしれない。終わったか??
「そりゃ、未来の仲間なんだから知ってて当然だろ」
「そうそう」
ちらっとこっちをみるたらいたち。
なぜ、セラ夫と呼ばないのか。それについては大体めどは立っているようだが、確認なのかアイコンタクトを取る。
言いたいことはおそらく
『昔のセラの名前?』
だろうな。この流れ的に。
ならば
『はい』
と返すべきだろう。
「Ares!!んな警戒しなくてもいいんだぞ〜?」
そりゃ無理な話だろう。
Aresはしっかりとした裏の人間だ。
警戒しなければ命はない。殺して生きる。殺さなければ死ぬ。
という世界に生きていたAresに警戒するなというのは無理ゲーとも言える。
「、、、そろそろいいか」
「は!?」
その一言で一気に彼の表情は明るくなり、意地悪になっていった。
ニヤニヤと笑っていた。
「セラ、、、、!?」
「ドッキリ大成功ぉ〜〜」
、、、、、、、、、は???????????
「えへへぇ、、、。まさかここまで引っかかるとは思ってなくってぇ」
「お、お前、、、、、、!!!!!」
「セラ夫〜!?!?!?!」
「セラ?説教される準備はあるね???」
思っていたよりも怒っている私たちに驚いたのかセラ夫は
「、、、、ごめんなさい」
としょぼけた犬のようになっていた。
ったく心配かけんな、馬鹿!!!!!
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