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登場人物


ドイツ:社畜気味で真面目。なんでもきっちりこなすタイプだが、意外と抜けているところも。酒が入ると陽気になる。イタリアのことは「面倒見てやらないと」と思っていたが、最近どうも様子が違う気がしている。

イタリア:自由人で陽気。ピザとパスタが大好き。時々唐突に真面目な顔をするが、基本的にはのんびりしている。「ドイツのこと、好きなんね」とずっと心の中で温めている。











六月のある夕方、イタリアはキッチンで焼きたてのクッキーを並べながら、鼻歌をうたっていた。

「今日が、いい日になりますようになんね〜」

彼の前には、小さな紙箱。包装紙は水色にレモンの模様。中には、自分で焼いたクッキーと、小さなメモが入っている。

『ドイツへ。

いつもありがと。

これは、ぼくの「ありがとう」と「だいすき」の味だよ。

食べたら、ちゃんと返事ちょうだいね。』

イタリアは深呼吸して、ふたを閉じる。

その夜、ドイツは残業から帰宅すると、ドアノブにかかったにその袋を見つけた。

「……これは、なんだ?」

少し冷めたクッキー。でも、それが誰のものかは、見た瞬間にわかった。ラッピングがあまりにイタリアだったから。

「いつの間に……。って、メモ?」

読み始めたドイツは、一文目で目を見開き、最後まで読んだあとは、その場で固まった。

「……だいすき、って、どういう意味だ?」

いや、意味はわかっている。でも、これは冗談だろうか。イタリアのことだから、そういうおどけた言葉を軽く言ってのけることもある。でも、このメモは、あまりに真っ直ぐすぎた。

その翌日。ドイツはなぜかイタリアに会うのを避けてしまった。

イタリアは気づいていた。でも、気づかないふりをして、いつも通り笑っていた。

「ドイツ、今週ずっと忙しいのかな? クッキー、食べてくれたのかなぁ」

ぽつりとつぶやく声に、誰もいない。

数日が経ったある夜。仕事で遅くなったドイツが帰宅すると、リビングのソファでイタリアが寝ていた。抱えているクッションには、レモンの刺繍。目を伏せている顔は、いつになく寂しげに見えた。

「……イタリア」

声をかけると、イタリアはすぐに目を覚ました。

「あ……おかえりなんね。ごめん、寝ちゃってた」

「……ずっと、待ってたのか?」

「うん。渡したのに、返事、くれないから」

イタリアは、そっと笑った。いつもの笑顔。でも、少しだけ涙がにじんでいた。

「ぼくのこと、困らせちゃった? ごめんなんね。でも、どうしても伝えたかったんだよ。いつも優しくしてくれて、守ってくれて……。それだけで、しあわせって思うくらい好きなんだよ」

ドイツは何も言えなかった。ただ、胸が苦しくなるほどいっぱいだった。

しばらく沈黙が続いたあと、ドイツは座っていたイタリアの手を取った。

「……俺は、お前の気持ちにちゃんと向き合うのが、怖かった。軽く言われたなら、冗談にできた。でも、あのメモは違った。真剣だった」

「うん、真剣だったよ」

「……俺も、お前のことを大切に思ってる。最初は“守らなきゃ”ってだけだった。でも、今はもう、そうじゃない」

イタリアがはっと顔を上げた。

「……じゃあ?」

ドイツは少し顔を赤くして、うつむいたまま答えた。

「“だいすき”の味は、ちゃんと……甘くて、温かかった。返事が遅れて、悪かったな」

イタリアの目がぱあっと光る。

「わぁ……! ドイツも、好きなんね?」

「ああ。……好きだ」

イタリアは飛びつくように抱きついてきた。

「やったー! じゃあ、今度はふたりで一緒にクッキー作ろうね!」

「……焦げるなよ」

「それはドイツが見ててくれるから大丈夫なんね!」

ソファの上、二人の間に小さなレモンの香りが残っていた。

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んがああああああとうといよおおおおおお

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