渋谷石動との連携で零の「究極の受肉」に対抗する中、教皇の動きが突然止まった。彼の顔に深い疲労が刻まれ、目は霞み、手が震え始める。
教皇: 「……これが限界か……私も、ただの人間だったようだ……」
教皇の老朽化した肉体は長年の異能使用によって限界を迎えつつあった。彼が宿す2つの異能――「アービター」と「転移」――は、膨大なエネルギーと精神力を消費するため、寿命を極限まで縮めていたのだ。
渋谷石動が零の猛攻を凌ぐ間、教皇は片膝をつきながら微笑む。
教皇: 「渋谷、あとは……頼んだぞ。私は、ここまでだ。」
教皇がその場で息絶えると同時に、彼の魂を軸にした神域の秩序が一部崩壊し始める。渋谷石動は零との戦闘中にも関わらず、背後で教皇の肉体が冷たくなっていく様子を見て焦りを覚えた。
渋谷石動: 「教皇さん、なんだよこれ!こんなタイミングで……まさか……!?」
零はそれを見て嘲笑する。
零: 「哀れなものだな。偉そうに裁きを語っていた教皇も、人間に過ぎなかった。渋谷石動よ、貴様一人で私に勝てると思うか?」
その瞬間、教皇の肉体が光を放ち始める。零が驚愕の表情を浮かべ、渋谷は即座に後退する。教皇が死の直前に仕込んでいた最後の異能――「アービター」の遺言発動が始まったのだ。
教皇の声: 「零よ……お前に渡す判決はただ一つ……。お前の存在そのものを、無に帰す。」
光の中から教皇の幻影が現れ、零に向けて裁きの槍を突き刺そうとする。しかし、零は武田忍の亡骸でそれをなんとか受け止める。
教皇の最期の力で零は一時的に動きを封じられたものの、完全には消し去ることができなかった。零は影を纏いながら、教皇の幻影を粉砕する。
零: 「教皇が死んだところで、私を止めることはできない。渋谷石動よ、お前も教皇と同じ運命をたどるがいい。」
渋谷石動は教皇の遺体に手を触れ、心の中で静かに誓った。
渋谷: 「教皇さん、あんたの遺志は俺が継ぐ。零……お前には絶対に負けない!」
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