ピンポーン
「お荷物でーす」
「はーい、今開けまーす」
ガチャ
「すみませーん、205号室以外の2階の荷物はここに届けるようにって言われたんですけど」
「はい、そうなってます」
「それじゃ、これは、お隣の202号室あての荷物ですけど、お願いしまーす」
「はーい」
「あと、こちらにサインかハンコお願いしまーす」
「じゃあサインで」
「はーい、ありがとうございまーす。どーもー」
「ご苦労さまです」
バタン
みかん箱サイズの段ボール箱に「ナマモノ」のシールが貼ってある。
(テルさんのあてだけど、さすがに部屋に置きっぱなしはマズイよなぁ)
送り状を見ると名前欄にはミミズのような文字が書いてあり読めない。品物欄には「生物」と書いてある。
(誰から届いたかテルさんに伝えようがないな。送り状取っておいて開けるしかないか)
送り状を丁寧に剥がし、段ボール箱の蓋を閉じているガムテープに手をかけると、「ボコンッ!ボコンッ!バリバリバリッ!」
「うわっ、何!?」
突然、箱の中から両腕を突き上げた状態の上半身が現れ、その勢いのまま飛び跳ねるように下半身が出てきた。山田より少し背が高く、明らかに箱に収まるサイズではない
「何!?なに??」突然の出来事に山田は混乱している
箱から現れたものは、山田に飛び掛かってきた
『テメェ!コラッ!オラッ!ヴルァ!』
山田は押し倒され背中を強打した「痛っ!なに!なに!ちょっと!」
『何だ!ゴルゥラァ!オラッ!何だ!何だ!テメェ!ゴルゥラッ!勇者が!テメェ!』
「なに?なんで!?魔族!?」
魔族は倒れた山田に馬乗りになり首を絞めようとしているのか手を伸ばしてくる
「ちょっと!ちょっとっ!何で?」
首を絞めようとする魔族『テメェ!死ね!ゴルゥラァ!オラッ!勇者が!ゴラァ!オラッ!死ねや!』
腕をばたつかせかわす山田「何!?ちがっ!勇者じゃないって!」
『オラッ!オラッ!テメェ!死ねや!勇者がよぉ!』
『勇者じゃないから!』
『何だゴルゥラァ!テメェ!殺すぞ!勇者が!テメェ!オラッ!オラッ!』
『勇者じゃない!』
『アァ!?何だ!テメェ!ゴラァ!勇者じゃないの?』
『勇者じゃない!』
『何でだ!ゴルゥラァ!違うの?何で?ゴルゥラァ!勇者は?』まだ首を絞めようとする魔族
『ここにはいないから!ちょっと!やめて!』
『わかった』
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!