テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
114
ゆんしょ
1,488
4,170
もう一度会いたい
幼い頃に出会った
桜のように儚く、向日葵のように笑ったあの人に
あの夏最後の花火と共に消えたあの人に…
毎年花火を見ると鮮明に思い出す笑顔
俺より5つ年上でいつも明るく笑っていた
だけど桜が枚散るのを見て
来年も見れるかなぁ
そう呟いた姿は儚くて子供心に綺麗だと思った
あれから10年、俺は家業を継ぐ為の修行で少し離れた街にやって来た
跡取りなんだから嫁も探して来い
そう父親に言われたが俺には忘れられない人がいる…
蓮 大介…今何処にいるんだ…
ここに来て半月、俺のいた街より栄えている
仕事仲間から誘われ夜の街に呑みに
酒はあまり強くは無いがこれも付き合いだ
「せっかくだから買いに行くか」
誰かが言った
蓮 買う?なにを
連れられて行ったのは所謂遊郭
格子の中から女が手招きする
蓮 俺は興味が無い、帰る
「そんな事言うな、ここは美人揃いで有名だぞ」
無理矢理顔を向けられる
ドレも白粉で塗りたくった女達
ただ1人だけ奥の壁にもたれボンヤリ宙を見る
桃色の浴衣に身を包んだ女
髪で目元を隠しているが口元には殴られたような痣
蓮 こんな所にいたら生きる気力も無くなるか…
裕福な家に育った俺はこんな所に入れられるしか無かった女達に憐れみを覚える
蓮 受入れられず殴られたか
死んだように動かない、浴衣がはだけているのも気にしていない
顔に特徴的なホクロ
蓮 大介にもあったな…首に可愛いホクロ…!?
よく見ると開けた首元に大介と同じホクロが
思わず格子を掴み顔を寄せる
「どうした?気に入った娘でもいたか?」
蓮 あの女…アイツに合うにはどうしたらいい
仲間に教えられ中に入る
蓮 あの桃色の浴衣の女に会いたい!!
女将 あの子ですか?旦那だったらもっといい子が
蓮 アイツがいいんだ!!
女将 モノ好きもですね、ろくに客の相手も出来ませんよ
奥の部屋に通されあの女が来るのを待つ
蓮 ここは女が客を取る場所、大介は男だったはず…人違いかもな
女将 旦那さん、お待たせしました
ほらっ今日こそお客様に可愛がってもらいな
不貞腐れた顔をしている女
? あんたもモノ好きだな、こんな愛想のないヤツ選ぶなんて
聞き覚えのある声
俺が聞きたかった
蓮 大介?大介なんだろ?
名前を呼ぶと顔が強張る
大介 なんで俺の名前知ってんだ、お前誰だ?
蓮 もう…会えないと思ってた…なんで…
逢いたかった人、でもあの時の向日葵のような笑顔とは程遠い虚ろな顔
どうして…どうして…
大介 なに泣いてんだよ、変な奴
窓に腰掛け頬杖をつき外を眺める
大介 オレと寝たいなら帰んな、体許すくらいなら舌噛んで死んでやる
言葉が出ない…会ったらいっぱい話したい事があったはずなのに
蓮 大介…ずっと探してた
コメント
1件
うわ、これ…第1話から重すぎるだろ……。幼い頃の淡い思い出の人と、まさか遊郭で再会するとは思わなかった。しかも大介、あの向日葵みたいな笑顔の面影が全然なくて、痣だらけで虚ろな目しててさ…胸が潰れる思いだわ。蓮が「ずっと探してた」って泣きながら言うシーン、グッときた。これは続きが気になるー!次、どうなるんだろ…