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⚠️ATTENTION⚠️
・嘔吐表現を含みます
・ほぼ過呼吸じゃない過呼吸あります(?)
・BLです
◯登場人物
・零音(れおん)
・湊(みなと)
零音▶︎左
湊▶︎右
この𝖢𝖯は何回か書いているので詳しい説明は省きます( . .)”
湊side
今日の体育の授業は、持久走。僕が一番苦手なやつだ。先生は5kmとか簡単に言うけど、そんなの口でならいくらでも言える。僕が持久走でどれだけ馬鹿にされてきたか。
「よーい、スタート!」
そんな先生の一言と共に、みんな一斉に走り出した。
どうしよう、ほんとに辛いかも。僕はどれだけ体力がないんだろうか。足は回らないし、息が吸えない。それに暑さのせいか頭もガンガンしてきて。
「っは、っはぁ、っ…」
足元がふらつく。視界も心做しか歪んできた気がする。だけど、だけど…走んないと。歩いたらタイム、なくなる…、
あ…吐き気、すご…
目の前、クラクラ…して、
ーーーガクッ。
僕は膝から崩れ落ちて、反射的に地面に手をついた。
…あ、
そう思うのも、もう遅かった。
「っえ゛、ぅ゛ぁ…っ、」
びたびたびた、と嘔吐物が地面に叩きつけられる。最悪だ。
「湊っ!!」
その時、僕の前に現れたのは恋人の零音くん。僕が周回遅れだったから、近くにいたみたいだ。持久走でもなんでも、運動神経は上位なのに。僕のせいでタイムなくなっちゃったじゃんか…
「走っ…て、おねが、っ」
僕がそう頼んでも、零音くんはこの場を離れる気が全くないみたいだ。
「ごめん、ここにいないと俺の気ぃ済まない。」
「そん、な…!」
「おい、お前もうタイム無しだぞ?」
先生は零音くんに向かって言葉を吐く。もうこんなところまで来てたなんて気付かなかった。
「別にいいです。じゃ、保健室行ってくるんで。」
「は!?……お前って奴は…!」
「湊、肩。」
「え、ありがと…、」
零音くんは僕に肩を貸してくれて、ゆっくりゆっくり歩いてくれる。
「普通保健室の先生呼んだりするだろ…」
あ、ダメだ…気持ち悪い、吐きそう、
「零…音く、っ…?」
「ん?」
「排水溝、んとこ…行く…、」
「あー、トイレまで無理そ?」
僕が頷くと、零音くんがそっと僕を持ち上げる。
「、!?」
「大丈夫、何もしなくていいから。」
そう声を掛けてくれた。どこまで優しいんだろう。
「おけ、頑張った頑張った。」
人目のつかない体育館裏。僕は零音くんに身体を任せていた。背中には少し骨ばった手が添えられている。
「はぁっ、気持ち悪…」
さっきは喉元まで上がってきてたのに、いざとなるとそう上手くいかない。
「どーだろ、吐ける?」
「がんばる…、」
「ん、さすってるな。」
こんなことに付き合わせるのは本当に申し訳ない。すぐ吐くか我慢するかしないと、絶対迷惑だ。
「っえ゛、ぅえっ…」
空嘔吐ばかりだったけど、零音くんは僕のこと、頑張ったなって褒めてくれた。
「もうやめとく?喉とか痛いだろうし。」
「まっ…て、ほんと吐く、でる…っ」
「じゃあもうちょい居るか。」
「お゛ぇええっ…!っう、ごめ、」
胃の中のものが一気に溢れてくる。生理的な涙も、苦しい涙も出てきた。
「ん、大丈夫大丈夫。」
今更、他の人に見られていないか心配になってきた。
「零音、くん、だけ…?」
「そう、俺以外見てない。今のうちに保健室行こ?」
「うん…、」
そして僕は零音くんにおんぶしてもらって、保健室まで着いた。
「失礼しまーす… あ、先生いない感じか、」
保健室には人の気配は無く、とても静か。
「多分、」
「…ちょっとだけ待ってて。一瞬で戻ってくるから!」
そう言って零音くんは職員室に走って行った。
「はっ、はぁ…っ、!」
そしてまた走って戻ってくる。
「そんな走んなくてよかったのに…」
「湊の顔色めっちゃ最悪だから…あ、先生来てくれるって。」
「ありがと、!」
「いいよいいよ、とりあえず中入っとくか。」
「ん、」
保健室の長めの椅子に座る。その椅子の端には洗面器が置かれていた。見るだけで気持ち悪くなってしまうのは、僕だけだろうか。
「頭とか痛い?」
零音くんの肩に頭を置くと、そう言われた。もうほんと、エスパー?
「痛い、」
「分かった、じゃあそれと吐き気だけ伝えたら授業戻るわ。」
そっか、授業戻るのか。穴開けちゃうの、まずいのは分かってるんだけど…それでも…
「寂しー…」
僕が小さな声で呟くと、零音くんは目線をこっちに移した。
「普通に嬉しい、それ…笑」
「…ふへ、」
この時間がもうすぐ終わってしまうことを、受け入れたくなかった。
本当に投稿が遅くなってしまってすみません!!久々の投稿なのにメインの物語の方じゃないのが気になりますが…
次の作品も期間が開くかもしれません!そう思っておいて頂けると助かります…!
それではまた!!