テラーノベル
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⚠️ATTENTION⚠️
・嘔吐、過呼吸の表現があります
・BLです
・失禁あります
・高熱
登場人物
・湊 みなと
・零音 れおん
「ん〜、? 」
今課題真っ只中。だけど分かんない、笑
何か飲み物を持ってこようと歩き始めると、すごい目眩がした。平衡感覚が狂い、足に力が入らない。
ーーーどたっ
「わ、…!?」
目の前が歪んで、ぐるぐる回っている。
すると迫ってきていた吐き気に気づいて、慌ててごみ箱を取った。
「お゛ぇぇぇっ、げぇ、ッ…や、とま、んな…ッ」
吐いてる間も視界は歪んでて、ごみ箱に吐けてるのかすら怪しい。
「はぁっ、ぅ…なんで、」
まだ続く気がしたけど、鉛のように重い身体は動いてくれない。
「……ふー、」
胃が掻き混ぜられているみたいな気持ち悪さがずっとあって、ごみ箱を抱え込んでしまう。ちょうど家族が居ないから、一人なのも本当に辛くて。
「ッえ゛ぁ゛…ぅ、」
いくら舌を突き出しても口から出てくるのは唾液だけ。なんの涙かよく分からない涙まで出てきた。
キーーン……
「う、ぁ……ッ、」
何故か耳鳴りまでしてきて、とても耐えられたものじゃない。
もう無理、
僕はスマホを手に取ると、零音くんの連絡先をタップした。
ーーprrrrr…
『どした?』
スマホを介して聞こえる声に強く安心感を覚える。
「目眩と耳鳴り、すごくて…ほんとごめん、家来てもらうことってできる…?」
『あー…今ちょっと遠いところいてさ、』
その言葉を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。一人で耐えるなんて僕にはできない。
「え、…じゃあ大丈夫、ごめん…」
『そんな謝んなって、そこまで遠くないし全然行くわ。』
「いい、の……?」
『いいよ、今から行くから待ってて?』
「ありがと、」
『ん。』
そこで電話は終わった。
零音くんが来るのに時間こそ掛かると思うけど、来てくれるなんて思わなかった。あとちょっと、あとちょっと耐えれば。
…やばい。トイレ行きたくなってきた。思い返せば、起きてから一度も行っていない。
自覚した途端尿意は加速するばかりで、気付けば身体の中心を握ってしまっていた。
「んッ…ふ、ぅ……」
トイレに行こうにもとにかく身体が重くて動かない。でももう限界はすぐそこで、我慢できなくて。
「いこ、……ッ」
ゆっくり立ち上がって、ゆっくりドアを開けて、ゆっくり階段を降りる。 階段は地獄で、降りていく度に辛くなっていく。
ずくんっ、
「…ッ!?ぁ、う…、」
あ、だめ、出ちゃ…
脚に生温い液体が伝って、床に滴る。
「はぁッ、ん…、」
止めようと思って、必死に足踏みを繰り返した。
「っあ、あぁぁあ…ッッ、」
無理、これ…止まんない、
気持ちよくて、だけど最悪で。零音くんなんかに見られたら終わりだ。
僕はへなへなと床に座り込んで、びしょ濡れになった服の裾を握りしめた。
「…う、っ…ひぐ、」
泣いたらダメ、零音くんすぐ分かるもん…、
だけど自分に泣いたらダメだと言い聞かせれば言い聞かせるほど涙が出てくる。
身体が動かない。
吐きそう。
寒気がする。
助けて、誰か…、
「湊っ!!」
その時、僕に駆け寄ってきてくれたのは零音くんだった。来るの、早…
「っごめ、ごぇ、なさ…ッ」
「大丈夫大丈夫、謝んなくていいから。」
零音くんは僕の背中をさすってくれた。
「ありがと、…」
「身体熱っつ…すげー熱、」
「寒気、する…」
「だよな。んと…とりあえずここ汚れるからお風呂行ってて?」
「うん、」
僕は零音くんの言う通りお風呂に向かう。どうしよう、また片付けさせちゃうだろうな…今回ばかりは汚すぎて、片付けさせてしまうのは抵抗がすごい。本当にごめん、そう思いながらシャワーで身体を洗った。
やっぱりしんどいのは変わらなくて、今にも倒れそうだ。 零音くんが用意してくれたのであろう服を着て、壁に身体を預けながら歩く。
ドアを開けた先には手を洗う零音くんが。
「うお、ごめんな。間に合わなかったわ… 」
「何、が…」
「いや、片付け終わったら風呂行こうと思ってたんだけど。」
「だい…じょぶ、ちゃんと、上がって…これたし……ッ゛ぷ、 」
あ、やば…吐く。僕は咄嗟に口を押さえた。
「ん、吐きそ?ここいーよ。」
目の前に差し出された袋を掴んで、自分の口元に持ってくる。
「ッゔぇ、ぅぶ…っ…え゛、」
ぱたぱた…
「気持ち悪いよな、」
零音くんは僕の背中をさすってくれた。…なんかやばい。全然息が入ってこない。吐いたときは珍しいことではないけど。
「っは、ぁ、ッ…ひゅっ、はッ…」
「あー…一旦息吐いて、俺の真似して?
はー、ふー、はー…」
零音くんは優しい声でそう言ってくれた。
「はぁ、っ…ふ、ッ…は、」
「そう、そのままな。だいじょーぶ、だいじょーぶ…」
「落ち着いた…、ごめん…」
いつも過呼吸になると、零音くんに落ち着かせてもらっている。その時に掛けてくれる、優しい声が大好きだ。
「全然いいよ、またなんかあったら言って?」
「ありがと、」
「ん。湊の部屋行くか。」
「あ……!」
まずい。ごみ箱に吐いたままなのを忘れていた。見ないで、息しないで…!!
「大丈夫、全然気にしないから。片付けてくるな?」
「いや、僕…やる、」
僕がごみ箱に手を伸ばすと、零音くんがごみ箱を取る。
「湊今すげー熱あんの。俺やるよ、 休んでて。」
「わかった…、寝ていーの、?」
「もちろん笑、おやすみ。」
「おやすみ、ほんとありがと…大好き、」
「俺も。」
そっと瞼を落とすと、いつの間にか僕は意識を手放していた。
_𝐹𝑖𝑛.
この7話の続きはまだまだ書けそうなので♡の数突破すれば書きます!
NEXT▶︎♡50
コメント
1件
ん??突破するの早すぎませんか!? ありがとうございます、書きますヾ(*ˊᗜˋ*)