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『こっちだよ〜』
中へ入るとギシギシと廊下が軋み、側面の壁の汚れが血飛沫が飛んだような痕に見えて
ゾムは一瞬目を見開いた。少し後悔をしながら奥へ進むが、少しずつ彼は、
果たして帰れるのか、が心配になっていた、薄暗く不気味な雰囲気がゾムを覆った。
彼は暗殺者であるが、大のホラー恐怖者なのだ。だが、そんな彼の気持ちを
悟ることなくらっだぁは奥へと進み続ける。そして、ひとつのドアに当たった。
『ここだよ〜ほら、入って入って!』〈ガチャ〉
「着いた、、?、、、お、、お邪魔します、、、」〈ビクッ〉
らっだぁに諭され中に入ると真っ暗闇の先に4色に光る何かが見えて腰を抜かしそうになった。
『ア!ソノコガキョウノコ?』
『そうだよ〜ゾム君だよ〜みんな仲良くねぇ〜』
『え、こんなに小さい子が相談者!?あ、レウクラウドですーよろしくね〜』
『初めまして〜コンタミだよ〜君可愛いねぇ〜』
『いや電気付けろや!!!』
『『『『あ、確かに』』』』
『お前ら、、、、』〈カチッ〉
「ぅわっ、、」
『あ、眩しかったなすまんな?』
「うぅん。大丈夫や、、で、、、、、、、、トントン」
眩しさに目を細めだんだん光に目が慣れると目の前にはトントン、彼と同じ豚を
被った黄色い人が居た。無意識に彼の名前が出てしまった。
『ん?』
「豚さんや!トントンや!!」
自分でも彼の名前が出たことに驚いたが、それを感じさせまいと続けた。
『、、、、、、あー、パーカーか』
彼はトントンという人物は知らないが、豚、という言葉に反応した。
彼のパーカーは豚を真似て作られたものだったらしい。
『プッ、、、ククッ、、、』
『おい。なにわろてんねん。、、、俺はトントンさんやないで』
「、、、、、あ、ほんまやぁ目が違うマフラーもしてない」
『そのトントンさんはどんな人なん?』
「んーとなぁ、、、かっこええで!強くてな!赤い目ぇしててな!赤いマフラー
してんねん!僕が冬ん時に寒そうやったからあげたんやけど気に入ったらしくて
その日からずうっと付けててな?んで!背が高くて黒髪でな!メガネしててな!
なんでも出来る凄い人やねん!んでな!いっつも褒めてくれるん!」
『そうかぁそれはええなぁ』〈なでなで〉
「、、、、でもなぁ、、、もう会えんかもしれん、、、、」
『なんでや?』
「僕、、、マフィアの幹部辞めてきてん、、、」
『『『『え???ゑ????』』』』
『、、、、ん?????ゾム君はマフィアの幹部やったん????』
「おん!せやで!なんなら僕暗殺者やで!」
『え????ら、、らっだぁ知ってんのか?』
『いや、、、、は、、初めて聞いた、、、ぞ、、ゾム、、名前教えて貰っていい?』
「?カオスクリーパー」
『はぁっ!?』
『え!?か、、カオスクリーパーって、、、あれじゃん!!超有名な奴じゃん!!』
『なんなら知らんやつ居らんって!!!』
『こんなに小さいのに名前を聞くだけで世界を揺るがす暗殺者だなんて、、、』
『ビックリダネ』
『信じらんないよねぇ』
「むっ、、、ほんまやもん嘘ついてないもん」
『あ〜ほっぺ膨らましてる〜可愛〜ん!』
『『『うわっ、、、』』』
『らっだぁきっしょ』
『なぁんでそんな事言うの!?』
「、、、、、んふふっw」
「らっだぁきしょ〜ww」
『ゾムぅ〜????』
『ゾム君にまで言われてるやんwwwww』
『お疲レウ』
『ラダオクンドンマイ』
『おつ〜』
『お前らぁぉぁあ!!』
「わっ」
『ムキになんなや今はゾム君がおんねんぞ』
『ソウダヨゾムクンガケガシタラドウスンノアブナイデショ』
『俺達は喰らわないけどゾム君は喰らっちゃうもんねぇ』
「?なんが?」
『らっだぁの攻撃、、、って言うか魔法っていうか、、、』
「らっだぁ魔法使えるん!」
自分でも驚いた。こんな年相応の声が俺にも出るのだなと。
『ん〜???、、、、、うーーん、、、、使えなくは無いよ〜』
「わっ!凄いなぁ!!らっだぁかっこええね!!」
だがこれで反応を変えてしまうとおかしなことになるので続けた。
『え〜ほんと〜?俺かっこいい〜?』
「おん!めっちゃかっこええ!」
『『『『チョロ』』』』
『誰がちょろいだぁ〜????』
『落ち着け落ち着け』
「らっだぁ相談聞いてくれるんちゃうん!」
いつまでこの演技を続ければいいのだろうか。
『あ、そうだった』
『じゃあこっちだよ〜』
「はーい」
『あ、そうだ』
「?」
『ゾム、わざわざそんな演技しなくても素を出してくれていいからね』
「!?」
い、、、いつからバレていた、、、、?
『初めからなんか合ってないなって思ってたんだよねぇ』
『あ、わかるぅ〜』
『うんうん。なんか違ったよねぇ』
『らっだぁも分かっとったんか』
『マァ気ヅイテ当然ダヨネ』
なんや、、、皆そう思っとったんか、、、
「、、、、、、、んなら話は早いわ」
『おっ』
「いやー小さい子演じんの疲れるんよなぁ、、、、年相応を出さないといけないから」
「ホンマにだるいし、」
『大変だねぇ』
「んで?どこまで行くん?」
『ん?あぁ、ここだよ〜』〈ガチャッ〉
地下に続く階段を降りていくと1つのドアが見えた。
そのドアを開けると綺麗に整頓、掃除された部屋が会った。
「、、、、綺麗なとこやな」
『でしょ〜』
『じゃあゾムはそっちに座って〜』
「ん。」
あ、これ良いソファーや、めちゃ沈む
『さて、ゾムはなんの悩みを持っているのかな?』
「〈ゾワッ〉」
空気が一気に重くなった。嘘をつけば、殺される。そんな悪寒がした。
が、俺は平然を装って
「悩みなぁ、、、、グルッペンと喧嘩したことかなぁ」
『喧嘩?』
「そ、喧嘩。」
『なんの喧嘩したん?』
「うーん、、、グルッペンがなぁ、、、僕が作った毒入りのクッキー食べようとしてん。」
『え、愚かすぎない?』
「やんなぁ!そう思うやんなぁ、、、」
『で?そのグルッペンさんはどうなったの?』
「僕な、クッキーいっぱい作ってて、その中の5枚だけ毒入りやってん。」
「でも、あいつはその5枚を避けて全部食べてん。」
「むしろ凄いけどワンチャン死んでたことを考えると怖くてグルッペンを怒ってもうてん」
『したらグルッペンさんも怒り始めたって感じか?』
「そうなんよ。最初はアホちゃうかって思ってん。なんで勝手に食べるんやって話しやん。」
「けど、あいつは阿呆やから、全然僕の言うこと聞いてくれんし。」
「しまいには置いて放置してたお前に責任があるんじゃないかって言い出してな」
「僕がブチ切れて出たって感じやなぁ」
『ワァ、グルッペンサン、自分勝手ナヒトナンダネ』
「おん、、、、酷いやろぉ?まぁ、、、僕にも責はあると思うけどさぁ、、、」
『その件に関してはゾムさん悪無くないか?』
『うんうん。俺もそう思うな』
『これはグルッペンさん?が悪いねぇどう考えても』
『でもゾムはなんで毒入りのクッキーを作ってたの?』
『『『『確かに』』』』
「、、、、僕が食べようと思って」
『ん?なんで?』
「僕は幹部で暗殺とかの任務をよく受けんねんけど毒耐性は持ってて悪いことは無いから」
「耐性つけよおもて作ったらこんなことになった。」
『、、、なるほどねぇ。何してんの!?』
「だぁってぇ、、、持ってて損は無い耐性ランク1位やん。毒耐性」
『そういうことじゃない!!!!』
「えぇ?」
『いやいやいやいやゾム今何歳?』
「、、、、、、、8、、、、9?」
『はいダメでーす』
「えぇ、、、、?」
『なんでそんな歳の子がそんなことしてんだよ骨溶けたらどうするんだよ』
「うーーん、、、まぁおつかれ?」
『なんでだよ!!!』
「まあまぁ、、、やから僕はグルッぺンと喧嘩してもうてん」
『、、、、、まぁ、、、それがゾムを悩ます原因なんだね?』
「おん、せやね」
『それなら俺が解決してあげる!!』
「、、、どうやって?」
『ん?』
『それはねぇ〜。みどり!』
『ン。』〈ヴンッ〉
らっだぁが彼の名前を呼ぶと、彼は察したのか魔法?を発動した。
その瞬間黒い何かが緑色の近くの壁に張り付き、瞬く間に金色で縁取られた
青い扉が現れた。緑色が扉を開けると1寸先は真っ暗闇だった。
1度入ってしまえば二度と出られないかもしれないという恐怖をゾムに抱かせた。
『レウサン行ッテ来テ』
と、そばに居た赤い瞳の人、レウクラウドにそう言った。
『うえぇ!?俺ぇ!?』
驚くレウクラウドに緑色はさも当たり前かものように振舞った。
『ハヤクイッテキテ。』
『えぇ〜、、、、いってきまーす』
『行ってらっしゃーい!見つかるなんてへまするなよ〜』
『あーい』
『頑張ってね〜レウさ〜ん』
『ん〜』
レウクラウドが入った瞬間、扉は閉まり、黒い何かは緑色の手に集まった。
意思があって動いているのか気になったゾムは無意識に緑色に問いかけた。
「、、、、それ、なんなん?」
ゾムが気づいた時には既にその言葉が音となって出ていて、引き返すとこは出来なかった。
『ン?コレハネェ、、、』
と、緑色が何かを言いかけた瞬間
『ただいまぁ〜』
先程暗闇に消えたレウクラウドが“何か”をもって壁から出てきた。
「えっ、、どっから出てきた、、、?」
『レウさんゾム君がびっくりしてるでしょー?やめてよも〜』
『えぇ、、?ごめんって』
『で?それは?』
『ん?あぁ、えーと、、我々だの若頭さん?』
「え!?グルッぺン!?」
「あ、ゾム先生!!」
「あぁ、、どうも、、、」
「さっきはすまなかったんだぞ!!!私としたことが、まさかゾム先生にあたってしまうとは、、」
「いや、、ええよもう、、、らっだぁ達に話聞いてもらったし謝罪も必要ないわ」
「では許してくれるのか?」
「はいはい。ゆるします許しますー」
「では我々だに戻ってきてくれると!?」
「なんでやねん。、、、、、まぁええわ。戻ったる」
「良かったんだゾ!!!これであいつらが怒ることは無くなったんだゾ!!」
「あいつら?」
「いや実はな、、、」
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「トントン達に怒られただぁ?」
「早く連れ戻して来いってな、、、」
「はぁ、、、」
「そしたらちょうどそこのレウクラウドが来て、私をここに連れてきたという事だ」
「なるほど、、、、ごめんなぁレウさん、、、」
『ん?あぁ、大丈夫だよ〜』
『なら問題解決だよね!!!!』
「おん。ありがとうならっだぁ」
「謝礼はどこに払えば良いんだ?」
『あ、じゃあゾムに持ってきてもらうってことで〜』
「おぉ、分かったわ!任せろ!」
「幾らぐらいだ?」
『あ、うち金銭じゃないんですよね〜』
「、、?では何を?」
『実用的なやつがいいですね〜』
「ほう、、、?、、、わかった。こちら側で選んだ後、ゾムに持っていかせる。」
『お願いします〜』
『じゃあみどり開いて〜』
『ンー。』〈ヴンッ〉
「じゃあゾム先生帰るぞ!」
「んー。あ、ちょっと先行ってて」
「わかったんだぞ!」
「らっだぁ達は」
『ん?どうしたの?ゾム』
「、、、、、、いつの人?」
『!?』
『え、ゾム?』
「、、、、、ずっと思っててん」
「”この時代に”能力使えるやつは居らんもん。」