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家に帰って来てからはもう、話しはじめたら止まらなかった
「俊哉ってとにかく私を支配したがるのよね・・・それに彼の気分に合わせて欲求がコロコロ変わるの、それはとても些細な事なんだけど・・・ 」
「たとえば?」
弘美さんがハルをベビーバスに浮かべ、体を優しく洗っている、ハルは終始ご機嫌でニコニコしている
「例えば・・・朝和風ハンバーグが、食べたいって行って出て行くでしょ?それで作って待ってると、帰って来て和風ハンバーグを見て、本当はカレーが食べたかったとか・・・」
「相当な気分屋ね」
私はバスタオルを広げ、ビショビショのハルを受け取った
「それに・・・・私の家庭環境をいつも引き合いに出して来て、君はこういう家庭に育ったからこうだって・・・あまりにも決めつけてしまうものだから、本当にそうなのかな?って思ってしまうの・・・」
「いわゆる刷り込みね、でもそういう特徴のある人は、本来は頭の回転が速くて気が利く人なのよ、でもその分析基準が妬みや嫉みなので、歪んでいる傾向があるの 」
私は目を見開いて彼女を見た
「そう!そうなの!付き合った最初はそれはそれは、彼はよく気が付いてくれてすごいなと思ったものよ
あんな風に優しく甘やかされるのはとても気分がよくて・・・」
「でも結婚した途端違ったんでしょ?」
「どうしてわかるの?」
私はハッとしてハルのベビーパウダーを落としそうになった
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