テラーノベル
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渡辺が、スタジオの控え室で、携帯を見てため息を吐く。今日の練習に目黒が参加出来ない。仕事が立て込んでいて夜遅くまでかかるらしい。帰ってくるのも遅く、渡辺は眠っている。話が出来ないのだ。渡辺は寂しく思うけど、遊びじゃないから仕方ない。
そっと隣りに入ってきたら、渡辺は眠っていても、目黒に擦り寄る。
こんな日々がどれだけ続いているだろう。寂しい。目黒は寂しくないのだろうか?同じ家にいるのに、会話らしいものがない。またひとつ渡辺はため息を吐く。
溺愛の鬼が寂しくないわけがない。帰ってくると、家の中は、静かだし、渡辺が迎えてくれるわけでもない。自分は寂しいし渡辺にも寂しい思いをさせている。だけど、仕事をいただくのはありがたいこと。
倒れないように頑張っている。だが、やはり眠っている渡辺の横にすべり込むと擦り寄ってくる。抱きしめて、やっと身体の力が抜ける。
目黒ー翔太くん…。
一体何日ぶりだろう。目黒が早上がりで帰ってくる。だが、タイミングが悪かった。渡辺の様子がおかしい。喜ぶところだが、ちょっと困ったような顔をする。
あの憎き専務には、娘がいる。目黒に娘と付き合えと言ったこともある。だが、娘は渡辺に興味がある。最近、よく待ち伏せされる。電話やLINEはないが、家はバレている。渡辺が帰ってくる。今日も駐車場の入り口付近で待っている。
渡辺は車を駐車場の中まで入れてもらい、帰る。
そういうことがあったと知らない目黒。マンションの前で降りた。
娘ーあなた、目黒さん?
目黒ーはい。
娘ー渡辺さんはいつ帰ってくる?
目黒ーさぁ。
娘ー知ってるでしょ。
目黒ー教える必要はないかと。
娘ーパパをクビにしたわね。
目黒ー専務の娘さん?
娘ーそうよ。
目黒ー俺たちに近寄らないでくれる?
娘ー偉そうに何?
目黒ー関わらないって誓約書あるから。
娘ー私は関係ないわ。
目黒ー渡辺には絶対会わせません。
娘ー偶然に会っちゃったら仕方ないわよね?
目黒ー?
やっと会えると、喜んでいた渡辺。ちっとも帰ってこない目黒を心配して、エントランスまで降りてきてしまった。娘を見て、しまったという顔をする。
何も知らない目黒がエントランスに入ってくる。当然のようについて一緒に入ってきた。
娘ーこんばんは、渡辺さん。
渡辺ー誰?
目黒ー専務の娘。
娘ーずっと前から待ってたのに。
渡辺ー知らないし。
娘ーあなた、綺麗ね。
渡辺ー…。
目黒ー翔太くん、帰ろう。
渡辺ーん。
娘ー無視しなくていいじゃない。
目黒ー父親が渡辺に、どんな酷いことしたか、聞いてみたら?
娘ー何したの?
目黒ーだから、父親に聞いてみたらいい。そのせいで退職になったんだから。
渡辺ー目黒、帰ろう?
目黒ーもう、ここには来ないで。
家の玄関で渡辺はふらりとよろめいた。目黒が支えて、ソファに座る。
冷たい水を飲み、ふーーっと息を吐くが顔色が悪い。
会いたくない人物に会った。専務の執拗な嫌がらせが甦る。
目黒ー大丈夫。
渡辺ー何しに来た?
目黒ー翔太くんに会いたかったみたい。
渡辺ー親子でなんだ?俺に関わるな。
目黒ーもう来ないと良いね。
専務の娘は何も知らなかった。
いつも、家で、目黒が〜渡辺が〜と腹を立てていた。
専務は目黒に娘を紹介したかった。あんな渡辺よりうちの娘の方がいいに決まっていると言っていた。
だが、会ってみたら、渡辺は綺麗だった。
親が親なら、子も子だ。
今は権力もないし、会社と関係ないし、でも、卑劣にも、2人のことを他人に言っていいのかと、マネージャーに接触してきた。要求は目黒の電話番号。マネージャーが相談してきた。
目黒は教えていいと言う。
いい機会だから、はっきり言うと。
渡辺には知らせないでと言う。何故ですかと聞いたら、また食べなくなる。そうして、専務の娘は目黒の電話番号を手に入れた。
すぐかかってくる。渡辺に会わすことが条件で、2人のことは内緒にする。目黒は、会わせられないと言う。いいのかと脅しをかけてくる。
目黒は娘に父親が何をしたか、聞いたか?と言うけど娘は知らないと言う。会社をクビになるくらいのことをしたんだ。どんな酷かったか、父親に聞いてみろと目黒は言う。
父親は今一緒に住んでない。だから分からないと娘は言うけど目黒は聞かない。父親が渡辺にしたことを知っても会いたいと思うなら、電話してきてと目黒の意見は通ったかしばらく娘から、連絡はなかった。
いつもよりちょっと早く帰って来た目黒。マンションの入り口に、娘が立っていた。会うなり娘は笑う。自分の父親がしたことは大したことないと言う。あの日々を大したことないと言える娘も、歪んでいる。
目黒ー何の用?
娘ーあんなこと、どうってことないじゃない。渡辺さん、弱いわね。
目黒ーあの日々をそんな一言で片付けるのはやっぱりあの専務の娘だね。
娘ー私が慰めてあげる。あなたなんかいらないわ。
目黒ー残念だけど、渡辺は君には会わない。
娘ー会わないじゃなくて会わせないじゃないの?男の嫉妬は見苦しいわ。
目黒ー君を見てると専務を思い出す。渡辺が会うはずがない。
娘ー失礼ね。
目黒ー帰ってくれる?
娘ー渡辺さんに会わせて?
目黒ー会ってどうするつもり?
娘ー笑ってやるわ。弱い自分を恥じなさい。
目黒ー帰れ。
娘ーな、何よ。
目黒ー腐ったやつを渡辺に会わすつもりはない。帰れ。
娘ームカつくわ。
目黒ーこっちのセリフ。
娘ーそんな、あんたたちに負けた父親が情けないわ。
目黒ーもう帰ってくれる?
娘ー言われなくても帰るわよ。腹立つわ!
渡辺は、家で待っていた。今日はちょっと早く帰ってくるはず。
話したいことがいっぱいある。目黒の話もいっぱい聞きたい。何度も時計を見る。玄関の開く音がした。
渡辺は走っていく。目黒に飛びつく。
渡辺ー遅かった!
目黒ーごめんね。
渡辺ー晩ご飯は?
目黒ー食べた。
渡辺ーあの、あの、ん…。
目黒ーゆっくり。
渡辺ー話したいこといっぱいある。
目黒ーん、俺も。
渡辺ー疲れてる?
目黒ーいや、いっぱい話すのが嬉しい。聞きたいし。
2人はコーヒーを飲みながら色々話す。目黒は専務の娘が来たことは言わなかった。渡辺の嬉しいって顔を見て言わないと決めた。済んだこと。厄介者は追い払った。
目黒が渡辺の髪をすく。渡辺は首をすくめ笑う。久しぶりの触れ合い。渡辺が恥ずかしそうに言う。
愛してほしいけど、もたない。それでもいい?と。
目黒ー可愛いお誘いいただいちゃった。
渡辺ーあの、あのね…。
目黒ー何年も経ってるのに、変わらないね。
渡辺ー…呆れた?
目黒ーますます惚れる。
渡辺ーふふふ。
目黒ーここでいいよね?
渡辺ーん…服脱ぐ。
目黒ーだめ、俺の楽しみ取らないで。
渡辺ー俺も、する。
目黒ー手が止まってる、翔太くん?
渡辺ー専務の娘、もう終わり?
目黒ーん、終わり。気にしないよ。
渡辺ー何の話した?
目黒ーどうした?
渡辺ー服に香水の香りが少しする。会ったんだろ?
目黒ー帰れって追い返した。
渡辺ー俺のこと…。
目黒ー大丈夫、気にしないよ。
渡辺ーありがと。
目黒ー我慢出来なくない?
渡辺ーんっ…強く抱いて…。
目黒ー大事な俺だけの翔太…。
渡辺ーんっ…はぁ…はぁ…離さないで…。
目黒ーずっと一緒。
渡辺ー嬉しっ…んっ…はぁはぁ…。
目黒ーもたない。
渡辺ーん、何度も愛して?
目黒ー翔太…。
渡辺ー俺を守ってくれて、ありがと…はぁ…いい…いい…。
目黒ー蓮って呼んで?
渡辺ーでる…蓮…もう…だめ…蓮…。
目黒ー愛してる。
渡辺ーん、はぁはぁ…だめ…でちゃう…蓮…んっんっんっ…。
渡辺を腕に抱いて、布団の中で目黒は電話番号を変更している。
2度と、関わらない。専務親子と縁が切れた瞬間である。
コメント
10件

しつこい親子で、最低な親子ですね💢もう関わる事がないなら安心です😮💨
親子だね…😮💨 もう、ふたりには関わらないでほしいよ😣
親娘そっくりだったのね⬇️ 迷惑!無視無視、だわ!!