テラーノベル
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翌日、昼休み。
Hoolaは屋上でお弁当を食べながら、空を見上げていた。
手元には、昨晩こっそり作った“ハート形のキャンディ”がひとつ。
「……あげよっかな、やめよっかなぁ……」
口では軽く言っても、心は全然軽くなかった。
だけど、その背中に「ドンッ」と音がするほどの勢いで抱きついてきたのは、Pomilyのリーダー・Pompomだった。
「なーに1人で悩んじゃってんのー!?かわいい顔が曇ってんぞ♡」
「ちょっ!ちょっと!べ、別に悩んでなんかないし〜〜!」
「うっそつけ〜!あんたが1人でお弁当食べてるなんて異常事態!」
「心のSOSだと思ってすっ飛んできた」とSoozaがにっこり。
「ほら〜、失恋とかしちゃってんじゃねーの?」とRoobaがわざと煽るようにニヤつく。
「……赤いキャンディ……恋のおまじないかも……」Tootooがぽそっと呟いた。
Hoolaはぷくっと頬をふくらませたけど――
その目の端が少し潤んでいたのを、みんな気づいていた。
「だってさ〜〜、なんかアイツ、うちのことどうでもいいのかな〜とか思えてきちゃってさ……」
「バカ言わないの」Pompomがピシッと指を立てる。
「どんなに不器用でも、あんたのこと絶対見てるし、想ってるって。私たちが保証するからさ」
「うんうん、あんたってそういうとこ、意外と乙女だもんねぇ」とRooba。
「気持ち、伝えるべきだよ……絶対に」Soozaがそっと手を握る。
「……星が今夜、強く瞬くなら……きっとタイミングは今日……」Tootooが不思議な言葉で背中を押す。
Hoolaは、きゅっと目を閉じてからパッと笑った。
「……じゃあさ、やる!もうぐるぐる悩むの、ダサいしね!うちはHoola!いっちょカマしてくるわよぉ〜〜!」
Pomilyのメンバーが「よっしゃー!!」「やったれ!」「恋爆発しろー!」と騒ぐ中、彼女は立ち上がった。
⸻
一方、Hyeheheは階段の踊り場でCherubbleとHumbugに詰められていた。
「で?昨日のアレ、なに?口喧嘩しつつ照れてたけど、あれデートじゃん」
「……デートじゃねぇよ、タイミング逃しただけ」
「ふ〜ん。でも本当は、あげられなかったんでしょ?あの赤い飴」
Hyeheheのポケットに、同じくハート形のキャンディが忍ばせてあることを、Cherubbleはもう知っていた。
「……ったく、お前らうるせーな……」
「じゃあもう覚悟決めて、気持ちぶつけてこいよ」
Humbugが言ったその瞬間。
階段を駆け上がってきたHoolaと、目が合った。
「……はっ!!?なんであんたここにいんのよぉ!!?」
「そっちこそ!!わざわざ来るなよ!!」
「は!?何その言い方!?あ〜もう、マジで腹立つ〜〜〜!!」
「……だったら、これやるよ」
Hyeheheが、ポケットからそっと差し出したのは、赤いハートの飴。
「うっ……!?あ、あんた、これ……え、え、え!?!?」
「別に深い意味はない。ただの飴」
「……っ……じゃあうちも、これ……!」
Hoolaも慌てて、自分のキャンディを差し出す。
「お揃い……ってことにしといてやるっ!」
2人の手がふれる。
どちらも、顔が真っ赤。
Cherubble「(はいはい、進展進展)」
Humbug「(押してよかったわマジで……)」
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