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私にとっての世界とは、そういうものだからな。
だが、それでも私は生きるのだ。
この呪われた身体を引き摺ってでも生き抜くさ。
それが私の罪に対する贖いなのだからな。
私には夢があるんだ。
誰にも話したことはないけどね。
それは……
『幸せになること』だよ。
私はいつも不幸せで満ち足りた気分になることがない。
だけど、私が本当に求めているのはそれじゃない。
本当は、誰かに愛されたかっただけなんだと思う。
でも、もう遅いんだよ。
だって、私は誰からも嫌われてるから。
こんな私を愛してくれる人なんてきっといないよ。
そう思うと涙が出てくる。
嗚呼、神様。
どうか私を哀れんでください。
貴方が望むものはなんですか? 夢?希望?それとも絶望? その答えを教えましょう……。
さあ……この世界を救いなさい! そうすれば全てを与えよう!! 代償は貴方の命だがね……フハハッ!! その声と共に、世界が壊れていく。
崩壊して行きながら見える光景は……
どこまでも続く荒野と……
巨大な剣を振りかざし、 こちらに向かってくる騎士の姿。
「くっ!?一体何なんだお前は!?」
俺は咄嵯に身構えるが、 身体は全く動かない。
「ふっ……貴様如き虫ケラに教える必要は無い」
男は少女を見つめた。
少女は男の視線に気付き、顔を赤らめた。
二人の距離が縮まる……。
―――だが、そこにいたのは、二人ではなかった。
「なぁにやってんだ?」
突然聞こえてきた声に、二人は驚いて振り返った。
そこには、一人の少年の姿があった。
黒い髪に黒曜石のような漆黒の瞳を持った、端整な顔立ちをした少年だった。
「えーっと……」
「誰ですか!?」
突然現れた見知らぬ相手に、フェイクは警戒心をあらわにする。
「オレはお前だよ」
そう言って、彼はニヤリと笑みを浮かべた。
「……へぇ~」