テラーノベル
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「え‥‥だって叶さんが乗る車は‥‥」
「僕まだあるから」
「でも俺だって車ありますよ?」
「こっちの方が警察とのチェイスに強いしさ」
「‥‥‥‥叶さん?」
「ん?」
叶さんはいつもと変わらず優しく俺を見つめる
でもなぜだろう
それが無性に俺を不安にさせた
「こんな高級車とスポーツカーばかり‥‥やっぱり俺受け取れません」
「なんでよ。僕新車買う予定だから、どうせならこやに乗って欲しいんだよね」
「そんなにお金貯めたんですか?」
「そうだよ。こやもちゃんと貯めとかないとダメだよ。いつ何があるかわからないんだから」
「それはそうですけど‥‥」
「だからこの車達はこやが使って」
「‥‥‥‥‥‥」
「乗らない僕の所にあるより、こやが使ってくれた方が車も喜ぶと思うし」
半、押し切られる形で車を譲り受けてしまった
こんな高級車ばかり‥‥
「あとさ、僕に聞きたい事とか今できる事とかある?」
「今?‥‥いや、特には‥‥」
Lycorisの戦力の話や資金の話は今に始まった事じゃないし、叶さんも知っている事
この場合の話の意図はなんだ?
「逆に俺に何か言う事はありますか?」
「ないよ。聞いてみただけだから」
「なんでも言って下さい。俺直しますから」
「だからないって。こやは頑張りすぎだからな」
「そんな‥‥俺なんてまだまだ未熟でみんなに迷惑しかかけてないですから」
「そんな事ないでしょ?こんなにみんなに慕われるボスなんだから。ちゃんと話も聞いてくれるし、目もかけてあげてると思うよ」
「なんですか‥‥急に」
「でもね、こやの難点は一人で背負い込む事かな」
「そんなの‥‥叶さんもエクスさんも同じじゃないですか」
「それはね‥‥やっぱり出来ない子達見てると手伝いたくなっちゃうし、僕がした方が早いなって思う時もあるからね。でもこやはこれからもっと忙しくなるんだから、みんなに役割を分担してもらう事は覚えないと体を壊しちゃうよ」
「大丈夫です。無理はしてませんから」
「フフッ、結局僕達は無理してないからって言いがちだよな」
「‥‥叶さん?」
「どした?」
「なんか‥‥今日変じゃないですか?」
そう聞いた俺の顔を見て叶さんが俺の額にキスをした
「ちょっ‥‥叶さん!ここ外‥‥」
「こや‥‥今日は早く帰っておいで」
「え‥‥?」
「僕これから用事足してそのまま帰るから」
「じゃあ俺もなるべく早く帰ります」
「なるべくじゃなくて必ず帰っておいで」
「‥‥わかりました」
「休むならベッドですちゃんと寝な?」
そう言うと叶さんは駐車場からバイクを出して駐車場を出て行った
なんだか今日の叶さんの様子が気になって俺も早めに帰ることにした
帰ると言ってもアジトの中に部屋がある
同じ建物にあるのにあまり帰らない為か、他人の部屋の様に感じた
俺が帰宅して数時間
叶さんは戻ってこない
いくら時計を見ても戻らない叶さん
その日以来叶さんが戻ってくる事はなかった
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うぐいす
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