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「アック様、アック様! ラクルに来たついでに、ドロップ品をお預けになられてはいかがですか?」
「……ん? しかし倉庫を一つ借りるのはお金がかかるぞ……」
「ご心配には及びません!! わたし、稼いでますから! ドーンとお任せ下さいっ!!」
「それなら任せるが、その資金源はどこから――」
「ではではっ、倉庫長さんに話をして来ますねっ!」
またしても逃げられた。ルティの資金源は一体どこなんだろうか。それとも、別行動の最中に何か違うことでもしているとしたらそれはそれで興味があるな。
まずはレアガチャで出したアイテムを整理だ。フィーサは別として……。
【SSレア 黒鉄剣 Lv.960】の剣先がボロボロだな。これはやめとくか。
【Sレア イグニスメイル Lv.240】【Sレア クリムゾンガントレ Lv.300】
【Lレア デーモンヘルム Lv.666】
【SSSレア デーモンマント】
【SSSレア ライトニングハーネス 麻痺付加 Lv.500】
【SSSレア ドレイングローブ 触れた者の生命力を奪う Lv.–】
【EXレア ミスリルブーツ 水耐性:氷耐性 Lv.900】
こんなところか。装備のドロップ品は意外に少ないな。
デーモン装備で手元にあるのはヘルムとマントだけ。釈然としないが、ルティが悪いわけでもないし何も言わないようにしておこう。
ミスリルブーツはフィーサが驚いていたがミスリル装備を揃えれば、フィーサとの相乗効果でも生まれるかも。宝剣自体九百年経っているらしいし、アーティファクトみたいなものに違いない。
それにしてもレアガチャは装備をあまり出してくれない気がする。覚えるスキルの方が多いと考えるべきか。
「アック様~!! 許可が下りました。運びますよ~」
「じゃあ装備袋に入れてあるものだけを運ぶか」
「えええ? どうなっているんですか、その袋……底なしですか!?」
「おれは荷物持ちで倉庫番だったからな。固有スキルくらい持っているぞ」
「ほえ~」
底なしというほど数が無いのは、そのほとんどをルティに破壊されているからだ。少なくともミスリルが揃うまではツギハギ装備になることが予想される。
「倉庫はどれくらいの期間を借りたんだ?」
「一生ですっ!」
「……何? 一生? ど、どうやって……!?」
「えへへ、倉庫を一つ買っちゃいまして~」
「……」
底知れない金持ちとはルティのことなのでは。どういう稼ぎ方をしているかは聞かないでおくか。
「あっ! それから、真っ赤な装備品は頂いてもいいですか?」
「クリムゾンか? そういやそうだったな。いいぞ」
「ありがとうございますっっ! きっとお役に立てて見せますよ~」
「よく分からんが、期待しとく」
倉庫を買うまでも無いくらい装備品が少なすぎた。いっそのことラクルの倉庫を拠点にしてみるか?
「アック様、倉庫の中にお部屋を作ってみたいです! いかがですか?」
「その辺はフィーサたちともよく話し合って決めてくれ」
庶民じみたルティ。だが手先が器用なドワーフ族のことだ。倉庫が倉庫じゃなくなる日も近い……かもしれない。