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コメント
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お誕生日おめでとうございますっ!! オメガバのR無しのこういう系、好きなんですけどあまり無くてめちゃめちゃ見れて嬉しいですッッ!(日本語力とは()) そしてまた甘赤様の作品を見れて嬉しいです! またいつか舞い降りてきてくれる時を待ってます(((( 本当に、お誕生日おめでとうございますっ!
お誕生日おめでとうございます!! また甘赤さんの作品が見られて嬉しいです😖💗紳士キャラ崩した5さんもすきです👈🏻 またいつかお会いしましょう😿
お誕生日おめでとうございます🎉🎉🎉 今回の作品も神でした!!!ありがとうございます好きすぎます🥹🫶💕 またどこかでお会いできるの楽しみにしてますぅぅ😭
⚠️ストーリー閲覧の前にご確認下さい⚠️
当ストーリーはBL(Boys Love)です
青╳桃(🤪╳🍣)
オメガバースパロ
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通報はお控え下さい❌
『いたい、いたいよ』
いつも通り、口だけの抵抗。
「悪いやつは俺がたおすんだ!」
大した事も言ってないのに、歓声を浴びる男の子。
ああ、つかれちゃったな。
『だっせ』
見たことない人が来た。
「なんだよ、お前」
『こいつ、お前らと比べ物にならないくらい身分の高いお家なんだぞ。親に伝わったらどうなっちゃうんやろ』
得意気に、悪い顔で教えている気がする。
「結局お前も身分かよっ!いい事教えてあげるよ。こいつ、家でも嫌われ者なんだって!」
『だから?少なくとも、おれはこいつのこと君よりは好きだけど。人をいじめるようなクズ、誰も好きにならねぇよ』
あ、男の子恥ずかしそう。
そりゃあそうだよね。ヒーローだと思ってた自分が、半笑いでバカにされちゃってるんだから。
男の子、恥ずかしくなって逃げちゃった。
『…ありがとう』
『別に。正義が一番カッコイイって、とーさんに教わったからな』
『うん…。すごく、かっこいいと思う』
そう言うと、目をキラキラさせてくれた。
よく見てみると、美形な男の子だ。優しくて、かっこよくて。モテるんだろうな。
『ねえ、君の名前は…?』
『おれ?おれはね────』
*
無機質なアラーム音が、現実に引き戻した。
「…夢か」
懐かしい夢を見た気がする。
愚かで、弱くて、辛かったあの頃の記憶。
そんなものに浸ってる暇はなく、ノック音が響く。
「おい、いつまで寝てるんだ」
「…すぐ出ます」
この後の予定を思い出し、重い身体を起こす。
今日も一日の始まりだ。
第二性、なんてもので何もかも左右されていたのはとっくの昔だ。今じゃどちらかがより優れていて、どちらかがとても劣っているなんて偏見や決めつけはない。
ただ、昔の人はまだまだその考えが残っているからか、αを極端に慕ったり、Ωを極端に下に見たりする者もいる。
俺の家系も、その古い思考に囚われた人達だった。
「お前は本当にとろいなぁ…。あの無能ばぁさんの遺伝子を継いじまったし、仕方ねぇか」
スーツを着るのに少し時間がかかってしまった俺は、父親に怒られている真っ最中だ。
仕事に行く時は何も考えず、素早く着ることが出来るスーツが、なんだかずっしりと重く、袖を通すのが難しく感じた。
「ごめんなさい、父様。行きましょう」
「全く…。お前の結婚相手になる方なんだから、失礼のないように」
「…はい」
今日はお見合いだ。と言っても、親同士が決めた実質顔合わせとなるものだけど。
俺らの家系は昔からお見合いで結婚相手を決めてきた。運命の番なんてものは迷信だ。という先祖代々から伝わる言葉のせいで、自由に結婚相手が決められないまま、俺らの家系は血筋を繋いできた。
αにはΩを、Ωにはαを。βは家の為に働く。それが我が家のルールだった。
αはとても優遇されて育ち、Ωは最低限の環境と、少しでも家の役に立つ為の知識が叩き込まれる。βはごく普通の家庭のようなもので、家がこの先も安定していくための後継ぎを作り上げた。
そして、父親からあのような態度を取られている俺、ないこはΩだ。
いつまでも変な仕来りに縛られ、会社では少し避けられがちな生活にうんざりしていた。
とっとと結婚して、こんな家出ていきたい。血が繋がっている以上切っても切れない縁だが、離れて暮らせるだけで気持ちが楽になる。
楽なはずなのに、心の中では何かが引っかかっている。
きっと今日見た夢のせいだろう。
あの時助けてくれた少年は、当時の俺、そして同性から見ても綺麗な顔立ちをしていて、子供ながらに美しい人だと思った。
顔と名前はぼんやりした記憶になりつつも、その人の声、セリフ、ほとんどがまだ鮮明に残っている。
あの人がαなら、なんて不純なことを考えては、振り払った。あの人は、こんな俺じゃなくて、素敵な人と一緒になるべきだから。
「お前、なにぼーっとしてるんだ」
「あ…すみません」
「しっかりしてくれ。この扉の奥に、結婚相手の父親がいる。好印象を残すように」
「…はい」
我慢、我慢。
これが成功すれば、家を出れるのだ。
あわよくば話を合わせて、お互い干渉しない生活を。幸せになんてならなくていいから、自由になりたい。
ガラガラと、運命の引き戸が開かれた。
「おー、君がないこくん!すまんね、息子が遅れていて」
思ったよりもフレンドリーな当主で、温厚そうな見た目、優しい声色。自分の父親とは大違いだ。
どうやら俺のお見合い相手は仕事で遅刻らしい。αは人望があるな、なんて考える俺はこの家に染まってしまっている。
「いえいえ、大丈夫ですよ。息子さんは素敵な方なんでしょうね。そんな方と結婚して頂けるなんて、ないこも幸せ者だ」
「仕事人間なだけさ。俺も結婚を望むなんて思っていなかったよ」
相変わらずの猫かぶりな父の声に気色悪さを感じつつ、俺は隣で媚びるような笑顔を向ける。
何度も直させられ、研究した顔だ。不自然に見せない。はず。
「君がないこくんか。息子にはもったいないくらい美人な子だ」
「え…。お褒めに預かり光栄です」
久しぶりに褒めて貰えた気がする。
お世辞だって聞けない俺からしたら、困惑してしまう。
そんなこんなで、話しているうちに戸が鳴った。
「旦那様、お相手様が参りました」
「ああ、すぐ行くよ」
父が席を外し、相手の父親と2人きりになる。何か話しておいた方がポイントを稼げるだろうか。
「にしても、息子は凄かったよ。今までお見合いは断ってたのに、君を見るなり食いついてお見合いを引き受けたんだ」
「そうなんですか…」
物好きがいたものだ。
「あいつはてっきり運命の番を見つけるものだと思ってたよ」
はは、と笑う父親を見て、いいなぁと思った。きっと、息子がお付き合いしている相手を連れてきたら笑顔で迎え入れ、笑顔で結婚を受け入れるんだろう。
そんな息子は、きっと暖かい人だ。
俺なんかには、絶対に釣り合わない。
なんて思っていると、父とお見合い相手らしき人の声が廊下から聞こえてくる。
やがて声は近づき、扉を開けた。
「お待たせしました、父さん、皆さん」
いかにも”できる男”って感じの人が入ってきた。びっくりした。イケメンすぎ。
今日の今まで顔を知らなかったから、本当に衝撃的だった。
「そんな気にしないでください。優秀な人材は忙しいものですから」
安定の猫なで声。素が出たら終わりだろう。
「ほら、ないこも挨拶しなさい」
急かされるまま立ち上がり、相手と向かい合わせになる。
正確には、俺が相手を少し見上げる形になった。
「はじめまして、内藤ないこです。お会いできて光栄です」
こちらも叩き込まれた綺麗なお辞儀。これに関しては日常的にしてるし、余裕。
「ないこさん、はじめまして」
ふと、相手の顔に既視感を覚えた。
なんか、知ってる。
でも、相手もはじめましてって言ってるし。
…でも、見たことがある。
サラサラそうな青髪。素で見せていそうな優しい笑顔。なによりこの整った顔。
ここまで来てるのに、名前が思い出せない。
人間あるある。
「…ないこさん?」
「あ、すみませんッ」
「全然大丈夫ですよ。申し遅れました、”蒼井いふ”です」
蒼井、いふ。
そうだ、思い出した。
いじめられていた小学生時代、痺れを切らして助けてくれた人。
つまり、俺の初恋。
俺は中学からは市立に行ってしまったので、私立を受験した彼とは会うことは無かった。
「いふ、さん…。よろしくお願いします」
まさかの再会に動揺が隠せないが、なんとか取り繕う。
そんな俺を、彼は優しく見守っていた。
はじめはお互いの親も一緒に食事や会話を楽しんでいたが、2人の時間も大事だろうと2人は席を外した。
戸が閉まり、足音が遠くになったのを感じ取る。
その瞬間。
「はぁ゙〜〜〜。つっかれた」
え。
「あの親父さんなんなん。猫かぶってんのバレバレやん」
え?
「え?」
さっきまでの好青年は、突如としてギリヤンキーに見えなくもない雰囲気の男性に変化した。
「ないこも大変やなぁ、あんなんが親で。あ、もしかして尊敬してる人やった?それならごめんごめん」
「え、いや別に俺もあの人嫌いだし…。てかいきなりのないこ呼び!?」
とにかくツッコミどころが多すぎる。声のトーンに関してはこれを見たらお前もバリバリ猫かぶりやん。口調!口調!!!優しそうな人だなぁという印象を返してくれ!!!俺の初恋!!!!!
…いや、俺が好きになった頃はまだこんなんだった気がしなくもない。
「…人違いだったらごめんね。まろ?」
”まろ”というのは、小学生の頃に数ヶ月だけ仲が良かった頃に付けたあだ名。
本人は覚えてないかもだけど、俺はしっかり覚えている。
「え!ないこも俺の事覚えててくれたん?!」
と言うということは、まろは俺の事を覚えている。
なんだか心拍数が上がっている気がする。テンション上がってんのかな。
「当たり前じゃん。まろは正義のヒーローだもんっ」
そういうと、あの頃を覚えているのが嬉しいのかまろも笑顔を見せた。
「ね、ないこ」
先程の思い出テンションとは違い、なんだか真剣な雰囲気になったことを感じ取り、まろの方を向き直す。
「あのさ、これが何のための会か分かってるよな」
「うん。…お見合いだね」
「突然こんなこと言われても困るかもしれんけど、実はあの頃からないこの事が好きやねん」
「ほう…」
ん?
「ごめんもっかい言って?」
「ないこが好き」
うん聞き間違いじゃなかった。
つまり、俺とまろは同時期からずっと両片思いだった…ということ?
なにそれ、超嬉しいんだけど。
急展開過ぎて夢ではないかと疑ってしまう。
「ないこがΩって知った時、本当に嬉しくて…。でも、家庭的にないこはコンプレックスだったよな。でも俺は──」
「まろ」
話を遮るようで申し訳ないが、告白の返事的なのを早急に返したいので、一旦まろを止める。
「俺も好きだよ。同じく小学校から」
申し訳なさそうに俯いてた顔が、顔を上げ一気に笑顔となった。
「ほんまに?!」
「ほんま」
あの頃のようなキラキラした笑顔をして、ガッツポーズをしている。
なんだこいつ、可愛いな。
「じゃあ、俺と結婚前提のお付き合い、してくれませんか?」
プリンセスに手を差し伸べるように、まろが手を差し伸べてくる。
「あははっ!なにそれ。…もちろんです、王子様」
お見合い前とは一変。これからの未来がなんだかとても楽しみに感じていた。
中途半端になってしまいましたが、おつかれさまでした!
この度甘赤リンお誕生日迎えました✌️
Xの方でたくさんお祝いして頂きありがとうございました!!
さて、引退してからも何個かストーリーを出させていただいていていた甘赤ですが、本日をもって完全に投稿終わりにしたいと思います!! これ喜んでた人ごめんなさい!!
でも完全なお別れじゃないよとだけ。
ではまたいつかの投稿で〜!!ばいばい!!
あ、サムネ描いて頂きました🫶ありがとう!!超可愛いです!!