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皆さんこんなにも大変な事をしているのですか!?!?1日置きに投稿しようと思って居たのに…。皆さんの凄さを改めて感じた今日この頃のあーちゃまです。
今日のストーリーは「フェイカー」を意識してみました。
沢山の♡ありがとうございます!!
こんなにも色々な人に見ていただけるとは、思っても居ませんでした!初心者で上手くは書けていないと思いますが、楽しんでもらえると嬉しいです!!!
叶『』 葛葉【】
葛葉side
【俺、実は”吸血鬼”なんだ。大きな括りで言うと”魔族”。これは嘘じゃない、俺はある逃げ出した大罪人を追って、この世界に来たんだ。羽だって、牙だって、尖った耳だってある。叶だったら言っても良いと思ったんだ、俺…。】
言ってしまった…とうとう正体まで明かしてしまった…。
叶はどんな反応をするだろうか?
怖がるだろうか?俺が魔族だと知り、俺に銃を向けるだろうか?
教会を出たら何処で過ごそうか?いっその事魔界に帰るか…叶と離れた後の事が堂々巡りに頭に回る。
考える内に不安や心配が混ざった黒い物になっているのが分かった。
俺がそんな事を感じている時、叶は眉を寄せ、顔をしかめている。
俺は咄嗟に顔を伏せ、叶の反応を見ない様にしていた。
不安が襲う。嘘つきだと跳ね除けられるか、もういっその事、腰のその銃撃ってくれても構わない。
【そうだよな…。嘘!今の全部嘘だかっ…】
『えー!!!サーシャ吸血鬼だったんですか!!確かに、綺麗な顔をしているとは思って居ましたが…その赤い目も…綺麗だなとは…』
俺が顔を上げた時の叶はもう、さっきの様な顔では無く、瞳が輝く子供の様だった。
俺は不思議で仕方なかった。
怖がりも、驚きもせず、ただ不思議そうに俺を見つめる目に。
【怖くないのか?お前を殺すかもしれない。脅威だとは思わないのかよ…。】
叶は俺の言葉には動じず、ただただ不思議そうに、物珍しそうに、俺の目を見つめていた。
『何でサーシャが怖いんですか?』
何でって、そんな事俺に聞かれても。普通の人間は怖がるんじゃ無いのかよ。
俺の会ってきた人間達は皆そうだった。俺が魔族だと知った途端避けるようになる。「怖い」「近寄るな」「殺される」そんな言葉ばかり投げかけられる。
俺が叶の問に言葉を詰まらせていると、叶は呆れた顔をしながらもう一度俺の目を見て口を開けた。
『サーシャは私に怖がられたいのですか?サーシャは変わって居ますね。』
【変わっているって言ったって、普通の人間は怖がるだろ。得体のしれない、自分達とは違う生物何だぞ。普通は怖がるんじゃ無いのかよ。】
さっきから叶は俺言葉を正す様な目で見てくるから、俺も気が抜けた発言は出来ずに、緊張だけが残っていた。俺が話しかけてから教会内の空気は張り詰めていた。
叶はため息をつく。
『”普通”、”普通”と、サーシャは”普通”が一番良いのですか?変わっていたら駄目なのですか?』
俺は咄嗟に叶の言葉を訂正した。
【駄目ってわけじゃない。けど…】
叶はこの言葉を待っていたかのように食い気味で話した。
『じゃあ、私は普通ではないです。私は変わっているので、サーシャを綺麗だと、素敵だと思いました!!!』
勢いのある叶のそんな言葉には俺を肯定する様な、そんな物が含まれていた。
こんなにも優しく、温かい人間は初めてだった。そんな叶を観ていると何かが込み上げめくる。安心?感謝?幸福?何故だろう、目尻が熱い。
俺の頬には熱を持った何かがつたう。
『!?そっそんな、サーシャ。泣くこと無いじゃないですか!!』
【ちっちげぇよ泣いてなんてねぇ…】
ふふっと、叶の柔らかい声が漏れていた。
『魔族は、吸血鬼は、いや…サーシャは泣きませんもんね。』
笑いを含む様な声色、優しい、温かい手のひらで、俺の頬の涙を拭う叶の顔は何処か、悲しそうに思えた。
俺が涙を流すのはこの時だけだと思っていた
ジジッ