放課後。屋上へ向かう階段へと行く。出入りする人が少ないため、掃除が行き届いていない。『いい子』を演じているのでこういう所へ行くのはあまり良くないのだが、仕方がない。
それに、今日はいつもと違う。
キー、と扉を開ける。随分ふるびた音だ。
屋上には、もういるまがいた。今日は1人のようだった。
「…遅いんだけど。」
イライラしているのが目に見える。
「ごめんなさい。」
一応、謝っておく、従順に、そう___。
「お前ムカつくんだよ!!」
奈津は屋上の柵にもたれながらいるまの顔を見る。
やはり、いるまは俺に殴ったり、蹴ったりの暴力だった。痛いのは変わりないが、もう慣れた。
でも、そろそろ我慢の限界である。
「もう…いいかな。」
「あ?!」
いるまの肩をつかみ、奈津との位置を入れ替える。
「お前、なにやって___」
「黙って」
奈津は、いるまの口を塞ぐ。
「!!」
驚きと苛立ちを隠せない、三白眼。
ずっと見ていたいけど、それはそれでいるまが黙っていない。
「……」
『好き』
そう、心の中で呟いた。
まだ、言えないけど。
コメント
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えぇッうへっへへッへぇッ⤴︎ これは...とてもいい展開なのでは...ッ! 続きが楽しみです✨