次の日、奈津を見るいるまの目は少し違って見えた。どこか危うい、怖がっている小さな子供のようだった。この目の方が、ずっとよかった。
苦しそうなあの顔を思い出し、こう思う。
(もっと見たい。足りない。)
欲張りだろうか。
でも、そう思えた。
「あの、大丈夫?」
昼休み、そう話しかけてくれた人がいた。多分、今までのいじめを見て心配してくれていたのだろう。
「大丈夫だけど、心配ありがとう。」
一応、そう言っておく。
「俺、桃川蘭って言うんだ。よろしく」
蘭と名乗る人は、目が日に当てられた小川のように光輝いていて、奈津と正反対に位置しそうだった。だが、不思議と嫌な感じはしない。蘭も、別の頭の良さがあったからだろうか。
それに、奈津は、桃川という名にまた、聞き覚えがあった。
「あ。」
こういう時は、自分の頭の出来に感謝する。
「どうした?」
蘭が首を傾げてきく。ピアスがちゃりんと揺れた。
「桃川さんってさ、いるまと中学で同じだったよね?」
蘭なら、その意味を察しただろうか。
こういう時は、自分の頭の出来に感謝するし、
ゾッとする。
コメント
3件
神作ありがとうございます😇 頭悪すぎて最後の方全然分からないけど 根性で分からせます!(( 続きも頑張ってください💪