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口調迷子
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☀️side
教室の中はじめじめしていた。
夏休みも終わり、生徒達と久々に会えたのがすごく嬉しかった。
「お〜い泥田、お前に借りてたゲーム今日返すわ」
「え、紅ちゃん昨日貸したばっかだよな…?」
「楽しすぎてついな…」
「倉橋ー!帰ろうぜ!」
放課後を迎えて、生徒達は各々の時間を過ごしていた。
僕も職員室に戻ろうと思って、本を片付けていたら
「なぁ 晴明」
「あ、佐野くん!どうかしたの?」
「ちょっと話したい事があってな。今良いか?」
「えっ、良いけど…」
佐野くんから急に声を掛けられた。
少しって言ってたし、進路の事での相談なのだろうか?
そのまま、弍年参組の教室から少し離れた所で佐野くんは口を開いた。
「晴明さ、夏休みは実家に帰ったんだろ?」
「え?うん、雨に佐野くんの事を聞かれたり、うちの神社でお祭りのお手伝いをしたり…」
「う〜ん、後なんだろうな…」
「あ、逆に佐野くんは?夏休みどうだった?」
「はっ…俺?」
「うん!僕、佐野くんの夏休みエピソード聞きたいな!」
内心ウキウキとしながら、僕は目を輝かせていた。
夏休み中、佐野くんとは会えなかったし忙しくて連絡もできてなかった。
「俺は…、」
「…………晴明の事考えてた、」
「……え?」
予想を超えた発言に、僕の思考は止まった。
ようやくハッキリしてきた時、佐野くんの顔は少し赤く染まっていた。
「佐野くん…?」
「っ……あぁ、もう!この際だからハッキリ言うけどさ…!!」
「俺…お前の事が好きなんだよ!……恋愛的な…意味で…」
頭の整理が付かなくて、目を丸くする事しか出来なかった。
佐野くんが、僕の事を好きって?それも恋愛的な意味で…そんな、それって…
「ッ…!もう話す事はねぇ!じゃあな!」
「ま…!待ってよ佐野くん!」
早足で歩き去ろうとした佐野くんの腕を咄嗟に掴んでしまった。
まだ何を言ったら良いか頭の中で並べられていないのに、僕は馬鹿だ。
「……なんだよ…俺から話す事はもう終わったんだよ…」
「気持ちは伝えた…返事は_」
「佐野くん!!」
被さるように、佐野くんの言葉を上書きした。
佐野くんの顔を見ると、涙が頬を撫でていた。目にも涙が溜め込まれていた。
僕の返答次第では、佐野くんを酷く傷付けてしまう。ちゃんと、僕の本心を…!!
「僕…」
「僕も…!佐野くんの事が好きなんだ!」
「な……」
「でも…僕と佐野くんは先生と生徒…でも!佐野くんに僕の気持ちを伝えたかったんだ!」
「せい……めい…」
本心を伝えた時の佐野くんの表現は、とても柔らかく。涙を流していたけど、優しく微笑んでくれた。
「……バカ晴明…だったら早く伝えろよ…」
「だっ、だって!伝えたら佐野くんが嫌がるかもしれないし…」
「嫌がるわけねぇだろ、…好きな奴からの告白を…」
「、!!佐野くん…!!」
「……あ、おい晴明。職員室戻るんじゃなかったか?」
「え?……あぁ!!すっかり忘れてた!」
「じゃ…じゃあ僕は行くね!また明日ね!」
「あ、おい晴明」
「?どうかした_」
振り返った瞬間、ネクタイを引っ張られて強制的に中腰になってしまった。
でも その直後、廊下では一つのリップ音が鳴った。
「………佐野…くん、?」
「じ…じゃあな!!」
横目にした佐野くんの顔は、さっきとは違い。真っ赤になっていた。
僕は、キスをされた唇にそっと触れた。
「……ふふっ、次からは僕からしよっと」
明日が待ち遠しいや。