「noさん…久しぶりやな…」
青ざめた顔でttは弱々しく笑った。
身を乗り出すようにttを覗き込んでいたnoはほっと息を吐くと、ゆっくり座り込んだ。
「本当お久しぶりです、ttさん。驚きましたよ、歩いていたら雨の中人が倒れていて、それがttさんで。意識を失っているだけのようでしたので、僕の家に運ばせてもらいました」
「目が覚めて良かった…」ニコ
まだ痛む頭を抱えながら起き上がり、周りを見渡す。
ここはnoの自宅のようだ。
様々な種類の花や観葉植物が飾られている。
どれも良く手入れされているようで、瑞々しく花を咲かせ葉を伸ばしていた。
向こうの部屋にttの服が干されているのが見え、自分が花のワンポイントがついた可愛らしいスウェットに着替えているのに気づいた。
「noさんが助けてくれたんやな、、ありがとう」
いえいえ、と優しく微笑むnoは、表情を変えた。
「…ttさん、何かあったんですか?体調不良で休養するってjpさんから聞いて以来です。そのjpさんもある日突然消えてしまって…そのままグループも、、、」
「…まぁ、ちょっと色々な。でももう大丈夫やで。あん時はほんま、迷惑かけたな」
「……jp、やめて。ごめんなさい。」
「!」
「眠っているttさんがうなされて言った言葉です。 まだ耳を疑うような事も言っていましたけど…助けを求めながらjpさんに謝っていました。ttさん、泣いてましたよ」
「…ッ、ほんま?変な夢でも見たんやろか、、、」
ttは動揺を隠すように笑ってみせた。
見つめる青い瞳に吸い込まれそうだ。
ttはnoに敵わない。
柔らかい物腰をしていて頭の中が読めない人だったけれど、人の心の機微に敏感で、この人だけにはごまかしが効かなかった。
どうすればこの場を流せるのかわからず、目を逸らす。
その時、テーブルに置かれたttのスマホが点灯したのが見えた。
「…jpさんからです。こうして何度も電話がかかってきてるんですが、取るのを控えていました」
〈jp〉と表示される着信画面、その向こうにいるjpはきっと心配と不安で神経をすり減らしているだろう。
そんなjpを思うと、胸が痛んだ。
こうやって気を失うことがあっても『あれ』は過去の話。
俺とjpが過ごしてきた時間にしたらほんの一瞬の僅かなことで、俺たちが築きあげた絆を思えば些細なすれ違い。
俺はjpに愛されていて、俺もjpを愛している。
一時は横道に逸れた俺たちだけど、もう大丈夫なんだ。
「心から信頼していたjpさんですが、今は疑ってしまいます。ttさん、もしかしてですが、jpさんに何かされたんですか…?」
雨風が窓を叩き、雷はまだ鳴り響いている。
雷鳴と記憶を意識から掻き消すように、 ttは声をあげた。
「違う!俺は…俺は、jpと付き合ってる、、!俺ら、愛し合っとんねん!心配することはなんもない!」
「…ttさん、震えています。こわがらせてすみません、もう少し休みましょう」
「帰る…」
「大丈夫。僕からjpさんに連絡します。僕は向こうにいますから、身体をゆっくり休めてください」ニコッ
noはttをそっと寝かせると、部屋をあとにした。
やまない耳鳴りに視界が揺れる。
少しだけ休もう。
ttは布団に潜り込んだ。
コメント
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新作来てたッッ!!!ありがとうございます🤍🤍🤍 お着替え寝言連絡…不信感…すべてに考察が捗ります🥹🤍 今後nott展開もあるのでしょうか、、