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思い出したよ、ほとけ


三年前の冬以降、ほとけとは会っていなかった


いふくん!やっと…やっと見つけた!


そう言いながらローヒールを履いた足で走ってくる


綺麗だった。藍色の空にバケツをひっくりかえしたかのように煌めく星の中、髪や服装が相まって本物の織姫のようだった。


そう考えながら見とれていると、いつの間にか近くに来ていた


いふくん!ひさしぶり!


息を整えようともせず、肩で息をしながら興奮を抑えられない様


久しぶり。元気だった?


少し近づいて尋ねると満面の笑みを向けてくる


一等星みたいに輝いていて、眩しくて、煌めいていて、でもどこか儚げな、そんな感じ


元気だったよ!いふくんも、元気してた?


ビー玉みたいに煌めいていて、目に星があるんじゃないかってくらいにきらきらな大きい瞳を少し揺らしながら上目遣いで尋ねてくる


お前のおかげでな。全部思い出せたわ


俺のストーカーに狙われたほとけを庇って刺された俺は、頭を強く打ったことで記憶喪失になっていた


ほとけは毎日毎日彼女と名乗らずただの友人と言って会いに来てたと聞いたが、ある日俺がほとけに対して暴言を放ったことで、来なくなった


その時の帰り際に俺に不器用なくせにわざわざ手作りのものをプレゼントしてくれた


左手首で揺れるピンクとオレンジと水色で編まれたミサンガ


所々糸がたるんでいたり、擦り切れていたり、編まれている糸が違ったり、不器用なこいつなりに頑張ってくれたもの


それまだ持ってたの!?ごめんね、下手くそなやつだし、また今度上手に作り直すね!


少し慌てたように言うほとけを愛しいと思う


別にこれでええよ。それにミサンガって切れたら願い事が叶うらしいからさ、切れるまでこれ付けとくわ


ヨシヨシ(頭を撫でる


くせ毛のないストレートなロングヘア。絡まることがなく、風が吹くとまるで踊るようにはためく


んわぁ、どしたの?急に


少し驚きながら不服そうに、でもとても嬉しそうな声で尋ねてくる


愛してる。思い出させてくれてありがとう


誰もいない夜のホームに俺の声が響く


ほとけを胸に引き寄せると甘くて爽やかなフリージアの香りがふわりと鼻腔に届く


ホームのすぐ側の道路で鈴蘭がゆったりと風に揺られていた

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