主:始めるよん☆
これはある冬の出来事。今年の冬は特に寒く、外には雪が積もっていた。
??「はぁ」
そこへある少女が家から出てきた
??「今年もそろそろ終わりかぁ。来年は友達できるかなぁ」
その少女の名は夜月 冬香と言う。夜の月のように静かで、冬のようにふわふわしている。
冬香は人に冷たく、友達なんか作らないと言う印象を与えがちだが、本当は友達が欲しい。
冬香「…。この性格、どうにかできないかな」
自分でもそう思っている。けど、なかなか変えれないと言うのが性格。
…どうしようもないね。と考えながら外を歩いていく。
正直、私に友達ができないのは性格だけではないことを知っていた。
冬香「…」
どうしようもできない性格、友達ができない自分…。ほんと、もう私はこの世界にいるのかと思ってしまう。
外の寒さは私を味方しているみたいで、なんとなく嬉しかった。
冬香「…っと。こんぐらいで帰りますか」
そこで私は辿ってきた道を引き返した。その間も人はあまり見かけなかった___。
家の目の前で一回立ち止まり、息を吐いた。そして、家のドアをゆっくりあける。
冬香「…。ただいま」
小さな声で言う。そうするとキッキンのほうから
お母様「お帰り」
とかえってくる。
お母様「…どうだった?外は」
そう言われて
冬香「何にも」
と無表情で答える。ここで友達のことなんか考えてたなんて言ったら流石に恥ずかしい。
お母様「…そう」
こんな続かない会話ばかりをして何年が経っただろう。
親と言うのはこんなに冷たいものだろうかと考えたことは何回あるだろう。いつかこの生活は変わるのだろうかと思ったことは何回あるだろう。
…昔は、こんなんじゃ無かったんだけどな。いつからわかってしまったんだろう。と考えても無駄なことを考えながら自分の部屋へ向かう。
冬香「…」
相変わらず、汚い。
何ヶ月も掃除をしていなかったからだろうか。
そんなごちゃごちゃに散らかったものを避けながら机に向かう。
机の上には壊れた写真立てがあった。
その中の写真には、私が子供だった頃の写真が入っていた。ニコニコ笑顔の私の両端にはお母さんとお父さんがニコニコで立っている。
冬香「…っ」
私は写真立てを伏せた。
このまま見ていると涙が溢れ出してしまいそうだったからだ。…守れなかった。守ると約束したのに。
冬香「ごめんね、お母さんお父さん」
そう写真立てに向かって呟き、机から離れた。
とそこで
お母様「冬香ー!」
と呼ぶ声がした。何か嫌な予感がするな、と思いつつも
冬香「はーい。今行く。」
と返し、私がリビングに着くとお母様は真剣な顔をして私を見つめている。
冬香「どうしたの、お母様」
と私が声は発する。お母様の真剣な表情が私を包み込む。そうするとお母様はゆっくりと口を開き___
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