: 2次創作
: nmmn
「うるさい、黙ってろ。」
その日も、俺はいつものように周囲の生徒たちに囲まれながら、完璧な笑みを浮かべていた。自分で言うのもなんだが、成績は常に学年トップ。運動もそつなくこなす。加えて、人前では決して取り乱さない。
誰にも弱みなんて見せるものか――それが、俺の生き方だった。
だが、教室の隅。ソイツだけは、例外だった。
「そんなん言うけどな、ニキ。顔、真っ赤やで?」
「ほんまに可愛ええわ、」
その声に、俺はビクリと肩を跳ねさせた。
振り向かなくても、誰の声かは分かる。いやでもわかる。
「……ボビー」
白井裕太。愛称は"ボビー"。
教師ではない。クラスメイトだ。だが、誰よりも俺の行動を観察し、誰よりも"俺の裏"を暴こうとしてくる。ストーカー気質な所があるのであまり関わりたくはない。
「また課題、夜中までやってたんやろ?目、真っ赤やん。寝てへんの、バレバレやで?」
「デタラメ言うなよ。これはコンタクトが……その……ちょっと乾燥してただけだ」
「っは、どっちがデタラメ言ってんだか」
にやりと笑うソイツの目が、俺の射止める。
まるで心の中まで読まれているような、酷く胃の中を掻き回されるような、落ち着かない感覚。
「お前……なんでいつも、俺のことばっか見てんだよ」
「そら、おもろいからやろ。お前、プライド高いくせに、すぐ限界ギリギリまで頑張るやろ。そんで、誰にも頼れへん。そんなん見てたら……なあ?」
低く囁くような声で、ソイツは耳元に近づいた。
「折りたなるやん、そのプライド。」
「っ゛……!」
俺は思わず後ずさった。
だが、背中は黒板にぶつかり、逃げ場を失った。
「怖いん?泣きそうなん?なあ、もっと見せてや。……お前の、ホンマの顔」
「……バカ、なんじゃねぇの、お前。俺が、こんなとこで……」
だけど、声が震えていた。
涙なんて出ていないはずなのに、ソイツはそれを見抜いたかのように微笑んだ。
「ええ顔するやん、ニキ ❤︎゛」
それは、喜びを隠さない声だった。
なんでプライドの高い王子ってこんな泣かせたくなるんでしょうね。
コメント
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はぁ…好きです👍