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「ちゅうごくせんぱ〜〜い!!」
遠くから聞こえる間抜けした声に、にゃぽんの先輩、中国が怠そうに振り返った。
整った顔つきにはそぐわないジド目に口にはタバコを咥え、学校では不良グループと呼ばれるいかにも柄の悪そうな見た目の友達とつるんでいる姿の中国は、どこからどうみても風紀委員長を務めているようには見えない。
にゃぽんは普段と変わらず笑顔で駆け寄ると、可愛く装飾された小さな小箱を差し出した。
差出人の名前を訊くより先に手に取った中国は、それをポケットナイフで切り裂き乱暴に中身を引っ張り出すとにゃぽんに言った。
「これさ、もう持ってんだよね。お前なんで買ってくんの?俺、これ使ってこの前ここで吸ってたろ」
にゃぽんはその言葉に両耳をキュッと後ろに傾ける。それはバングラデシュが直接本人に渡そうと胸に抱えていたもので、中身を選んだのもおそらく本人だろう。
にゃぽんは、そんなことを言うなんて信じらんない、と言う顔で中国を睨んだ。
しかし、中国は箱から漂ってくるお香のような香水のような匂いにハッとした表情で、あ、バングラじゃねーのこれ。と独り言を呟いてから胸ポケットにしまうとまたにゃぽんに向き直って訊く。
「なんか言ってた?アイツ。」
にゃぽんは一瞬その言葉の意味を考えたが、特に深い意味などないと思うと中国に背を向けながら言葉を返した。
「別に。好きです、また今度お会いしましょうね、だってさ」
中国ににゃぽんの表情はわからなかったものの、にゃぽんのバングラデシュからの伝言に失笑し、誰彼構わず言い放った。
「うーわ、引くわー。だってアイツさ、オカマじゃん」