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第4話 - 第三話ずるい

10

2025年01月04日

#ポケモンSV

#チリちゃん

#チリ

#チリちゃん夢

#口調迷子

えぬふぉ

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えぬふぉ

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チリ side

ソラは、昔っからずるかった。

いや、ずる賢かったんやな。

ポケモン勝負の時も、負ける負ける言うて最後に最大戦力のポケモン出して、その上テラスタル。

あん時はほんっとにずるいやつや思うた。

ハッサクさんにも、アオキさんにも、トップにさえも、

『　戦法がずる賢い　』って言われて。

それだけやのうて、負けた方が奢りっちゅうてポケモン勝負して。

そん時、ソラはこう言った。

『　何円でもいいんよね？　』

確かに、奢りの値段も、個数も決めとらんかった。

そのあと、ソラは、両手いっぱいのお菓子とジュース奢らせた。

その上、喧嘩した時、

『　チリちゃんなんか好きやないっ！　』

って言うた癖に、仲直りした時は

『　僕、チリちゃんのこと嫌いって、一言も言うてへんけど？　』

なんて言うて。

でも、ソラは、素を隠すようになった。

コガネ弁も封じ込めて。

ずる賢い所も辞めて。

心から笑わなくなった。

その癖、うちがちょいと悪戯すると、すぐ言うんや。

『　ずるい　』

何がずるい、や。

そっちんがずるいやろ。

ずっと、ずぅっと。そのズルさにのせられて。

そんで、好きになったんやうろが。

好きになっとんのも、知っとるんやろ？

なのに、知らんふりして、それを楽しんどるんやろ？

ずるい。ほんまずるいわ。

「　ソラ　」

うちが名前を呼ぶと、顔をあげる。

その仕草も、全てが可愛い。

「　ソラは、チリちゃんのこと好きか？　」

そしたら、久しぶりに昔みたいに悪戯っぽく笑って言った。

「　当たり前やろ　」

ほら、そういう所が、ずるいねん。