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「まだ、君の隣にはいけない。」
彼奴からの置き手紙。恋仲になるには相応しい程には仲良くもなっていたし同棲までしていたし、躰の関係も良好であった。
何故今。
深く傷付いたと気づくのには時間がかからなかった。彼奴の連絡先はいつの間にか無くなっていて、……電話の履歴も無かったし、掛けても変わっていると繰り返しコールされるだけ。その上私物も処分済み。悪戯で寄越した首輪しか残っていない。
今日は日曜日の夜。探偵社の営業は特別な事がない限り平日オンリーだったはずだ。
探偵社に向かい、聴いてみよう。奴が彼処に居るかも判らない。少しの希望に縋る。
眠れない。明日が不安でたまらない。
「まだ、君の隣にはいけない」だなんてマフィアに云う言葉でもない気がする。
何故?彼奴の犯罪は凡て消えた筈だ。何が駄目たのだろう。
考え込んでいる内に眠たくなったのでとりあえずそのまま寝ることにした。
まだ、君の隣にはいけない
こんなの今更云うことでもない。
マフィアにかけるような言葉でもない。
何故?簡単だ。
私が汚れている性で中也も汚れてしまうんじゃないのか
単純なだけに見えるがその中の純粋が愛おしい。
その純粋を汚してしまう気がする。私の汚れが無くなるまで君の隣にはいけない。
はぁ…今日死ねたら私の事を中也が引きずってしまう…そんなの赦せない中也を汚したも同じだ。ほんとに苦しい。何故生まれながらに私は汚れてしまっていたのだろう。
ー翌朝ー
朝、目が覚める。不安で溜まらない。太宰は本当に探偵社に居るのだろうか。
いつも隣にある煩くて胡散臭くてその中の温かい笑顔が無いだけで
どうしてこんなにからっぽの気分なのだろう
準備をして探偵社へ向かう。扉を開ける。
太宰が居る。
どうして急に居なくなったと云うと
ごめんねと
騒然とする周り。そんなのを気にしてる暇はない
何がまだ君の隣にはいけないだ
何故と云う。
ごめんねとしか返ってこない。
乾いた笑顔を向けられたのはこれが初めてだった
その笑顔をみた瞬間何かが事切れたように涙が出る。探偵社の奴らに心配される。柄じゃないのに
太宰は同僚に何があったんだと、詰められている
「おはよー!!!!!」
社内に声が響く。此の声は彼奴か…
「あれっ?素敵帽子君…となにしてんの太宰」
ん〜……そういう事〜。とだけ云って
「も〜っ探偵社に私情を持ち込まないでよね!」
と云われる。ちょっとおいでと俺と太宰が探偵社の外に出される。
乱「どうしてそんな事したの太宰」
太「だって中也を汚してしまうかと思ってそれで」
乱「ふ〜んじゃ素敵帽子君それ聞いてどう思った?」
中「汚すなんてマフィアにかけるような言葉でも無いだろッッ…何にしろあんな急に切るのはッッ…」
乱「は〜??フツーに最低じゃん。太宰さっさと謝って。この後事件あるから。ぱぱっと」
太「ご…ごめん…中也」
中「…怖い」
太「え…?」
中「今日お前が朝隣にいなくて怖かった…」
太「ッッ…(可愛い純粋すぎるッッ)」
乱(もうこれ僕居なくてもいいな…)
乱「僕事件行ってくるから。また後で」
太「あっ乱歩さん」
中「…」
中「なぁ」
太「なに…?」
中「同棲…正式にしないか…?」
太「……え…っと……」
太「うん。いいよ」
中「なぁ…だざい」
太「なに?ちゅうや」
中「今日あまやかして」
太「云われなくても」
おわり