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陣柴 ( 陣内×柴原 ) 短編集 続きです !!
遅れてしまって大変申し訳ない….
では続きをどうぞ !!
クリスマス当日の夜 , 特捜課オフィス.12月25日 , 時刻は午後9時を回っていた.特捜課オフィスには珍しく暖房が効いていた
ニ「あれシバ帰んね~の?あ、もしかしてハニーに振られた?(笑)」
柴「違います~!まだ仕事が残ってるから帰れないだけ!!」
ニコラスがスペイン語混じりの軽口を叩きながら , 自分のデスクに足を投げ出していた.オフィスにはいつもの面々がちらほら残っているが , どこか空気が浮ついている.明らかにクリスマスのせいだった
ニ「何何振られたって?」
柴「ニコさん??」
ニ「嗚呼振られたんだ?可哀想だな~.」
柴「ねえだから違うって!」
陣「シバァ~仕事終わったら飲むよ〜約束でしょ?」
陣内は自分のソファに座り机に足を乗っけてシバの方を見た.片手にはすでにコンビニの袋がぶら下がっている.中身はおそらく酒 , この男仕事中から準備していたらしい
綿「陣内さん行儀悪いですよ~足乗っけるの辞めてくださいね~」
綿貫が書類を整理しながら冷たい視線を飛ばしたがその手元には小さなシュトーレンが置かれている.課長の葛城がどこからか調達してきたものだ
葛「まあまあ綿貫 , 今日くらいいいだろ.はい , これ陣内とシバの分」
葛城が穏やかな笑顔で紙袋を二つ差し出した.中にはワインとチーズが入っている
陣「お , 葛城さ~んわかってるじゃないですか , 流石器がデカい男は違うね」
葛「お前に褒められると素直に喜べないな…」
才木が廊下から戻ってきた.手には缶コーヒーを二本持っている , 一本は自分の , もう一本はシバ用だろう.才木はシバを見るなり少し申し訳なさそうな顔をした
才「柴原さん , まだ残ってるんですね.これ , 差し入れです.…あの彼女さんとの予定 , 大丈夫ですか」
柴「お , ありがと~.予定?うん , 絶対無理.全然終わんね~もんこれ.あ~また亜香里に怒られるやだ…」
才木から受け取った缶コーヒーを両手で包み込むように持つ.その指先が微かに赤くなっていた.暖房の効いた室内でもずっとパソコンに向かっていた代償だ
才「あの…手伝いましょうか?」
陣「才木ィ~ , お前はもう帰れ.彼女いない奴がここに居ても虚しいだけだよ.」
才「っ!い , いないのは関係ないでしょう!?」
図星を突かれた才木の声が裏返った.綿貫が横目で才木を見て小さく鼻で笑う
綿「まあまあ , 才木くんは真面目すぎるの.たまには早く帰りなさい.」
そう言いながら綿貫自身も帰る気配はまるでない.祖母の介護があるはずだが , 今夜はヘルパーに任せているのだろう
陣「ほらシバ , 終わったらこっち来いよ.先に一杯やってるから.」
柴「(仕事しろよ~…)」
シバの心の声など知る由もなく , 陣内は一本目の缶を開けていた.完全にくつろいでいる.特捜課ベテランのやることがこれか , という話だが , この男にとっては通常運転だった
棗「陣内さん.三十分前から同じ画面見てますけど , それ捜査資料じゃなくてパチンコの攻略サイトですよね.」
陣「ん?ああ , バレた?」
棗「バレた?じゃないんですよ.今日中にまとめてくださいって言った報告書 , まだ一文字も進んでないじゃないですか」
棗は深いため息をついてそれ以上の追求を諦めた , いつものことだ
才「あの , 本当に俺 , 手伝いますよ.二人でやれば早く終わりますし」
まだ帰っていなかった才木がシバの隣に椅子を引き寄せた.真っ直ぐな目がこちらを見ている
陣「だからお前は帰れって.ねえシバこいつ追い出してよ.俺とお前の二人きりのクリスマスが台無しになる.」
綿「それ , 言い方.」
柴「陣内さん仕事の邪魔だから喋りかけないでくださ~い」
陣「えっ」
一瞬空気が止まった.あの陣内鉄平が固まった.缶を口元に運んだまま , まばたきを三回.それから , わざとらしく咳払いをひとつ
陣「お前さ , 先輩に向かってそれ言う?俺泣くよ?三十六歳のおっさんが泣き喚くよ?」
ニ「うわ , 見たい」
陣「ニコ , 黙れ」
ニコの茶々を一蹴しつつも , 陣内の視線はちらちらとシバの方を窺っていた.邪魔と言われたのが地味に効いているらしい.ソファの上であぐらをかき直し ,缶の縁を指でなぞる
陣「ふーん , じゃあ俺もう喋んないから.静かにしてるから」
そう言って本当に黙った , というよりアイマスクを取り出した
柴「(は??)」
アイマスクを装着した陣内がソファに横になった.本当に寝るつもりらしい , いや , 拗ねているだけかもしれないが.数分もしないうちにすう , という寝息が聞こえてきた
才「寝た , んですかね?」
棗「寝てないと思いますよ.呼吸のリズムが不自然です」
棗の観察眼が冴え渡る.実際アイマスクの下で陣内の眉間にはうっすら皺が寄っていた
ニ「シバ〜お前やりすぎたんじゃね?陣ちゃんあれでも結構メンタル豆腐だぞ」
綿「自業自得でしょ」
シバのキーボードを打つ音だけがしばらくオフィスに響いていた.1時間ほど経って皆が居なくなった頃不意に
陣「……シバ」
小さい声だった.アイマスクはつけたまま顔もこちらに向けない.ぼそりと呟くように
陣「仕事終わった?」
柴「はいはい終わりましたよ」
伸びをしながら椅子の背もたれに体を預けた.ぱきりと首が鳴る.画面には保存完了の表示が点滅していた
陣「ん.」
それだけ言って , 陣内はのそりと起き上がった.アイマスクを外す.その下の目元がわずかに赤い.本当に少し寝ていたのかそれとも別の理由か.本人は何も言わずテーブルの上のコンビニ袋をごそごそと漁り始めた
陣「ほら , 飲むぞ.お前が持ってくるって言ってた酒はまあ…明日でいいよ.今日は俺が出す.」
柴「え?てことは陣内さんの奢り?…明日は槍でも降るのか…??」
陣「お前ホント一言多いよな」
そう言いつつ陣内の手は止まらなかった.袋の中からストロング系の缶を二本取り出し , 一本をシバに向けてぽんと放る.
陣「降らねえよ槍なんて.たまには先輩らしいことさせてよ」
柴「いやあのケチくさい陣内さんが奢るとか…有り得ないっすよ?」
陣「ケチくさいって何?俺いつケチだった?パチンコにしか金使ってないだけだけど?」
それが問題なのだが本人に自覚はないらしい.ぷしゅ , と自分の缶を開けながら陣内はいつものソファではなくシバの向かいの椅子に腰を下ろした
陣「つーかお前 , さっきの.」
柴「んー?」
陣「喋りかけんなってやつ」
缶に口をつけたまま陣内がぼそりと切り出した.目線はシバではなく手元の缶のラベルに落ちている
陣「あれ結構グサッときたんだけど.俺傷つきやすいタイプだから」
柴「(うっわー面倒臭いタイプだ)」
陣「今面倒臭いって思ったでしょ.顔に出てる」
柴「やっべ」
陣「口で言うなよそれ」
呆れたように笑って缶をぐいっと煽った.一口が深い , 喉仏が動く.それからふっと息を吐いた
陣「まあいいけどさ.お前の仕事の邪魔したのは事実だし」
柴「お?珍しく陣内さんが素直だ.なにか企んでます??」
陣「はあ?お前俺の事なんだと思ってんの」
二人の間に沈黙が落ちたがそれは気まずいものではなかった.窓の外ではイルミネーションがちらちらと瞬いている.特捜課が入るビルの近くの商店街が律儀にクリスマスを祝っていた
暫くして1時間が経った.空き缶がテーブルの端に10本並んでいる , 全てシバ側に転がっていた
陣「だから言ったろ , 飲みすぎんなって」
シバは机に突っ伏していて顔も耳も赤い.「すぐ潰れちゃうかも」という自分の言葉が見事に的中した形だった
陣「おい、生きてる?」
返事がない , 顔を覗き込んだ.完全に落ちて寝息すら聞こえる
陣「…かわい」
その一言はほとんど吐息に近かった.缶を置く音に紛れて消えたはずだった.静まり返ったオフィスではそういう小さな声ほどよく通る
陣「おやすみシバ」
指が一瞬だけシバの髪に触れた.すぐに引っ込める.誰も見ていないことを確認するように , いやこの部屋にはもう二人しかいなかった.陣内は自分の上着を脱いでシバの肩に無造作に掛けた.乱暴にでも起こさないように , それからソファに移動してさっきと同じようにアイマスクをつける.今度は本当に目を閉じた
次の日の朝シバが「俺こんなに飲んだ覚えない!陣内さんにアルハラされた!」と訴えかけて陣内は心の中で「やっぱコイツ可愛くね~」と.シバは自ら飲んだというのに陣内に罪を擦り付けていた.今日も特捜課は平和です
はい!!クリスマス編はこの辺で終わりです.次は~…なんだ,何書こうかな.大遅刻メイド服の日とかやったりますか.ではこれがもし面白い , もっかい読みたい , と思ったらいいねとコメントとフォローをよろしくお願いします.
ではでは~♩
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