「モテたーい!」
ライブで披露するBESTコントの練習中。
「大ちゃん、モテたいか~!!」
「モーテーたーい!!」
大声で叫んでいるところに年下組の7がやってきた。
「何してんの?」
知念が伊野尾にきく。
「今度のライブで披露するコントの練習中」
「おもしろそー!俺たちもまぜて」
中島がきく。
『いーよ』
「俺はいいや」
「僕も」
6人でコントの内容を考え、山田と知念は少し離れたところで遊んでいた。
「わーい!涼介がおにー!」
「まて~」
2人はおにごっこをしていて、山田が知念を追いかけていた。
「涼介!?」
偶然知念が山田の方を振り返って見た瞬間、山田の足が止まった。不思議に思った知念が駆け寄ろうとしたのと同時に、山田が膝から崩れ落ちた。
「涼介?涼介?」
知念の大声をきいた6人が「知念どうした?」と駆け寄る。
「涼介が、りょーすけがぁ 」
涙声になった知念を伊野尾が落ち着かせようとする。
「山田?山田?」
八乙女や薮、髙木が必死に山田を起こそうとするが、山田の目は閉じたまま。
「りょーすけぇ」
「知念、知念落ち着いて、何があったの?」
泣き出してしまった知念を、伊野尾が落ち着かせながら、少しでも情報を聞き出そうとした。
「りょーすけと、おにごっこしててっ…。りょーすけがきゅうにとまったからっみたらっ…。
りょーすけぇ…」
「病院行ったほうが…」
「近くの病院まで結構時間かかるよ」
「でも、じゃあどうするの?」
『・・・』
知念の泣き声だけが部屋着にひびいた。
すると、ハッとしたように顔を上げた。
「白雪姫!」
『は?』
「ほら、白雪姫ってずっと寝たままになったでしょ?で、王子様がキスしたら目覚めたじゃん。
姫は山田で王子はこの中の誰かってことで。一回試してみようよ!!」
「えっでも」
「たっ確かに」
「やってみる価値はなくはない…かも…」
「りょーすけぇ」
「誰からやる?」
「ここは言いだしっぺの大ちゃんから」
裕翔が言った言葉に知念以外が賛成した。
「よしっじゃあ俺からね。いくよ」
有岡が山田の顔にゆっくり近づいた。
チュッ。
ゆっくり顔を上げる。山田の目は閉じたまま。
「あれっ。おかしいな。もう一回いい?」
もう一度、山田に顔を近づけた。そしてキスをする。
ーまさにその時、山田の目が開いた。
「んーーーっ!!!?」
「うわっびっくりした!」
「やったー!大ちゃん、さすが!」
「りょーすけ…なの?」
みんなが騒ぐなか山田は一人、混乱していた。
「なんで大ちゃんが俺にキッ…///…へ?」
「山田が知念とのおにごっこ中に倒れて、心配したんだよ」
「そしたら大ちゃんが白雪姫みたいに、山田が姫、王子様を誰かにしてキスしたら起きるんじゃな
いかって言って…」
「言い出しっぺの大ちゃんが王子様役になって、山田にキスをしたわけ」
「そしたら見事、二回目で山田が目覚めたの」
山田に四人が説明した。まだよく分かっていない様子だったが、ハッと何かに気付いたように顔を上げた。
「二回もキスしたの!?」
「そーだよ!一回目で起きなくて、何か悔しくなったから、もっかいしたら起きたー!」
有岡がうれしそうに言った。
「二回もすんなー!」
山田が元気な声で言った。それを聞いたメンバーは、ホッとしたような顔をした。
「りょーすけぇ」
知念が山田に抱きつく。
「どうした、ちねん」
「どーしたじゃないよ。しんぱいしたんだからぁ」
「ごめんなー」
「もーだいじょうぶなの?」
涙目で知念がきいた。
「そーだよ!結局なんだったの?」
周りでやさしく見守っていたメンバーも山田に近づいた。
「えーと…そのー…。最近寝不足で…。走ってるときめまいがして…気づいたら寝てた…」
『・・・』
「びょーきとかじゃないんだよね?」
知念がきくと、山田は「もちろん!大丈夫だよ!」と明るく言った。すると知念は
「よかったぁー」
と言いながら、さらに山田に抱きついた。
「よかったよぉーりょーすけぇ!」
知念に続き、他のメンバーも「よかったー!」と笑みがこぼれた。
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涼音もついにテラー民か