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サイド ルネ
動物的な少年と少女。悲鳴を上げた少女。黙ったまま音楽を聴く青年(と少年の間くらい?)。平然と夕飯の準備をするダイチ。そして、そこに馴染む俺。
……うん、おかしい。もう色々、変。
「しっかし、ユイカがすぐに警戒心を解くとはなぁ!」
「……俺はまだこいつを信用していない」
たった一人……マオを除いて、俺は数分で四人と仲良くなった。俺、昔から友人作るのは得意だったからね。
「ほんと、そのコミュ力尊敬するわ。……えっと、」
「あー、名前言ってなかったね。俺はルネ。高橋 流音(タカハシ ルネ)」
「「「ルネ!」」」
名字“キノ”の三人の顔がパッと明るくなる。
「そんで?君たちは?」
「俺らはモンダイジ団なんだ!」
「悪と闘うヒーローなの!」
俺の質問で求めた答えとは全く別の解答がダイキとユズから出てくる。
「俺1番!ユイカが2番で、マオが3番!」
「ユズはね10番で、ダイチ兄が団長で0番なの!」
なるほど、屋上でダイチがあんなことしたのはこれのせいか。
……って、あれ?
「ユズちゃんだけ数字が飛んでるんだね?」
「ああ、ユズだけ学校行ってて、出席番号が10番なんだ。だから、そこから」
「……そう、なんだ」
少し迷ってから、俺はそういう。
今の会話で、違和感を感じないわけがない。思えば、ここに名字の違うユイカとマオがいるのがおかしいし、親の存在を感じないこともおかしい。
何かの訳ありだと考えるのが普通だ。
「訳ありなんだよ、俺ら」
なんでもないことのようにさらりとダイチがいう。ちょっと、つっこませて欲しかった。俺の葛藤した時間を返してほしい。
……まぁ、キノ ダイチとはそういう人物なのだろう。
明るくて、面倒見が良くて、人を信用している。
俺は、そんなダイチのことが羨ましかった。自分じゃそんなこと出来なかったから。
「それより!ルネ、お前も俺らと一緒にモンダイジとして団員にならねぇか?!」
「あ、それはガチで遠慮するね」
やっぱり、そうでもないか。俺は考えをすぐ改めた。