テラーノベル
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Two Timeは外を歩いていた。
Azureを探しに行くため言えばそうだが、散歩も兼ねて、ちょっと遠回りしていた。
最近は暖かくなってきたから、外に出るのも、外に長い事居るのも、躊躇わなくていいようになった。おかげで、最近はよくこうして、ちょっとした散歩をしている。
「……そろそろ行くかな」
なんて小さく呟いてから、Two Timeはゆっくりと、Azureが今日も居るだろう花畑に行こうと歩みを進めた。
遠回りをしすぎて、ちょっと疲れているが、この後Azureに会えると思えば些細な事だと思っているTwo Timeは、ちょっとだけスキップしているようにも見えた気もする。
そのまま道なりに進んでいけば、ちゃんと目的地につけた。
「Azure~」
大きな声で名前を呼びながら、Two Timeは花を横目で見て、歩き回りながらAzureを探している。ふと、視界の端に探していた人物がいたような、そんな気がして、そちらに顔を向けた。案の定、視線の先にAzureは居たから、少しだけ嬉しくなって、小走りでそちらへと向かう。
「Azure!」
「わっ! あはは、Two Time。急に抱き着いてきたりして……どうしたの?」
「ちょっと嬉しくなっちゃったんだ。ごめんね?」
全然いいよ、と言いながら花冠を作るAzureの隣にTwo Timeは座って、相変わらず手先が器用だな、なんて思いながらAzureの手元を眺める。
Two Timeはちょっとだけ、自分にも出来るのか気になって、近くの花を見る。果たして自分に出来るのだろうか……多分、出来ないだろうけど、試してみてもいい。そう思った。
「……Azure、僕もやってみていい?」
「いいよ、試してみて」
「ありがとう」
Azureに許可を貰ったTwo Timeは、近くにあった花を摘んでみる。
やり方が少しも分からないので、とりあえず見様見真似でやってみることにした。ただ、それで上手に出来るわけもない。
「……Two Time? あはは。ちょっと貸してごらん、やり方を教えてあげるよ」
「うん……そうしてくれると嬉しいな」
Azureの教え方は丁寧なもので、なかなか分かりやすかった。ただ、それでTwo Timeが出来るかは別の話である。
少しの間、Azureが自分の花冠を編むのに集中していて、Two Timeの作っている花冠をあまり気にかけていなかった。ふと、目線をそちらに向けると、花冠とも言えない、得体のしれない何かがTwo Timeの手の上にあったため、Azureは困ってしまった。
「……Two Time? ちょ、ちょっと待って、どうしてそんなになっちゃったの?」
「わ、分からない……ただ、ちょっと、いつの間にか大変なことに……」
困ったような顔で笑うTwo Timeに、Azureは呆れたようなため息をついた。確かに、出来ない人は出来ないが、まさかTwo Timeがここまで出来ないとは。
まぁ、そんなTwo Timeも好きだ、と心の中で結論付け、ちょっと手を貸してやることにした。
「だからね、Two Time……こうやるんだよ」
「う、うん……」
Two TimeはAzureと手が触れている事実に少しばかり照れていたが、Azureが特に気にしていないようなので、言わないことにして目を逸らそうとして、やめた。教えてもらっているのに、目を逸らすなんてのは失礼だからだ。
Azureはかなり慣れているように見えた。事実、Two Timeが会うたびに編んでいる所を見かけるから、多分ほぼ毎日のように編んでいる。慣れているのも当然である。
「ここを……こうして、はい。出来たよ」
「わぁ、すごいね、Azureは。ありがとう、次は僕だけで作れるように練習してくるよ」
「あはは、楽しみにしておくね」
Two Timeはどさくさに紛れてAzureとの距離を詰めた。Azureはそれに気づいていたものの、特に何も言わなかった。
「Azure……明日も来ていい、よね?」
「もちろん、待ってるよ」
嬉しそうに笑ったAzureが可愛くて、ちょっと気恥ずかしかったから、Two Timeは今度こそ目を逸らした。Azureはすぐに自分の、作りかけの花冠を編み出したから、それに気づくことは無かったけれど。
「……今日はいい日だよ、Azure。君と会えて、お話しできたから」
「ありがとう、そう言ってもらえると、僕も嬉しいよ」
この時間がずっと続けばいいと、Two Timeは思った。
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