テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ゆ前回2話の続きです!
キャラ崩壊があります!夢小説!男主…?がいます
なんでもいけるよって人だけでお願いします!
初心者がかいてます!ではすたーと!
前回のあらすじ
長嶺は雑渡との戦闘時に雑渡に食らわせた毒を自身も被ってしまい土井先生を救出のと雑渡に殺されるのを防ぐために砦に行ったが、そこで雑渡に勘づかれ皆に心配させる訳にも行かないため雑渡の提案にのり長嶺はタソガレドキ領へ……
雑渡に長嶺がタソガレドキ領へ連れてこられてから丸2日経過した…
その間バイケイソウの中毒症状に苦しめられ長嶺は高熱と共に嘔吐…手足の痺れもなかなか取れなかった
「……」
「組頭」
「押都か、どうした」
「そろそろお休みになられた方がよろしいかと
長嶺怜治は我々が交代で見まする」
「いやいい、お前たちこそ休め」
「お言葉ですがその子の作る毒はとても有効です…熟練の忍びでも多少の症状が出るほどに…」
「何が言いたい」
「貴方もその毒を被った…しかも真正面から…貴方も体に多少の症状がでてる」
「この子に比べたらこれくらいどうってことないよ」
「そういう話では…!」
「押都、この子の腕や足を見てみな」
「?…」
押都は雑渡に促され長嶺に近づき寝間着をめくる
「!!」
「いくら男のふりをしていたって流石にこれはやりすぎだ
こんなの傷が残ってもおかしくない…」
「何故腕や足に噛み跡や注射痕…それに…これは…」
押都が足首の傷を優しく撫でて言う
「さぁね…この子が戦争孤児というのはお前たちの情報で知っていたが……」
『…ん”ッ…』
「怜治くん?」
『ざっ、…と…さん…?』
「どうかした?」
『すみ、…ま、せん…かわ、や…を…かりても…ぃで、すか…?』
「うん、いいよ…押都、案内して」
「はっ…長嶺殿、支えます」
『いり、ません……ッ…』
長嶺は体を起こし壁伝いで戸をあける
「怜治くん」
『な、です、か…?』
「辛いなら押都にもたれかかりなさい」
『いいです…』
「怜治くん」
『ッ…』(この威圧は”命令”か)
「怜治」
『では……お言葉に…甘えます…』
「失礼します」
『…』
「押都、抱っこしてって」
『は!?』
「分かりました…失礼します長嶺殿」
『いい!歩ける!歩けはする!というか歩かせてください…!こんなことも出来ないのは…流石に…!』
「君はまだ子供だ」
『子供とから大人とか関係ないんです…流石にできることはやらなくちゃいけない…できない時頼ります…!』
「例えば?」
『こうして支えてもらわないと歩けない時や…怪我をして動けない時……まず…!僕は子供でも敵対していないと言えど外部の人間だ…!
優しくされる理由はないはずです』
「敵対してないなら君はただの忍術学園の生徒だ、伊作くんや伏木蔵くんと同じだ」
『何が…!僕は貴方を無条件に助けたわけでもない…!1年生のように愛嬌がある訳じゃない!アンタはなんで保健委員だけじゃなくて僕にも構うんですか…!?僕が女なのに男の中で忍術を学んでるのが面白いですか…!?』
「落ち着きなさい、怜治くん
まず君に構うのは君の使う毒針や薬針が面白いと思ったし欲しいと思ったからだ
君は伏木蔵くん達1年生のように愛嬌がないと言ったが確かにその通りではある
でも君が、家族だと言っている子達を慈しむ顔はとても綺麗でかわいいよ」
『はぁ!!!?』
「何照れてるの?」
『違っ…!』
「…耳真っ赤だよ」
『み、見んな!!』
「隠さないでよ」
『ッ〜〜!押都さん、抱っこでもなんでもいいのでこの人から離れさせてください!』
「まだダメだよ」
『普通に厠行きたいんですけど!!?』
「それは行ってきなさい」
『どっちだよ!』
「…とりあえず…抱き上げますぞ」
『嗚呼…お願いします…』
押都は長嶺を抱き上げ厠へ足音1つ立てずに…こういうところは本当に尊敬する忍びだ
『案内ありがとうございました』
「いえいえ、ここは少々入り組んでいる造りになっている、ここを歩くのは迷ってしまうからな」
『そうですね…結構入り組んでましたね』
「組頭のことはどう思われていますか」
『……それは長嶺怜治としてですか?それとも…』
「長嶺美桜(ナカネミオ)として聞いている」
『やっぱり知っていたんですね…あの様子だと雑渡さんは知らなそうですね』
「まだ組頭には報告していない」
『そうですか』
「で、どう思っておられる美桜様」
『その様や殿入りません
私は貴方よりも全然ガキなので年上のあなたにその敬称をされるに値にない』
「それはこちらが決めることだ
そろそろはぐらかさずに答えよ」
『……とても良い人だと思います
あんな優しくて強くて忍軍や国のことをよく考えている人…それで子供が好き…医務室に行くと雑渡さん伏木蔵くんをお膝の上に乗せているんですよ…その光景がとても可愛いです……』
「では」
『ですがあの人と結ばれるという話ならば話は別です』
「…それはなぜ?やけどが原因ですか?」
『それは違います!傷で私がどうこう言える権利はありません!
ましてや仲間を救った傷をバカにもできませんしそれを軽蔑する人がいるなら殺してもいいと思うほどに……
やけど云々、あの方と私が結ばれるなんておこがましい
あの方にはもっといい人がいるはずです』
「…そうですか…でもそう卑屈にならずにちゃんと組頭と話し合ってください
それから決めるのは遅くはないはず」
『…そうですね…』
厠からの道で歩いていると角で長嶺と誰かがぶつかった
『わっ、…ごめんな、…!』
「お前さんが長嶺怜治とやらか?」
『タソガレドキ城主の黄昏甚兵衛(タソガレジンベエ)殿…!!?ぶつかってしまい申し訳ございません…!』
「殿、ぶつかった無礼お許しください」
「許そう…してお主がそうか?」
『はい、私が長嶺怜治で間違えありません…』
「面をあげよ」
黄昏甚兵衛は長嶺にいい長嶺は指示に従った
『…』
「顔はまぁまぁだな」
『ありがとうございます…』
「して刀と手裏剣どっちがいい」
『へ?』
「どちらがいい」
『どちらも嫌です』
「「!?」」
「お前っ…!」
「はっはははははは!!!雑渡にそっくりだな!」
『!?』
「雑渡もこの儂にズバズバ言いよる…だがお主はタソガレドキの者ではない
もしこれでワシが機嫌を損ね忍術学園に戦を仕掛けると言ったらお主責任取れるのか?」
『取れません
ですが戦好きと噂されている人でもこんな小童の戯言に機嫌を悪くするような人ではないと私は思います
それにこんな小童の言い分で腹を立てているようではタソガレドキの城主はつとまらないと思います』
「ぷはははははは!!!なるほど雑渡はお主の臆さぬところに興味を持ってるとみた!はは!どうじゃお主
卒業後タソガレドキに来ぬか?」
『雑渡さんにも言っていますがお断りします
私は誰かの下で働くのは向いてないと思うので』
「しり込みせずに答えてきた奴とは…いやはや驚いた」
『……』
「体調が優れぬならゆっくりここで休んでいけ
何か必要なものがあれば雑渡を通してワシに行ってこい
揃えよう」
『え、…あ、お心遣い感謝致します』
「ふむ、ではな長嶺怜治」
『は、はい!』
「いやぁ〜凄いね怜治くん」
『雑渡さん』
「押都がものすごい形相で私を呼びに来たから来てみたら殿と話してるんだもん
流石にびっくりしちゃった」
『どこから…』
「殿が機嫌を損ねたらってところからかな」
『そうですか、』
「今回は殿だったからいいけど気をつけなさいよ
見てるこっちがハラハラしちゃって生きてる心地しなかったよ」
『わっ…』
「無事でよかったよ」
雑渡は心配そうな顔をし長嶺の頭を撫でた
『黄昏甚兵衛殿は童に怒るほど狭くないと思っていましたがその通りでしたね
いい職場だ』
「来る気に」
『行きません』
「食い気味……」
『何度言われようと私の意思は変わりません
タソガレドキに来る気もありません』
「え〜せっかく陣左(ジンザ)に解毒剤を学園まで取りに行って貰ったのに〜」
『それはどうも
それは雑渡さんがお使いください』
「君が使いなさいよ」
『いいんですか?それを飲んだら僕すぐ帰えちゃいますよ?』
「!…はははは!これは1本取られたね!」
『ふっ…ということで雑渡さんがお飲みください
飲み方は袋の中に紙が入ってます…それを読んで飲んでください』
「はーい」
『あと、陣左さんって?』
「え、…陣左!」
「ここに」
『わっ』
「お久しぶりです、長嶺どの」
『あ、会ったことありましたっけ…?』
「もー何言ってんの?初めて会った時にバドミントンの羽引っかかったって言った子だよ〜?」
『あっ!貴方が陣左さんなんですね!』
「陣左、自己紹介」
「高坂陣内左衛門と申します」
『なるほど、じゃあ高坂さんと呼びますね』
「私は〜?」
『あなたは変わらず雑渡さんですよ』
「え〜」
『じゃあこーちゃんでどうですか?』
「ぅ”ぐっ…」
「陣左?」
「す、すみま、せん…っこ、こーちゃんなんて…初めて、…ぷ、…はっ、…」
『いいあだ名でしょう?』
「え、えぇっ…!w」
「陣左!!?」
『じゃあこーちゃんで』
「怜治くん???流石にそれは組頭困っちゃう」
『私は貴方の部下ではありませんので』
「そりゃあそうだけども!ごめんごめん雑渡に戻して〜」
『昆』
「!」
『確かしたの名前は昆奈門さんでしたよね?じゃあこーちゃんはやめて昆にいたします』
「…ふふ、じゃあそれでね」
『ええ、』
「私はこれで」
『昆さん、高坂さんともう1人いましたよね?』
「あー陣内のこと?」
『高坂さんが小頭と呼んでた方です』
「陣内だね、陣左、陣内は?」
「小頭なら押都小頭とお話があるとか」
「じゃあ陣内の紹介はまた次の機会にしよっか」
『分かりました』
「あと君が身近って言うか知ってそうなのは〜…あ、尊奈門か」
『あー尊奈門先生ですか
1発殴らせてください』
「ダメ、今回の件は尊奈門がふっかけたのが悪いけどダメ」
『チッ…!』
「舌打ちしないの
顔怖いよ?」
『怖くてもいいでしょう』
「皺寄っちゃうよ?」
『それは嫌』
「そろそろ体冷えるから部屋戻ろ」
『…高坂さん』
「はい」
『部屋まで案内してください』
「えっ」
「えっ」
『?』
「わ、私で良くない???」
「なんで私なんですか??」
『雑渡さん寝てないしお仕事してない』
「ぅ”っ」
『ですから寝るか仕事してきてください』
「高坂は?」
『高坂さんは私を部屋に送るという仕事です』
「私と交代して」
『上司の権力使わないでください
それ使うと高坂さん従わないといけなくなります』
「あ、あの」
「組頭」
「あ、陣内」
『?』
「お久しぶりですね長嶺くん」
『お久しぶりです
あの時の毒大丈夫ですか?』
「嗚呼、君が解毒剤をくれたからね」
『それは良かったです』
「改めて、陣内
この子は長嶺怜治くん
怜治くん、この人は山本陣内だよ
狼隊の小頭ね」
『??押都さんも小頭?』
「タソガレドキには4つの隊があってね
1つ目が今言った狼隊
主に石火矢や火薬を扱うんだ…でその部隊の小頭が山本陣内」
『ほう』
「で、2つ目が黒鷲隊
主に開戦前の敵の調査…諜報や潜入したりする
そこの部隊の小頭が押都長烈」
『なるほど』
「3つ目が月輪隊
暗器や弓、長柄を使って接近戦を制する役割
で、陣左のお父上が月輪隊にいるけど陣左は無理を言って狼隊に入ってきて今ほぼ勘当されてる」
『えっ…!?』
「その節はご迷惑をおかけしました」
「いいよいいよ〜で4つ目が隼隊
合戦場に置いて各陣地間での伝令、そして怪文書、偽手紙の連行して味方の陣と敵の陣を往復する”蛍火の術”を使うね
君たちも園田村の時に使っていただろ?1年生がドクタケの稗田八方斎に使っていた」
『そうですね、あんなに上手く引っかかると思ってませんでしたが』
「それもそうだね」
『なるほど…でその4つの隊をまとめあげるのが組頭である雑渡昆奈門さんであると』
「正解!」
『何気にすごい人だったんですね』
「何気にって…」
『タソガレドキ忍軍は総勢100人を超えるとか…聞いていましたがなるほど4つの部隊でしたか』
「そっ、君ほんと敵に興味無いんだね」
『ありません
害がなければ』
「君はじゃあ今のでタソガレドキ忍軍にとっても詳しくなれたね」
『そうですね、いい社会勉強になりました
紙に残せないのが残念です』
「よくわかったね
残したらどうなるか」
『そこまで阿呆ではありません』
「そっか、じゃあ陣左
部屋までちゃんと送ってあげてね
ちょっと陣内」
「はい」
「はい!」
『…無理を言ってすみません高坂さん』
「いえ」
『もしかしなくとも猫かぶってらっしゃいます?』
「それは君もだろ?」
『あはは!いい子にしようと思ってたがバレちゃった』
「敬語を使い慣れていないというか…そんな気がしたからな」
『はは、流石にはタソガレドキ忍軍』
「関係ない
見破れるやつは見破れる」
『じゃあ陣内さんも昆さんも気づいてるか〜』
「組頭なんか特に学園へ行っているんだから一番素が出やすいだろ」
『それもそうですね
じゃあ隠さなくていいや』
「まだ被るのかと思っていたが…」
『ここはタソガレドキの本陣です、隠しても意味が無いですしね』
「まぁそうだな」
「居たァァァ!!!!」
『!?』
「尊奈門!声を慎め!」
「す、すみません!!!」
『もろすべりどんくさいさん!!?』
「諸泉尊奈門だ!!!お前まで1年は組と同じ間違えしがって!」
「尊奈門、声を抑えろと言ってる
一応この子は病人だ」
『あはは…』
「あ、悪い」
『で、諸泉さんなんの御用ですか?』
「お前、組頭に毒を盛ったそうだな!」
『ええ、戦闘でしたから
こっちもやらければ雑渡さんにひねり潰されてますよ』
「組頭はそんなことをしない!」
『するでしょう
私が本当に敵対していた忍びならばね』
「ぅ、…」
『ふふ…冗談です
雑渡さんは子供には優しいと思いましたから僕も中ぐらいの毒を使っただけです
けどあれで普通にしてる雑渡さん、改めて凄い忍者だと思いました』
「だろ!?組頭はすごいのだ!」
「尊奈門!」
「す、すみません…」
『怒られてばかりですね
高坂さんは諸泉さんの上司という感じの立場ですか?』
「あながち間違いじゃない、教育係です」
『………大変そうですね』
「なんだと!!」
「まぁ…そうですね…」
「高坂さん!!?」
『ふふ…ッ…』
「大丈夫ですか?」
『だ、大丈夫です…少し、ふらついただけです』
「気づかず立ち話をしてしまってすみません
すぐ部屋に戻りましょう」
『ごめん、なさぃ…』
「組頭ご報告が」
「何?」
「長嶺怜治について」
「どうかした?」
「先程部屋まで送り届け今尊奈門が見ています」
「そっ、」
「部屋に戻る前に少しふらついておられました
疲れか毒がまだ体に残っているのか分かりません」
「そっか…今は眠ってる?」
「はい、布団に入られた瞬間にすぐに眠りに入りました」
「寝れてるなら良かったよ
寝れないのが一番辛いからね
けど、そろそろ忍術学園に戻さないと伊作くんやら6年生の子が私を見つけるなり全速力で追いかけてきてあの子のことを聞いてくるから少し困ったもんだよ」
「御学友にとても大事にされているようですね」
「うん、タソガレドキ領で大事に預かってるって言ったら6年生全員忍術学園に連れてこいって言うから言い訳大変」
「返してあげないのですか?」
「返すよ
返す約束でこっち連れてきたからね、守らずにここに閉じ込めるのもいいんだけどそれで嫌われて笑顔が見れなくなるのは…嫌だからね」
「…ご婚姻はされないんですか」
「歳が離れすぎている
今の時代、ざらだけどね…だけどあの子はちゃんと好きな人と結ばれて欲しいんだ
それに私はきっと家庭より任務を優先してしまうからね」
「…長嶺くんに聞いてみたのですか?」
「聞いてないよ
けどあれほどタソガレドキに来たくないって言うからね」
「来たくないと言っているのは忍びとしてここへ就職することが嫌なのではなく?」
「あ、そっか…私のお嫁さんでここに来て欲しいとは言ったことがない」
「私が言うのあれですが…1度ちゃんと話し合った方がいいかと思います」
「そうだね…あの子が起きたらまた教えて
せっかく眠ったのにまた起こすのは酷だからね」
「はっ…」
夜になり長嶺は縁側で座っていた
『……』
「起きてたんだね」
『雑渡さん』
忍び装束を来ていない…おそらく寝巻き姿の雑渡が長嶺の元へ訪れた
「体を冷やしてしまうよ」
『ふふ、なら昆さんが温めてください』
「!」
『まぁ、じょう、』
「よいしょっと…」
『わっ!??』
雑渡は長嶺を持ち上げて自身が座った膝の上に乗せた
「暖かい?」
『あ、暖かいです…』
「寂しくなっちゃった?」
『いいえ、本当に少し寒かっただけです
冗談のつもりでしたし』
「冗談でもあんまり男に”貴方が温めて”って言うもんじゃないよ?」
『なぜ?』
「それ誘ってるようなものだから」
『なっ、…!!?』
「ふふ、私が大人でよかったね
若造だったら勘違いして襲われてるよ?」
『…気をつけます』
「よろしい、でなんで外で月なんか見てるの?」
『なんとなくです
目が覚めて少し寝付けなくて』
「そっ、」
『昆さんも同じですか?』
「まぁそんなところだね」
『ははそうなんですね…』
「怜治くん」
『はい』
「私のお嫁さんになって」
『…………少し考えてもいいですか?』
「うん、もちろん
本来こういう時自分のことを売り込むんだろうけど必要だから伝えておくよ
私は多分家庭より任務優先になっちゃう
それに殿か怜治かって言われたら殿だし
君の…家庭のことを第1にできないってことを頭に入れて考えて欲しいな」
『ふっははは…!』
「お、面白いところあった?」
『昆さんが僕のことお嫁さんにしたいのかしたくないのか分からなくて』
「…したいよ
したいけどさっきも言ったことも事実なんだ」
『ふふ、雑渡さん…心臓少し早いですね
いつもこんなに早いですか?』
「…言わないでくれよ…この歳になって言うと思ってなかったから…緊張してるんだ…」
『言わない方が良いやつでしたね』
「嗚呼、そうだよ」
『…じゃあ僕も1つ…いいます』
「え、この流れで告白されるのは怖いんだけど…」
『…僕の名前知りたいですか?』
「……え?長嶺怜治じゃないの?」
『長嶺怜治はとっくに死んだ兄の名前です
本名は長嶺美桜っていいます』
「美桜、ちゃん…か…いい名前だね…怜治もいい名前だったけどね」
『…兄は僕を逃がして守ってくれた…だから怜治って名前でいれば兄が守ってくれてる気がして…押都さんは知ってましたよ』
「アイツ…!」
『ふふ…2人っきりかタソガレドキの人だけがいる時ならば美桜と言って頂いて大丈夫です』
「いいの?」
『えぇ、いつまでも隠すのは難しいので…』
「そっか、美桜は何かやりたいことは無いの?」
『え?』
「美桜のこと知りたいんだ
今桜餅が好きなのと学園を卒業してからお金が無い人にも薬を使ってもらえるようにっていうことしか知らない
何をしたいのかも、なんで桜餅が好きなのかも知らないから」
『…桜餅が好きなのは色と味が好きなんです』
「色と味?」
『はい、…凄い子供っぽいと思われるかもしれないんですが……桜色ってとても綺麗で…私には似合わないってわかってるんですが、惹かれて…桜餅なら桜色を持っていれると思って…あと桜餅の塩味?というかあんこがとても美味しくて好きなんです…』
「そうなんだ、ならこれから桜餅いっぱい買ってって行くね」
『これ以上は頂けませんよ…』
「いいの、私がしたいだけだから、それから?何がしたい?」
『…綺麗とまでは言わないですが女の人の着物を着たいです…桜色の着物を…でもそういうのを買うのはお金が足りないし薬売っていくにしても足りないから忍びとして少し働かないと行けないかもしれないですね…』
「私のところ来たらそういうのも買ってあげるよ」
『私はお金の有無で結婚を決めたくありません
その人がどういう人でどうやって愛するか、その人がどんな信念を持っているかを見ます』
「そうなんだ…今のところ私は君の中でどんな評価?」
『…今まで会った人の中では一番惹かれてますよ』
「期待しちゃうよ〜?」
『期待したのを私のせいにしないでくださいね?』
「もちろん、その辺の若造と比べないでよ」
『比べてる訳ではありません』
「じゃあ一緒にしないで?」
『ふふ、意外と嫉妬深いんですね』
「はは!そうだね嫉妬深いし執着もあるかもね」
『しつこい男は嫌われますよ』
「嫌いなら私についてくる奴なんていないよ」
『それもそうですね
皆さん本当に昆さんを慕っていました』
「何なんて言ってた?」
『言葉にはありませんでしたが貴方の話題を出すと顔がぱぁーっと輝くんです
その後すんって戻って話してますが、諸泉さんが1番分かりやすかったですね
あなたの事を出して、凄いと本心で言ったらすぐに乗ってきて高坂さんに怒られてましたね』
「尊奈門……ハァ…」
『頭を抱えないであげてください
忍者であんなに表情が出るのは珍しいです
とても…羨ましい』
「?なんで?」
『伊作や留三郎やら他の6年生に言われるんです
桜餅とあの子たちを見てる時以外の顔は作り物みたいな笑顔だって
私は自然と笑ってるつもりなんですが6年生に言われてしまうと大人の忍者にはすぐにバレて任務どころではなくなってしまう…だから自然な笑顔を出せるのはすごいと思ってしまって…』
「あの子は出過ぎだと思うんだけどね」
『それもそうですね』
「私は君が桜餅を食べてる顔も伊作くんと話している顔もどちらも好きだよ」
『…よくそんなクサイ言葉をいいますね』
「ふふ事実だもの」
『ふふ…!はは…!』
「あ、そういえば簪って」
『私の忍び装束の懐に入ってたと思いますが…』
「服、洗わせたから……陣内」
「はっ」
「この子の服の中に簪紛れ込んでないか確認してきて」
「分かりました」
『す、すみません…私が持ってこなければ…』
「いやいいよ、私があの時置いてきてしまったのが行けなかったね
見つからなかったらまた別の買ってあげるよ」
『…あ、あれがいいです…』
「え、」
『殿方からの贈り物があれが初めでしたので…あれが…いいです…』
「そっか…!じゃああれが見つからなかったら2回目の贈り物も私にさせて?」
『…で、ですが何度も高価なものを貰うのは…!それに私、何も返せませんし返事もしていません…!』
「じゃあ君の誕生日の贈り物、でどう?
返事は卒業までにちょうだい?」
『あ、…』
「それなら貰ってくれる?」
『わ、分かりました…』
「ふふ、よかった」(君の回りをどんどん囲っていく予定だから…逃げれるわけが無いんだけどね…これからももっともっと贈り物をさせてよ美桜)
『…見つかると…いいな…』
「そうだね…君の黒髪によく似合ってる綺麗な桜餅色だったのに」
『あ、あれは…何故あれをお選びになったんですか?』
「桜餅好きって言ってたからってのと、君のことを想像しみてあれが一番良く似合うと思ったから」
『…!』
「美桜の話を聞いてあれを選んでよかったと思った…け、ど…美桜?どうした?」
『桜色が…似合うと…言われたことがありませ、んした、…の、で……』
雑渡が美桜の顔を覗き込んだとき美桜の顔は月明かりに照らされていて…それこそ月明かりに照らされている桜みたいだった
「……」
『昆、さん、…?』
「あ、いや…ごめんなんでもないよ」
「組頭」
「陣内、あった?」
「はい、紛れ込んでいました」
「そっか…よかったよ…美桜、見つかったよ」
『!ありがとうございます!山本様!』
「いえ、壊れていなくて安心しました」
『ふふ、』
「陣内に惚れちゃダメだよ?」
『人の夫に惚れるほど落ちぶれておりません』
「え、」
「いつお気づきに」
『雰囲気でわかります
昆は独身を貫いておられますし女の人の気配はありませんですし高坂さんもありません、ですがその中で独身とは違う雰囲気を纏われていましたし、高坂さんは血の繋がりはなくとも名前を与えていますから
そういうご関係なのでしょう?ですからなんとなくです』
「わー凄いね」
『忍者であれば当然です』
「ふふ、そうだね…ありがとう陣内」
『ありがとうございます…』
「…さっ、簪も見つかったことだしもう寝ようか」
『…すみません…わがまま言ってもいいですか…?』
「うん、私が聞けるわがままなら」
『……僕が寝付くまで一緒に居てくれませんか…?』
「いいよ、理由聞いてもいい?」
『…恥ずかしい話……初めての場所は誰かと一緒じゃないと寝れないんです…』
「…そうなんだ〜」
『バカにしてますよね?』
「してないよ、可愛いなって思ってた」
『バカにしてますよね』
「してないってばぁ」
『…もう高坂さんと一緒に寝てもらいます』
「それはだ〜め」
『なぜ?』
「なんとなくダメ」
『ふっ…よく分からない人』
「さっ!寝るよ!早く寝ないと」
『そうですね』
「さっ、部屋入るよ〜」
雑渡は長嶺を引っ張り中へ連れていった
「陣内、朝まで頼んだよ」
「承知」
まだ続きます
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!