テラーノベル
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前回3話の続きです
注意事項はは前回と変わりません!苦手な方はご遠慮下さい!
では…!
雑渡と長嶺は部屋へ戻っていき山本は高坂をタソガレドキの領境へ向かわせた
領境のところには6年生全員揃っていた
「長嶺怜治を返して頂きたい」
「無理です
まだ体調が完全にお戻りになっていないのでまだタソガレドキにと…」
「あいつが言ってる訳ねぇだろ」
「残念ながら長嶺殿が仰っています
私が忍術学園へ解毒薬を取りに行った後、あの方は雑渡さんが使ってくれとおっしゃっていました」
「忍術学園でも解毒剤は作れるだろ…なら忍術学園へ戻った方がよっぽどいいだろ」
「体調がお悪いのに長距離を移動するのはお体に触ります」
「ッ…!」
「あの、せめて顔だけ見させてくれませんか?」
「…組頭へ取り合ってみますが…あまり期待はしないでください」
「ありがとうございます…!とりあえずみんな、今は帰ろう…!ね!」
「伊作の言った事の答えが返ってこない限り帰らねぇ」
「…今聞きに行っているから少し待っていてください」
「怜治と会えるならいくらでも待つ」
「………」
「高坂さん…」
「組頭はなんと?」
「ヒソヒソヒソヒソ…」
「…そうか…」
「高坂さん!雑渡さんはなんと?」
「…善法寺伊作くんだけなら…と」
「なっ、…!」
「伊作だけを連れていかせるわけないだろ!」
「ではお引き取りください
長嶺怜治くんは体調が良くなり次第我々が大事に忍術学園へ送り届けます」
「ッ…」(伊作だけをタソガレドキへ行かせるのはいくらなんでも危ない…だが怜治も気がかりだ…)
「どうされますか皆さん」
「…伊作の判断にまかせる…」
「仙蔵!」
「伊作で単身で乗り込むリスク…怜治を確認したい…結論は我々では出せない…なら条件に出されてる伊作が決めるべきだ」
「…確かにそうだが…」
「僕は…僕は行きます」
「わかりました、では善法寺くんだけついてきてください
怜治くんの元まで案内します」
「は、はい!」
「それ以外の子達は領地に入らないように
入った時は責任が取れませんので」
高坂が忠告すると6年生は足を踏み入れようとはしなかった
ータソガレドキ領内…詰所ー
「着いてきていて安心しました」
「…手を少し抜いていましたよね」
「バレましたか」
「さすがに」
「失礼しました
お二人はこの部屋にいらっしゃいます」
「…雑渡さん
善法寺伊作です」
善法寺は戸の外から声をかけると中からどうぞと聞こえて善法寺は戸をゆっくりと開けた
「久しぶり伊作くん」
「お久しぶりです雑渡さん」
「中入っといで」
雑渡にそう言われると善法寺は中に入り入口の近くに正座で座る
「怜治くん、ちょっと前に寝付いたんだ」
「そうなんですね…」
「後1日くらいかな…忍術学園へ戻れるよ」
「見たところそうですね
脈も呼吸も安定してる」
「うん」
「解毒剤は飲んでいないと聞きましたが」
「うん、飲んでないよ
彼は私に薬を渡して飲ませた
抜けていってくれて良かったよ」
「そうですね
水を飲ませましたか?」
「うん、ここに来て直ぐに…だけど平衡感覚がないってだけだからあまり重くは考えてなかったぽいね
この子」
「そうですね…多分怜治が自分で使うものの薬は1番わかってると思います」
「…どういうこと?」
「…ある時から怜治、僕たちに隠れて毒を体に食べるというか…取り込むことをし始めたんです」
「それで?」
「気付いたのは怜治が倒れて新野先生に見てもらった時に食べていたことに気づいて…
本人が言うには”僕はみんなみたいに自分の得意分野がなくてみんなの足を引っ張るから…なにかできることを考えた”と言っていました」
「それが食べるか〜…」(食べて毒に体を慣らさせる…忍びのたまごといえ…授業でもやるはずだ…だがそれを自ら自主的に…)
「ええ、6年全員で止めましたがやめようとしなかったので、僕たちと怜治の中で約束事をしました」
「?」
「1.自分が危なくなるもしくは授業や任務、死ぬような毒は使わないこと
2.事前に何を使うかを6年の誰かに報告
3.解毒剤もしくは緩和剤の使い方を記しておくことです
「そうか…それから守っているのかい?」
「はい、守ってます
だから体の傷はその約束事を取り付ける前についた傷です」
「なるほどね……ちなみに、この腕の火傷は何?」
「それは、入学前からついていたものだと思います
出会った時には腕を包帯で巻いていましたから」
「ふーん…」
『ン……』
「怜治?」
「怜治くん?」
『…ぃ、さく…?』
「そうだよ」
『な、んで………ぃる、の…?』
「僕だけここに来たんだよ
怜治のことをお見舞い」
『…そ、…か…み、んな…は…?』
「みんなは外にいるよ」
『………ごめ、ん…な…』
「なんで?」
『かぇ、…らな、くて…』
「ううん、心配だったけど怜治の体調の方が大事だから
ちゃんと治ったら戻っておいで」
『ん、…あり、がと…』
「今体調はどう?」
『ん、…早くて明日には帰れると思う…』
「そっか…帰ってきたらみんなで土井先生に飛びつこうね」
『はは…!土井先生…倒れちゃうよ』
「そうだね…」
『なんか…伊作の顔みたら安心した…』
「それはよかったよ怜治」
『伊作…くっついてもいい…?』
「あー…」
「いいよ」
「だって」
『…』
長嶺は布団からもぞもぞと出てきて座っている伊作に抱きついた
『やっぱり…伊作…安心する…お母さんみたい』
「はは、なんでだろう」
『はは、ほんとだな!なんでだろうな〜』
「あ、毒食らった以外で怪我してない?」
『してねぇよ
雑渡さんが手加減してくれたおかげでね』
「そっか」
「さすがに女の子だしたまごに対して本気で殴りかからないよ
あの時は標的でもなかったからね」
『うわぁ〜…そういうこと平然と言うもんねぇ』
「はは」
「いうよ」
『ふふ、雑渡さん』
「何」
『伊作と2人で外歩いてきていいですか?』
「いいけどここ道入り組んでるよ?」
『もう覚えたんで大丈夫だと思います』
「えっ」
『え?』
「雑渡さん、怜治は僕らと同じ時期に入学してきて一番最初に忍術学園の構造を覚えた子です」
『覚えるのは得意なんです』
「そうか、ならいいよ」
『迷ったら大きい声で呼びます』
「大きい声はやめなさい」
『誰もつけないでくださいね?ただ2人っきりで話したいだけなので』
「分かってるよ」
『ふふ、伊作、行こ』
「あ、嗚呼」
そして2人は部屋を出て歩き月の下の庭の所まで移動した
『伊作、紅かクロって連れてきてる?』
「うん、クロが勝手に着いてきてると思うけど……」
『ならよし』
長嶺と善法寺は屋根を伝って森の中へ入っていった
「うーん、まんまと逃げられたね〜」
「え、」
「どうしようかなぁ〜」
「逃げられたって…誰もつけてないんですか組頭」
「うん、お願いの仕方が可愛くてつい」
「阿呆…!」
「まぁ押都、陣内」
「ここに」
「傷つけずに連れ戻して
体調がまだ戻ってきてないから丁寧にね」
「「御意」」
『クロ、みんなの所まで頼む』
長嶺がクロへ頼むとガァーと静かに鳴いてみんなの方へ森の中を飛んだ
『よし、伊作行くぞ』
「うん、いいの?」
『嗚呼、そろそろ動かないと鈍るからタソガレドキ忍軍の人と鬼ごっこだ
そうそう出来ねぇよ』
「楽しそうだなぁ…全く…」
『ふふ…早くしねぇと追いつかれるから行こ』
「うん!」
長嶺と善法寺は木と木を飛び移りクロを追った
「ねぇ怜治」
『何』
「雑渡さんに話した?」
『嗚呼、押都長烈っつう人にはバレてたからいずれは雑渡さんの耳にも入るんなら自分から話した』
「…僕以外の6年に話すのを嫌がってたのに」
『お前に知られたのもあれは事故だ
まさか腹を怪我すると思ってなかったしあの場に手当できるのは伊作しかいなかった…だから伊作には話した
必要な情報だと思ったし伊作なら勘づいてみんなに内緒にしてくれると思ったから』
「…うん、けどみんなあの時はさすがに焦ってたよ」
『わかってる…だけど隠してるのも全部自分事だ
みんなにわざわざ話す内容でも気を使われたくもない
だから話さない
アイツらは何も知らなくていい…まぁ危険な任務とかだったらちゃんと話すよ』
「…約束だぞ」
『嗚呼』
「見つけましたぞ」
『!伊作!』
「!」
善法寺は背後から来た押都の手裏剣をギリギリのところで避けた
「っぶな…!」
『はは…!よりにもよって鬼ごっこの鬼…黒鷲隊の押都長烈小頭と狼隊の山本陣内小頭が鬼なんですね』
「少し手荒になりますが、まだ返す訳には行かないと」
『返す約束の元で僕はタソガレドキにこさせていただいたんです
その約束を守ってもらわなければ困る』
「まだ体調がお戻りになっていないので今すぐお戻りください」
『動かないと体がなまるから嫌です』
「…まるで昔の昆みたいだな」
「そうですな」
『伊作、先行きな』
「でも…!」
『あの人たちの目的は僕を無傷で捕まえて一旦戻すことだから
伊作はみんなのところに戻って忍術学園で帰りを待っててよ』
「だめだ!ここまで来たら一緒に帰ろう」
『…なら少し他の6年生と待ってて』
「…」
『早く行け伊作』
「…絶対だからね」
『ん』
「別に居られても良かったに」
『邪魔だったからね』
「組頭から聞いたのは謙遜していたと聞いたが…驕ったか?」
『何を今更
僕は謙遜でもなければ驕ってすらいないです
いつも僕は僕を信じてる…そして6年全員を』
「それはそれは…」
「でも捕まえさせていただきますよ」
「それが組頭より出された命…果たさせていただくぞ長嶺美桜さま」
『…不用意にその名前を呼ばないでもらっていいですか』(今所持品は…クロ紅用の爪に塗る用…それと…鳥の子2個、とあれは出来れば使いたくないな…)
「逃げないのであればさっさと捕まえまする」
『!っぶねぇな…!まだ鬼ごっこしてたいから手加減してくれよ押都長烈さん!それに山本陣内さんもね…!』(状況的にはあっちの方が土地勘がある…それに実力も格上圧倒的にこっちが不利…)
「良く反応しましたね」
押都が一瞬にして長嶺に近づき捕まえようとしたがギリギッリのところで長嶺は避けたが避けた先に山本が居り、蹴りをかまし避け木に飛び移り逃げていく
「…組頭の言う通り隠してましたね」
「嗚呼、今は他の忍たまがいないから発揮できるんだろう」
「まるで猫みたいだ…」
「多少本気になっても捕まえる」
「体を労わってくれんかね」
『…』(静かすぎる…追ってきてる気配が感じられない…だがそれと同時にまるで近くにいるような視線を感じる…これは…)
長嶺は木を上に登り木のてっぺんに出てクロを探す
『いた…けど…』(なんだあの飛び方…あんな飛び方見たことない…)
クロは同じところをクルクル飛んだり別のところでまた同じようにクルクル飛んだりを繰り返していた
『…』(迷ってる…のか…?)
その瞬間クロのいる方向と長嶺の背後からとてつもない殺気を感じた
『ッ!?』
息が詰まるようなそんな殺気だった
『ッ……ははははは…!本当に……もっとちゃーんと武器を揃えて挑みたかったなぁ…!こんな楽しい鬼ごっこ一生に一度できるかどうかなんだ…!もっと楽しまなきゃ…損だよなぁ…なぁ?山本陣内!!!』
「!」
長嶺は背後を振り向き山本の右手首を掴み逆の手で顔面を掴んだまま一緒に下に落ちていく
「ッ…!」
『はは!!!やっぱりベテランの忍者と手合わせさせて貰うのは心が高まるなぁ〜……なぁ?押都長烈!』
「!」
長嶺は背後にいた押都に山本を投げつけ、木へ移動する
「どこにそんな力を隠していた??」
『隠してたわけじゃない
その忍者に合わせて力を出してるだけだ』
「何…?」
『何って変に思うことじゃない
ただ合わせてるだけだ』
「…そんなこと出来るわけ」
『できるよ…現にアンタらの忍び組頭がやってんだから』
「…」
「たしかにな」
「納得するな」
『はは!!でしょう…?これいつまでって区切りつけませんか?
僕、あまり銭にならないことはしたくないので』
「それが本性か」
『僕はいつでも本音ですよ
雑渡さんへいった…お金の有無で人を決めたくないってのも本音だけど…こっちも本音だ』
「それは体を売っていたからか」
『………さすが諜報に長けてる…黒鷲隊の押都長烈さんだ…誰から聞きました?僕本名、顔も声も少し変えてたはずなのでわかるはずないと思うんですが…』
「そこは秘密だ」
『焦らしい〜…♡まっ…身体売ってたってこともあるから雑渡さんの隣に立てる人間は他にいる僕はあの人の隣に立てない…立っちゃいけない』
「組頭はあなた以外と結ばれる気は無い」
『あっそ…ならタソガレドキ城主黄昏甚兵衛殿に頼めばいい
あの人の力は強い…タソガレドキと関係を持ちたいやつなんかいっぱいいるよ
それに雑渡さんはお金もあるんでしょう?ならそのお金はそのお嫁さんに使ってくれた方が僕は嬉しい』
「それは無理かな」
『それは分からないじゃ、…!?』(今僕は誰の言葉に返した…!?)
長嶺はどこからか聞こえてきた声に反応してしまい気付いた時にはもう遅かった
蛇に捕まったように…身体が硬直し息もまともに出来ぬ状況だった
『ッ……』
「捕まえた」
背後から腕を腹に回され持ち上げられた
「「組頭…!!?」」
『はっ、…ぁ”ッ…ハァッ…ハァハァッ…!!?』
「大丈夫だから、息ちゃんとしてごらん…君ならできるから…」
『ハァハァハァ…♡♡』
「?」(息が荒い…だが頬がほんのり色づいてる?)
『あ〜…これが…強者の圧…獲物を捕らえるための…だけど……残念♡♡』
「!」
「昆!!離れろ!」
「ぐっ…ッ…」(なんだ…急に…手足に力が入らなくなった…!)
『ふふ♡僕が何もなしで逃げ回るとでも?♡』
「なに、…を…」
『気化する毒さ♡
本来塗ってあるやつと同じように粉末状にして煙を吹きかけたらより効果を発揮するんだけど逃げてる時にそんな器用なことできないからさ
一定時間空気に触れると気化するように調整したんだ…
効果は…人によって変わるんだよね
人によっては力が抜けたり、逆に身体が強ばって上手く動かせない…僕が試した時は力が抜けたね』
「ほ、…んきで…にげ、るつもり、…かぃ…?」
『逃げるって言い方やめて欲しいなぁ〜ただ帰るだけです♡♡』
「は、これは……やはり、君にかな、わ、な、いね…」
『解毒というか緩和薬はここに置いておきます
これも個人差がありますが直ぐに効いてきます
効いてこなかったら忍術学園に来てください、強いのをお渡しします』
「…」
『では、また』
長嶺は木から木へ移って闇の中へ消えていった
「やら、れた、ね……まっ、た、く…」
「もう、しわけ、…ありませ、ぬ…」
「いい、…」
雑渡達は緩和薬を持ち去った
そして長嶺は領境にいる6年生と合流した
『皆!』
「「「「「「怜治!!」」」」」」
「無事だったか…良かった…」
『はは』
「お前伊作を先行かせて小頭達と戦ったと言っていたな…!どうだった!」
「こら留三郎…!手合わせしたいのはわかるけど今は…」
『強かったよ
憧れるよねあの強さ…忍びとしての殺気、忍びとしての気配の消し方…全部見習いたい…それに雑渡さんともね』
「えっ、雑渡さんとも!!?」
『うん少しだけどね
だから毒食らわせたよん♡♡』
「「「「「「はぁぁぁぁぁ!?」」」」」」
「な、はぁ!!?本当に!!?」
『うん』
「なんでこんな冷静なんだよこいつ」
『僕だからね』
「なんか納得してしまうのが鬱陶しい」
『え〜酷い文次郎くん』
「ハァ…とりあえず……」
「「「「「「おかえり怜治」」」」」」
『!嗚呼…ただいまみんな』
そして6年生と怜治は忍術学園へ帰っていった
そして皆忍術学園へ戻った時に夜にも関わらず出迎えてくれたのは長嶺達が1年生だった時の担任の土井半助だった
『…せん、せい…』
「怜治、おかえり」
『…ただいま戻りました土井先生』
「嗚呼、…で?私を助けるために雑渡さんに少し強めの毒を使ったと聞いたんだが???本当か?怜治」
『ァ………ほ、ホントウデス』
「おバカ!!!それで怜治も毒を食らってタソガレドキで療養してたって聞いた時肝が冷えたわ!!」
土井は怜治のこめかみをぐりぐりしながら叱った
『ご、ごめんなざい!!痛たた!!!』
「怜治なりに助けようとしてくれたのもわかるが自分も危険になるような物は使わないでくれ怜治」
『分かりました…』
「改めておかえり…怜治」
『ただいま、そしておかえり』
「!ただいま」
長嶺怜治は土井先生救出作戦からやっと忍術学園へ帰ってこれた
そして翌日、早朝まだ夜が明けきってない時
『ふっ…ぅっ、…よし…行くぞ』
長嶺が声をかけると下の方からワンっと吠えた
『ふふ、』
長嶺は早朝に忍術学園のグランドへ出て碧と一緒に走るのを日課にしている
『ハッ、ハッ、ハッ…』
「長嶺先輩!」
『?おぉ!乱太郎か、早起きだな?』
「はい!目が覚めて、走りに来たんです」
『そうか、あと2人はどうした?』
「2人は………きりちゃんは銭にならないことはしないって…しんベヱもお腹が空くからと…」
『そうか、じゃあお前は忖度無しで1年生で自主的に走ってて偉いな』
「!…えへへ…」
『まだ走るか?』
「はい!長嶺先輩は?」
『乱太郎に付き合うよ、まだ碧が走り足りなさそうだし』
長嶺と乱太郎が走りながら碧に目をやると長嶺達のペースに合わせているがまだまだ元気そうにしっぽを振っている
「ふふ、碧もとても元気ですね」
『ほんとに、おかげで僕も体力つけれたから一石二鳥なんだけど任務が重なると走らせてやれないからな
今日は久々だ』
「あ、長嶺先輩」
『どうした?』
「おかえりなさい!」
『!…嗚呼、ただいま
心配かけたか?』
「はい!」
『はは、正直だな…』
「心配したんですもん」
『悪い、1年生に心配かけるのは先輩しっかくだな』
「そんなことありません!!でも私より伊作先輩たちが…」
『伊作?』
「保健委員の仕事のときや先輩たちも見かける時心ここに在らずって感じでした…声をかけたらいつも通りなんですけど…
それに伊作先輩はいつも以上に不運が発動してて…」
『本当にそれは申し訳ない』
「もう、勝手に居なくならないでくださいね」
乱太郎に言われると長嶺は笑いながら「約束はできないなぁ」と告げる
乱太郎も察したのか苦笑いで「何言ってるんですか」とわざと誤魔化していた
『…そろそろに長屋に戻ろうか
1年生で朝にこれだけ体力使うと授業に支障が出てくるからな』
「は、はい!」
『碧!終わりだ』
長嶺が声をかけると碧はくぅーっと声を出したが素直に長嶺の元へ戻ってきた
『よしよし〜…』
長嶺が碧の顔を撫でると碧はとても嬉しそうにしっぽを振りワンっと一声鳴いた
『乱太郎、長屋へ送ってくよ』
「いいんですか!!?」
『嗚呼、ほら行くぞ』
長嶺が声をかけると碧と乱太郎が長嶺の隣へ走ってきた
2人と1匹は長屋へ歩いて戻って行った
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