これで最後です!
ではどうぞ!
⚠️太中⚠️
bl注意
死ネタ
バーから少し離れた場所で太宰が口を開いた
太『ねぇ、どういうつもり?』
ドスの効いた低い声だった
太『やり方他にもあったでしょ?なのに織田作にあんな事して、なんでよ』
中『そうする癖をつけさせた手前の責任だろ?教育の仕方が悪ぃんだよ、先代の方がマシだぜ』
俺は嘲笑うようにそう返した、そしたら太宰に首を掴まれた
太『巫山戯ないでよ、人のせいにしないでくれない?中也にきつい教育した覚えないんだけど?』
中『都合の悪いことだけ忘れんなよ糞太宰』
太宰の首を絞める力が強くなった
中『カヒュッ__』
太『よくもまぁそんな態度取れるね?しかも先代の方がマシ?そんなわけないでしょ?中也だってそう言ってた癖にさ、とにかくさ、明日織田作に謝って』
中『うッ…ぐ….』
太宰は手を離した
中『はぁはぁ…嫌だよばぁか』
太宰の顔が険しくなった、怒っているのだろう、
太『ねぇ、なんで君は泣いてるの?』
中『….』
俺は泣いていた、さっきまでの、威勢はどこに行ったんだろうか、織田作之助と喋ってる時や太宰が怒ってる時ずっと頭がもやもやしてムカついた、
中『…..嫉妬してんだよ、』
太『は…?』
中『…俺でも訳わかんねぇよ…』
太『….中也をこんなにしたのは私…..か…』
太宰は泣きじゃくっている中也を見ながら顔を歪め呟いた
太『ごめんね、中也…?』
中『ん….ごめん、俺、織田作之助に謝るから…嫌わないで…くれ…』
太『うん、嫌わないよ、』
太『帰ろっか』
中『うん…』
──次の日──
俺は太宰と探偵社の前まで来た、太宰はなんだから冷や汗が凄かったが無視してそのまま中へと入った
扉を開けると探偵社の社員達が一斉にこちらを向いた、動揺はしているものの話を聞かされているのか、過度な警戒はしていない
中『織田作之助は居るか』
国『あぁ、居る』
織田作之助『ここだ』
中『そうか、』
中『じゃあ小説を__』
織田作之助『社員が先だ』
中『….』
中『ほら、お前らの社員達だ』
武装探偵社の国木田という奴はすぐに社員達を優しく保護し、別室へ連れて行きすぐ戻ってきた
中『次はそっちが渡す番だ』
正直もしかしたら渡されないかと思った、だが織田作之助は潔く小説を俺に手渡した、吃驚して少し固まったが、その後ありがとう、という感謝とバーでの事の謝罪をした
そして俺は太宰の方を向いた
中『ほら、読めよ』
太宰は無言で小説を受け取り読み始めた、
探偵社の奴らは状況を把握しようと必死だった、だが誰も何も言わないでいた
数十分経ち、太宰は本を閉じた
太『….』
俺は目を疑った、目の前の太宰の姿に動揺を隠せなかった、頬につたう雫も、顔を歪めながらも喜んでいる顔も、少しづつ体が崩れていく姿も、いつの間にか俺の視界は滲んでいた、そして太宰に声を掛けた
中『だざい…』
太『あぁ…夢みたいだ、こうして彼の小説が読めるなんて…』
太『ありがとう、中也』
俺は消えてしまいそうな太宰の手を握ろうとした、だが太宰には触れなくなっていて、握ろうとして動いた手は太宰の手をすり抜けた
太『中也、ここまでありがとうね、わざわざ…』
太『実はね、中也に初めて会った時、私は怖かったのだよ、相手にされなかったらどうしようって、他は全て忘れているのに』
太『中也のことは全て覚えていたのだよ…悔しい程に、些細なことも、』
中『太宰、行くな、まだ居ようぜ…?』
太『そうだね…』
太宰は俺の事を抱きしめてくれた、太宰はまだ俺に触れるみたいだ、だが抱きしめてもらえてる感覚がしない、その事にどうしても涙が出てくる
中『うッ…あ….だざ…』
太『中也、大好きだよ、愛してる、だから泣かないでくれ…』
太『….最後くらいは笑ってよ….』
その太宰の声はとても心細かった、震えていた、泣いている、太宰が、俺はその切実な願いに応えるよう、今まで見せたことないような幸せそうな笑みを浮かべた
中『俺もだ、大好きだ…太宰、』
太『…中也…』
どんどん崩れていく太宰を前に俺は笑っている、それが太宰の願いだからだ、最後の命令だからだ
太『ちゅ…や…』
太『すき..愛してる…』
太『ちゅ….ゃ…』
太『….』
中『….』
中『おい、探偵社』
中『お前らはもう自由だ、俺らに怯える日々からな』
中『そして織田….』
中『俺の頼み、聞いてくれるか?』
織田作之助はその声に反応し、頷いた
中『ありがとうな…』
そして中原中也はポケットから紙を出した
中『これ、太宰の墓の場所だ』
織田作之助はそれを黙って手に取った
中『小説がまた出来たら、それを墓にお気に来てくれ、そして語って欲しい、必要なくとも』
──数年──
織田作之助はある場所に来ていた、墓地、だが墓地と言うにはあまりにも美しく、庭園の方が合っている場所だった
織田作之助はとある2つの墓の前で座った
ポケットから小説を出し、そして語り始める
織『今日も小説を持ってきたぞ、新作が出来た、俺の中でこれはかなり力作だ』
織『お前らのことをあの時見ていた、幽霊さんの方は見えないが、太宰ってことは確かだからな』
織『お前らふたりを見てポートマフィアにもあんなのがあるのだと知った』
織『だからそんなお前らを書いてみたいと思った、少し調べていくつかは分かったが、全然合ってないと思う、だけどどうか聞いてくれ』
これは不器用なマフィア2人のお話
かつて双黒だと言われた2人の、そんなたわいもなく虚しく終わってしまう2人の話だ
数時間後
織『さて、そろそろ帰るな、長居しすぎた』
織『またな、』
中『わざわざありがとうな』
中原中也の声がし驚き声がした方を見た、だが誰も居ない、冷静に考えれば中原中也が居るわけがない、織田は決定的な場面を見たのだから
織『わざわざ来てくれたのか、ありがとう』
織『来世では幸せになっていてくれ』
これでこの連載は終了です!
ここまで読んで下さりありがとうございました!!
誤字や分かりにくかったらすみません💦
ではまた次の作品で
コメント
29件
ヨミさん、最高です‼️もう泣けました‼️ 切ないけど2人が幸せならOKか(?) 織田作さんありがとうございます‼️(?)
最後まで読ませていただきましたァァァァ!素敵な作品なのになんでいいねが五百しかないんだろうと思ったので千にしときました☆がんばってくださぁぁぁぁい!!!
うおおおおおん(;ω;`*)いい話というより綺麗な話だぁぁぁ...ぁぁぁ...