“僕のクソみたいな父親”
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「『ぼくのおとうさん』」
「ぼくのおとうさんは、優しくて、かっこよくて、世界一のおとうさんです。」
「おかあさんは、出てってしまったきり帰ってこないけど、おとうさんはそれでもぼくに優しくて、すごいおとうさんです。」
「…くだらな。」
父親が死んだ。
自殺らしい。
警察から連絡が来て、今実家の荷物を片付けている
父の私物を捨てる作業。
作業をしていると、父の机の引き出しから紙が
出てきた
「こんな大事そうにしまっておいて。」
もう取り消せないぐらい、俺に、母さんに
最低なことしたくせに
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『いたい、おとうさん!!やめて!!』
『 』
『いやだ!!』
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なんて言ってたっけ
思い出せない
「あれ、父さんの声ってどんな感じだったっけ。」
あんなに脳裏に焼き付いてるはずの父の記憶が、日に日にだんだん薄くなっていく
「…ん? 」
紙にまた何か挟まっていた。
「家族写真…」
こんなに、大嫌いな父さんなのに、
忘れるぐらい、嫌いなのに
気になってしまう。
となりの引き出しを開ける。
『遺書』
父の字だ。
「…イショ」
『これを読んでいると言うことは、私は多分もういないということだ。
私は、幸せだった。可愛い息子、愛しの妻
とても、満足な生活をしていた。
でも私はいつからか、お前らに暴力を振るう様になっていた
上司からの罵倒、人間関係。
辛くて辛くて仕方がなくなった。
だが、それは暴力を振るって良い理由では無い。
すまなかった。
この言葉だけで、許されるとは思っていない
でも、本当なんだ、信じて欲しい
俺は、お前らのことを愛している。
そして、俺からの暴力に耐えれなくなり出ていってしまった妻。
そんなどうしようもない俺に擦り寄って抱きしめてくれた息子。
俺は、最期まだ幸せ者だった。
さよなら 』
本当に、…大っ嫌いな
「僕のクソみたいな父親。」
コメント
3件
はぁぁぁぁぁ" どんだけ天才なんだよ、…まじで!!!、😭 好きよ~、!!😭創作も上手く作れるって、…もう小説家なれるやんけ、!!!😭