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『繫縛の楔』〜私はこの檻から逃げられない〜
第1鎖 『マナー指導(調教)』
『やだ、やめて、離して……っ!いやぁ!』
『大丈夫ですよ。気持ちいいことしかしませんから。』
グイッ
首輪の鎖を引かれて、強引にベリアンに引き寄せられる。
『悪い子にはお仕置き…ですよね?』
『んむ……っ!』
強引に唇を塞がれる。
『ぷは…っ。ペロッ。』
『はぁ、はぁ…っ!』
(何…?口の中が変に甘い…気持ち悪……っ。)
ドクンっ!
心臓が高鳴り、脈も早くなる。
(身体が熱い…。なんで…っ?)
ドサッ!
私は床に倒れ込む。
『流石ルカスさんのお薬ですね。効果は抜群です。オマケに即効性とは……。』
『何、飲ませ……っ。』
『…知りたいですか?』
ベリアンは私に覆いかぶさり、首元にキスをする。
『んぅ…っ。』
(身体が、敏感になる…っ。まさか、あれは…っ。)
『全身が今敏感になってますね。もっと気持ちよくして、乱れさせてあげますからね。 』
『っ…。』
痛くされるよりも残酷だよ、こんな――。
(苦しい。むず痒い…。早く、早く楽になりたい。)
私は自分の意思とは裏腹に手が動く。
グイッ。
ベリアンの服を掴み、涙目になりながら懇願する。
『ベリアン…苦しいの、お願い……。』
『…よく出来ました♪ご褒美です。』
目の前の悪魔が襲いかかる。私の口から生気を吸い取るかのように噛み付く接吻――。
私は身を任せて瞳を閉じた――。
『はぁ、はぁ……っ。私だってこんなことしたくないんですよ?主様が言うこと聞かないから…。私だってこうしなきゃいけないんですよ。』
『……。』
『ふふっ。全身に私の噛み痕があって、私のモノって感じがしていいですね…。早く堕ちてきてください。楽になりますよ。』
ベリアンは私の頭を撫でて、部屋から出ていく。
バタンっ。ガチャッガチャッっ。カチャッ。
『痛い……。』
血が滲むほど噛まれた痕を手で隠す。
『あぁ…痛みを感じる。良かった。まだ私は生きていられる。』
数時間後――。
『お腹、空いた。』
コンコンっ。
『っ!』
(だ、誰…?)
『ノックしなくていいんだったな。えっと確か鍵…。』
カチャッ。
『主様。夜ご飯の時間ですよ。』
『ロノ…っ。』
『ほら、あーんしてあげますから。』
『自分で、食べるからこれ、外してよ。』
『――逃げませんか?』
『逃げないよ、だから外して。』
『……ダメですよ。俺が食べさせたいんですから。』
『そんな…っ。』
『はい、あーん。』
『…ねぇ。ロノ。』
『どうしましたか?』
『どうしてご飯は与えてくれるの?逃がしてくれないのに。 』
『そりゃ主様が大好きだからですよ。死んだら困りますから。』
『死んだら困る…か。そうだね。私だけだもん。みんなの力を解放できるのは。』
私は利用価値があるから生かされてる。みんなの欲を満たすため。力を解放するため。
『分かったなら早く口を開けてください。ほら。』
私は口を開ける。
『……。』
『美味しいですか?』
『……。』
私は無言で食べ続けた。
数分後――。
『デザートを持ってきますね。』
ガチャッ。カチャッ。
(こんな合間でも鍵を閉めるんだ。でもチャンスだ。ナイフとフォークがある。これで――。)
私は内側から鍵を壊そうとナイフを鍵穴に当てる。
ガキっ。ガチャガチャッ!
『ここの鍵を壊せば出られる…っ。』
ガチャンっ!
『開い――。』
ギィィ……。
『悪い人ですね…主様。』
『ロノ、なんで…っ。だって、鍵、壊して…。』
『知らないんですか?主様が逃げられないように鍵は何個もあるんですよ。
ロノは私の手を掴み、外側に回り込む。
『ひ…っ!』
そこには夥しい程の南京錠が何個もつけられていた。
『内側から壊そうとしても無駄ですよ。』
『っ…!』
『さて。主様。分かってますよね?』
ロノはデザートをテーブルに置き私に問いかける。
『い、嫌…。来ないで…!』
ロノはゆっくりと私に近付いてくる。
『俺が判らせてあげます。』
次回
第2鎖 『苦くて甘いスイーツはいかが?』