桜の花が綺麗に咲き誇る今日
俺が密かに片思いをしていた先輩が卒業する
「う〜、、」
「もしかして緊張してんの!?」
「ひおり〜!!!!」
「俺ら卒業せんやろ笑」
「違くてさー!!ほら、、あの、」
「あっ!カイザー先輩かぁ〜!」
「しーっ!!声でけぇよ!!」
「悔い残らんようにようにせぇーよー?笑」
「わかってるよー、、」
「そろそろ外出てくる頃やね!!」
じゃ、俺は見守ってるわ〜と告げて氷織は遠くへ行ってしまった
俺は1人になり先輩への花束を抱えながら周りを見渡す
すると、近くの女子からカイザー先輩の名前が聞こえた
「ねぇ告白するんでしょ!!!」
「うわぁまじで緊張する!!笑」
「絶対○○なら大丈夫だから!!」
あれは確か学年1のマドンナとされている○○さんだ
「(嘘だろ、まさかのカイザー先輩狙いかよ、…)」
こんな俺があんな美少女に勝てるわけが無い
「(告白する前からなんか振られた気分、)」
まぁどうせ振られるからいいんだけど
噂によると告白しても必ず
「ごめん。好きな人いるから。」
と断られるそう
その好きな人は誰なのか、
「(きっと○○さんなんだろうな、)」
何度もあの二人はお似合いだと言う声を聞いたことがあるし、
断られると分かっていながらもこんな思いを残してもう会えなくなるぐらいならきっぱり断られた方がいい
自分を振るい立たせていると遠くから黄色い歓声が聞こえた
「きゃーーっ!!せんぱーいっ!!」
そう叫んでる女の子がいる
「あっ、カイザー先輩だっ、」
「せんぱっ、」
「せんぱ〜いっ!!♡」
先陣を切って走っていったのは○○さんだった
俺は思わず足を止める
「、、っ、」
見つめる先のカイザー先輩は○○さんに手を引かれて校舎裏へと行ってしまった
「っ、俺邪魔じゃん、笑」
きっと校舎裏から出てくる頃には手を繋いででてくるのだろう
考えただけでも胸が痛くなる
俺は結局花束を渡す気にも告白をする気にもなれず、校門の方へと足を進める
「(氷織に、謝んねーとな、)」
先輩を考えながら選んだ花束も今はなんだかしぼんでみえる
なんて告白しようとか、どこでしようとか、沢山考えてきたけど何一つ実行することが出来なかった自分に嫌気がさす
「っ、…あれ、っ、?」
俺は気付かぬうちに涙が頬を伝っていた
「(何泣いてんの俺、!)」
「だめ、っ、なくな、なくなっ、!」
でもそんな思いとは裏腹に涙が溢れだしてくる
あぁ、俺は本当に先輩が大好きだったんだな
泣いてる姿を誰にも見られたくなくて歩く足を速くする
そして、校門から1歩踏み出したその時
「おい!!!!!」
「世一!!!!!」
後ろから、先輩の声がした
「へっ、…!?」
はぁ、はぁ、と息切れをしている先輩は胸ポケットに花を添えていた
「なん、で、っ、…」
「世一、伝えたいことがある、、、」
「って、なんで泣いてるんだ!???」
「あ、、えっと、その、っ、」
言えないよ、
というか○○さんは?
置いてきたの?
「ねぇ、っ、俺はいいから、…!」
「○○さんのとこ行ってあげな、!」
「お似合いだよ、ほんとに、!」
俺は先輩の顔を見ることも出来ずに俯いていた
「……さっきから何の話かわかんねぇけど、」
「とりあえず言わせてくれ、!!」
「……世一、お前が好きだ」
そう伝えられた時、桜の花びらが風に舞った
「……え、、?」
「ずっと、すきだ。」
「…ちょ、冗談やめて、笑」
「冗談じゃない。そんな気持ちで来てない。」
「信じられないなら、」
そこまで言うと唇に生やわらかいものが触れる
「んっ、!?」
「…これでどうだ?笑」
「はっ、!?ちょっ、え!?、、?」
まってまって
なにこれいろいろ急展開
「ちょ、え、ほんとですか、?」
「あぁ、俺は世一が大好きだ!!!」
やばい、ニヤける、
じゃ、なくて、、!!
「カイザー先輩、、!あの、おれ、…」
パニックで言葉がまとまらない
「…!?なんだその花束!?」
「もしかしてほかの男に、……」
「違います!!!!これはカイザー先輩へです、、!!」
「…笑 そーだよなぁ?笑」
まぁ分かってたけど笑
顔にそう書いてあるカイザー先輩はこちらを見ながらニヤニヤしていた
「もーーっ!!ずるいですー、、!!」
「言わせたもん勝ちだよばーかばーか」
花束を抱えるカイザー先輩は偽りなく美しかった
「……好きです」
「カイザー先輩が、大好きです」
「ずっと、好きですよ」
そう伝えるとぎゅっ、と音がなりそうなくらい強く抱きしめられた
「んわっ!くるしぃですよ、笑!!」
「俺も大好きだ愛している!!!」
俺が好きな人は無垢で純愛をくれる心から誇れる人だ
「卒業、おめでとうございます。カイザー先輩」
「あぁ、ありがとう、!!」
「んふ、大好きだよ」
俺から背伸びをしてキスをするとまるで電撃が走ったように固まって顔を赤く染めている
「よ、よいち、、!?」
「キスはしたもん勝ちだばーかばーーか!」
「なっ!?キスだったら俺の方が先にしてたぞ!?」
桜の花びらと共に俺らはまたキスを交わした
END
ご卒業されたみなさんおめでとうございます🌸
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