※メインストーリーのネタバレアリ
―朝日が差し込む
今日も鳥はさえずり、とても清々しい朝だ。
…と言いたいが、今日は少し頭が痛い。
そう思いながらベリアンは
執事の服に着替え、窓の外を見た。
「……今日も平穏な1日でありますように」
そう言うと部屋を出て、食堂へいった。
ーーーー
廊下を歩いているとルカスに出会った。
「おはようベリアン。今日は早いね」
「おはようございます、ルカスさん。そうですね
いつもより少し早く起きてしまいました」
「まぁ、早起きは三文の徳だというからね。
でも普段朝弱い君が珍しいこともあるんだね」
少しの沈黙の後、図星であったのかベリアンは
すぐに話題を変えた
「…そういえば、ルカスさんはこれからどちらに?」
「ああ、今丁度薬品の整理が終わったから食堂に…ベリアンは?」
「これから呼びかけを………………おや?」
と首をかしげるベリアン。その顔は深刻そうで、一瞬にして不穏な空気が流れた。
その様子にルカスは ハテナを浮かべた
「どうしたんだい?ベリアン。そんな顔してしまって」
「………」
「ベリアン?」
あまりにも考え込むベリアンにこれはただ事のようには感じ取れなかった。
「…ルカスさん。」
「どうしたんだい?」
「私、昨日まで朝のルーティンにどこか行って
呼びかけていたような気がするのですが…
どこに行っていたかわかりますか?」
「え?……」
ルカスは沈黙の末に少し笑いながら返した。
「何言ってるんだい?君は朝起きたらいつも
食堂へ直行しているじゃないか?」
「………」
ベリアンは思わずキョトンとしてしまった。
確かにそうだ、いつもは紅茶を嗜みそのまま
時間になったら食堂へ直行…しかしそれまでの
記憶があいまいなのだ。
だが…その曖昧な部分が何故なのかは分からない
かと言って誰かに見られていたという確証もない
「そう…ですね。私の思い違いでした。」
「早く起きすぎて頭がぼんやりしてるんじゃないのかい?顔、洗ってきたらどう?」
「いえ…大丈夫です。」
謎のモヤが心に残るが、今考えてもしょうがない
そう思いながら廊下を歩くのだった。
――――
執事たちの食堂にてベリアンは皆が来るのを
待ちながら紅茶を嗜んでいた
先ほど廊下で出くわした地下の執事たちに
朝の挨拶をした。
「おはようございます、フルーレくん、
ラトくん、ミヤジさん。」
「おはようベリアン。今日は朝早いね」
「確かにそうですねぇ…嵐でも起こるのでしょうかね。」
「ラト!ベリアンさんに失礼だよ!」
「おや、そうですか…すみません。」
「いえ、いいんですよ 。私も正直驚いてますから」
そうニコッと微笑む、厨房から2人の影が見えた
ロボとバスティンだ。
「あ!ベリアンさん!おはようございます!
皆もおはようございます!」
「おはよう、皆。…ベリアンさん。
こんな時間に起きるの珍しいな。」
「誰にだって早起き位はあるだろ?」
「まぁ…そうなんだが。」
書くのめんどくさいので全員集まりました
食事が食べ終わり、一息ついていると
アモンが言った。
「ここ最近、知能天使ってのがでて大騒ぎっていうのに主様の適任者が中々いないッスよね…
なんというか執事ばかり増えていってるッスよね」
ため息交じりにそういうとハウレスが言った
「はぁ…アモン、弱音を吐くな。だが事実、主様無しじゃ正直流石にきついな…。」
ふとベリアンは違和感を持った。
『主様』…その言葉はつい最近まで聞いていたのだということに。
しかしどのような場面でそう言い、いつ言ったかは覚えているどころか所々記憶が抜け落ちてる。
思い出そうと頭を回転させるも思い出せない。
一体いつ言って、どんな時に言っていたのか。
思い出そうとしても黒いモヤがかかって何も思い出せない。
そこで質問した。
「私の思い違いならすみませんが…
つい最近まで主様っていらっしゃいましたっけ?」
その言葉にシン………と静まりかえる。
最初に答えたのはナックだった。
「いえ?それどころかまだ選ばれてませんよ?」
そういうと次々に答えが上がる
「主様はまだ来てないでしょ?僕どんな人か早く会いたいなぁ!」
「主様はまだ来てねぇだろ。俺たちの誰も、正式な契約はしてない。」
「そう…ですよね。」
でも確かに…『誰かがいたような気がする』
そういえば…悪魔化したとき誰かが止めていた
バスティンはロノ、ハウレスはフェネス………と
彼一人だけのはずがない。そんな記憶…
でも…
(誰が止めたのでしょうかね…)
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!