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世界は海の様に深く、暗く。 - 北冷のある日の過去

第9話 - 第一追 - 秘匿と火華 -

2024年02月10日

#世界は海の様に深く、狭く。

柚來音なゆ

「…ずるいとは何ですかずるいとは…、まぁ構いませんけど。」

「そういう所だと思うんだけどねぇ…僕は。」

こちらがそう言うと、彼女は小さな声で独り言の様に、口から何か、言葉を零した。

こちらに聞こえない様に声量を調節したのか、聞こえたとしても所々の、肝心の大切な所は聞こえない状況になっていた。

今の会話の流れからすると、こちらに関係する事なのだろうと推測自体は出来る。

「…？焔華、何か言いましたか？」

聞こえない内容であるのと、こちらに関係する内容かも知れない、という要素から好奇心が湧いたので、試しに聞いてみる事にした。

こう聞かれて素直に返事をする人が居るのかと言われたら、まだ見た事がないとこちらは答えるしかないのですけれども…気になるのですから仕方がないでしょう。

世界は海の様に深く、暗く。 - 北冷のある日の過去

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柚來音なゆ

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