テラーノベル
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「とりあえず風呂入るか…」
さっきは唐突すぎたんだ。脳内に響いた謎の声の通り、相手を思いやる事が大切だ。今回は告白の前に、まず会話で距離を縮めてみよう。
ノートンは深呼吸をし、 意を決してガラス戸を開ける。
「わぁ!! イ、イライさん…いたんだ?」
わざと驚いたような演技をする。…やはり、そこには俺の好きな人…イライがいた。どうやら本当にループしているらしい。
「やあ、ノートンくん。元気だね…。お疲れ様。さっきの試合観戦してたよ。」
「…本当? 全然牽制も補助もできなかったから恥ずかしいな…」
前回は試合を見てくれていたという事への喜びから、具体的な牽制時間を言うという愚行を犯してしまったが、今回は落ち着いて対応できた。
「いや、十分試合に貢献していたと思うよ!」
イライはやっぱりそう言ってはにかんだ。んきゃわいい。
「隣、座ってもいいかな…?」
イライは笑顔でもちろん、と頷いた。
「…大浴場にいるの珍しいね。」
慎重に言葉を選ぶ。
「ウッズさん達にすすめられたんだ。…ここは静かで広くて…たまにはいいね。それに、君とも会えたし。」
感情が昂る。ほとばしる思いに身を任せて!!
「すきです!」
——ここで、終わり…なのか?
「ごめn」
…いや
それでも!
「い、いや、ちがう!好きっていうのは…そういう事じゃなくて…」
ここで終わるわけには!
「俺も大浴場好きだって意味。…勘違いしないでよね」
気持ちを悟られないよう、いつものように取り繕う。そうだ、今までだって俺はそうしてきたじゃないか。そういえば、なんでイライすぐ勘違いするんや
「あ、あぁ…! すまない、少し勘違いしてしまったよ!」
少し顔を赤らめながら俺の肩をバシバシ叩く。直にイライを感じる。イイ。ξ⊗‿ʖ⊗)ξ
「それに、私には愛しい婚約者がいるからね。ふふ。」
——終わった
〜BAD END〜
✳︎超えられない壁もあるよね!!
君に出来ることは何かな? 分かるよね!
意識が遠のく。
気がつくとまた脱衣所にいた。イライさんに、婚約者がいたなんて…
ショックでそれしか考えられない。どうして…
あ、あれは。
「とりあえず服漁るか…」
つづく。
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