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最終話:平和と希望の朝
あれから数年の月日が流れた。ソルグとルーナが統治する国は、もはやかつての貧しく小さな国ではなかった。中国の技術、ロシアの軍事力、アメリカの経済力、そして日本の文化が融合し、平和と希望に満ちた豊かな国へと成長していた。
ソルグとルーナは、今も二つの太陽と月が描かれた旗を背負い、並んで立っている。
☀「ルーナ、見てみろ。みんな、笑顔だ」
ソルグが指差す先には、活気に満ちた街の様子が広がっている。子供たちが無邪気に遊び、人々は楽しそうに語り合っている。
🌙「…うん…」
ルーナは静かに微笑んだ。人見知りはまだ完全に消えたわけではない。しかし、彼女の表情にはもう、あの怯えはなかった。彼女は、ソルグと共に、この国の未来を背負う者としての自信と誇りを胸に抱いていた。
その日、ソルグとルーナの国で、国際的な友好祭が開催されることになった。日本、アメリカ、中国、ロシアも、招待を受けてソルグたちの国を訪れていた。
🇷🇺「いやぁ、ソルグ!お前たちの国は、こんなにも立派になったんだな!ウォッカが美味いぜ!」
ロシアが豪快な笑い声を上げながら、ソルグの肩を力強く叩いた。
🇨🇳「ソルグさん、ルーナさん。この国の発展ぶりには、本当に驚かされました。特にルーナさんの指揮能力は、もはや世界トップレベルです」
中国がルーナに深々と頭を下げた。
🇺🇸「ヘイ!ソルグ!ルーナ!この街、最高にクールだぜ!俺たちの国の音楽や映画も、たくさん流れてるじゃないか!」
アメリカが陽気にソルグとルーナを称えた。
そして、日本がルーナに優しく語りかけた。
🇯🇵「ルーナさん。あなたの心に、もう悲しい影はありませんね。本当に、よかった…」
ルーナは日本の言葉に、静かに微笑んだ。そして、マイクを握り、壇上に上がった。ソルグは、ルーナの背中を優しく押した。
ルーナは、大勢のボールたちを前に、少し緊張しながらも、堂々とした態度で話し始めた。
🌙「…皆さん…本日は、友好祭にお越しいただき…ありがとうございます…」
ルーナの言葉は、以前よりもずっと力強く、はっきりと響いた。
🌙「…私は…かつて、人と話すのが怖くて…自分の殻に閉じこもっていました…でも…ソルグが、私を信じて、守ってくれた…そして、日本さん、アメリカさん、中国さん、ロシアさんが、私に、一歩踏み出す勇気をくれました…」
ルーナは、言葉を詰まらせながらも、感謝の気持ちを伝えた。
🌙「…この国は…ソルグと、私の…そして、皆さんの…友情と絆でできた国です…皆さんの温かさが…私に、この国に…平和と希望をもたらしてくれました…」
ルーナの言葉に、会場は温かい拍手に包まれた。ソルグは、壇上で輝くルーナの姿を見て、胸を熱くした。
☀(ルーナ…お前は、もう俺がいなくても大丈夫だ。いや、俺がお前を支え、お前が俺を支える。二人で一つの、最高の国だ…!)
ルーナは、スピーチを終えると、ソルグの隣に戻ってきた。ソルグは、ルーナの手をしっかりと握り、彼女の成長を心から喜んだ。
そして、友好祭のフィナーレ。空には、ソルグとルーナの国の花火が打ち上げられた。その花火は、二つの太陽と月のように輝き、夜空を美しく彩った。
花火を見上げながら、ソルグとルーナは、静かに語り合った。
☀「ルーナ。これから、もっと色々なことが起きるだろう。でも、俺たちが二人で力を合わせれば、どんな困難も乗り越えられる。俺たちの国は、きっと、もっと素晴らしい国になる」
🌙「…うん…ソルグ…」
ルーナは、ソルグの言葉に力強く頷いた。
かつて、貧困と孤独に苦しんだ兄妹は、今、世界の強国たちに支えられ、平和で希望に満ちた国を統治している。
ソルグとルーナの、二つの太陽と月が輝く国に、明日からの、新しい朝が訪れようとしていた。
(完)