jmside
起きたらグクはいなくて、1人だった。
ぼんやりと枕元を見ると、自分の携帯。
もぞもぞと布団から手を出して、電源を付ける
🐣「あ、、」
ホーム画面に大量の通知が並んでいた。
3分の1くらいが、会社の秘書から。
無断で休んでしまったからだろう。
本当に申し訳なくて、
ぐったり寝そべりながらも、丁寧に謝罪のメールを送った。
すると直ぐに既読がつき、ゆっくり休んでください、と優しい返事が。
どうやら、最近の僕の気持ちが不安定なことを気付かれていたらしく、心配の言葉を沢山かけてくれた。
そして、、残りのメッセージ。
全てテヒョンだ。
怖くなって、携帯を閉じようとした瞬間。
…📞♪
急な着信にビクッと震える。
タイミングを見計らったようなテヒョンからの着信。
どうしよう。
どうしたらいい?
涙目で部屋の扉の方を見るが、グクが来てくれる気配は無い。
鳴り続ける着信。
1度切ろうとして、、
でも無理で、
恐る恐るボタンをタップする。
🐣「は、い、、、よぼせよ、、、」
🐻「やっと出た。」
明らかに怒っていると分かる、低くて掠れた声。
🐻「お前さ、自分が何してるかわかってる?不倫だよ、不倫。元彼と。さいっていだな。携帯の電源切るとか、ふざけんなよ。」
マシンガンのように話し続けるテヒョン。
🐣「ち、ちが、、だって、グクとはなんにもしてないっ、、」
🐻「はっ、そんな言葉信じられると思うか?じゃあ今すぐ出てこいよ。何にもしてないって言うんなら早くそこから立ち去れ。
あいつには彼女がいるって話したよな?お前はその邪魔もしてるんだよ?分かってる?お前は、グクの邪魔をしてるの
俺まで裏切って。」
え、、え、、
そ、そうだ、、僕、、、邪魔しないためにグクから離れたのに。
邪魔してる。
テヒョンも傷つけて。
何してるんだ僕。
思わず涙がこぼれた。
🐣「て、てひょなっ、、ぼくっ
ごめんなさい、ごめんなさいっ」
ベットから起き上がり、涙声でテヒョンに縋る。何回も何回も謝った。
すると、明らかにさっきと声色が変わったテヒョンが話し出す。
🐻「分かったんならいいんだよ。
ジミンだってそんなつもり無かったんだろ?グクに連れていかれたんだもんね。俺は分かってるから。」
🐻「じみな、今からグクに黙ってそこから出てきな。俺が迎え行ってあげるから。」
🐣「だ、だまって、、?どうして?」
🐻「グクはお前を騙してるんだよ。彼女がいるのに。
お前が出てくって言ったら何するか分からない。危険だよ。だから黙って出ておいで。大丈夫だから。」
🐣「だまされてる、、の、、?ぐくに?」
🐻「そうだよ、ほら、5年前にお前のこと捨てたグクと、今お前を愛してる俺と、どっちが信じられるの?ちょっと考えれば分かるよね?」
🐣「うん、、うん、、テヒョナ、、テヒョナを信じる、、」
🐻「いい子。ほら、、出ておいで。」
テヒョンの手招きするような声に促され、
僕はふらふらと立ち上がる。
🐣「テヒョナ、、ぼくのこと、、、おこってない?」
🐻「うん、怒ってないよ。怖い言い方してごめんね、大好きだから。
じみなは?俺の事好きでしょ?」
🐣「うん、、だいすき、、」
答えながら静かに廊下に出る。部屋にいたから分からなかったけれど、相当大きな家だ。
周りには目もくれず、テヒョナの声を追いかけるみたいに、玄関を探し出して早足で駆けた。
🐣「て、てひょな、、、ぼく外出るよ、、、」
🐻「うん、そのままおいで。」
🐣「うん、、うん、、」
鍵を開くのに戸惑ったが、何とか開けて
外に飛び出ようと内開きのドアを引こうとした瞬間、
「ジミニヒョン、どうしたの、」
後ろから、
逃げる僕を止めようとしてるとは思えないくらい、柔らかくて優しい声がかかり、
ドアノブを掴んでいる自分の手を、後ろから大きな温かい手で包み込まれ、ぐっと抑えられた
🐣「ぁあっ、、、」
テヒョンとの電話と、外に出ることに気を取られていて、後ろから近づく人に全く気づいていなかった僕は
驚いて身体がビクッと強ばった
🐻「おい、どうした?早く出てこい、今から迎えいくから。言う通りに動けよ。」
一気に声が鋭くなったテヒョン。
また、、また怒らせた、、
🐣「て、、てひょ、ごめっ、、ぁっ、、、」
その耳に当てていた携帯すらも後ろに立つ人に、さっと取り上げられ、
今僕が開けた鍵が目の前でくるりと閉められてしまう
そのまま腰に腕を回されて温かい身体に抱き寄せられる。
🐰「テヒョニヒョン、こっちからかけるまでは待ってくださいと、昨日の電話で言いましたよね?
僕のお願い少しは聞いてくださいよ、、」
後ろの人はもちろんグクで、
僕の代わりにテヒョンと電話をする声が、
頭の上の方で聞こえる
僕は、
逃げようとしたのをグクに気づかれてしまったことも、
テヒョンの言うことを聞けなかったことも、
全部怖くて、
ただ彼の腕の中で、体を強ばらせてじっと待つことしか出来なかった。
🐰「そんな、、まだ僕が手出すとか言うのやめてください、、
テヒョニヒョンが落ち着いたら、このヒョンも戻るって言ってくれるんじゃないんですか?」
テヒョンの声は僕にはほとんど聞こえないけれど、
グクが困ったように口を噤んだり、
テヒョンの大きな声が少し漏れ出したりしていて、彼は相当怒っているのが分かった。
🐰「変われって、、変わるわけないじゃないですか、、何をそんなに怒っているんです?
二人の間で揉め事が起こっていて、
僕はあくまで、それが落ち着くまでの、ジミニヒョンの逃げ場になっただけです。」
そうだよね、、それだけだよね、、、
だってグクには他に女の子の恋人がいるんだもんね、、
そんなテヒョンに言われた言葉が蘇って、
テヒョナを怒らせて、グクにも迷惑をかけている自分が嫌でたまらなくなり、もがいて逃げ出そうとした。
🐰「ジミニヒョン?動かないで、待って。」
🐣「だってっっ!!僕なんかいたら邪魔じゃんかっっ!!もう邪魔しないって、ずっと、、ずっと前に決めたのに、、泣
ぐがには行かなきゃいけないとこあるのにっっ僕が邪魔じゃんかっっ泣もう離してっ泣」
🐰「えと、、仕事の話?邪魔なんかじゃないよ?ごめんなさい、、何のこと言ってるかちょっと読めない、、、」
🐰「テヒョニヒョン、後でかけ直します。
待っててください、というか仕事ですよね?
普通に仕事してください。」
電話を切ったグクが、後ろから両腕で
僕のことを抱きしめた
耳元に顔が降りてきて、
身体がぴくっと反応してしまう。
🐣「ん、う、、、、、、」
🐰「ごめんね、大丈夫だから落ち着いて。
昨日の夜テヒョニヒョンと電話して、、その時問題なさそうだったから油断してた、、
今日も仕事休みだから、僕の時間は心配しないでください。ちょっと座りますよ、、」
腰をゆっくり落とされて、グクに抱かれたまま少し強引に、上がり框に座らされた
🐣「もういいからっ、もういいから離してっっ
グクは彼女のとこ行ってあげて、、僕はもういいから離して、、泣」
その腕から逃れようと、もがきながら言うと、
僕を逃さないように強く抱きしめたまま、グクの動きがぴたりと止まった
🐰「かの、じょ、、?それ誰が言ったんですか?もう長いこと恋人なんかいませんよ、、」
🐣「て、てひょながっ、、」
呆れた、みたいな口調でグクが続ける。
🐰「いないです。誓って。
それに彼女って、、僕が同性愛者だって、ヒョンが1番よく知ってますよね?」
今度は僕が固まる番だった
🐣「だ、だって、、泣
だってテヒョナが言ったんだよ、、?、泣、、
僕のために嘘ついてるの?それならやめて、、泣」
🐰「嘘なんかついてません。なんならメールの履歴でも見せましょうか?
あの、、もしそうだったら凄く嫌なんだけど、、そんな風に言われてテヒョニヒョンと付き合いました?」
ぴしゃりと否定されて、戸惑ったのと、その通りすぎて声が出せず、こくんと小さく頷くと、
はぁっとひとつ息を着く音がして、
🐰「テヒョニヒョン、、僕のお願い聞いてくれないし、挙句の果てにそんな嘘までついて、、、」
お、おこってるの、?
いやだ。
こわい。
また耳元にグクの口が近寄ってきて、きゅうっと身を縮こまらせて、目を強く瞑った。
🐰「僕だけ我慢するなんてもうおかしいですよね、、これくらいは許してもらいますよ、、」
言ってる意味が分からなくて、えっ、と振り向こうとした瞬間
🐣「ふ、、ぁ、、まって、、」
頭を支えられながら、そっと体を床に寝かせられて、グクが僕の自由を奪うように上にまたがった
🐣「いやっ、、」
焦ってもがくが、喉元を優しく手のひらで押さえつけられて起き上がることすらできない。
🐰「ひょん、大丈夫だから、痛いことしないよ。こわがらないで。」
🐣「ぁっ、、うぁ、、、、」
そのまま、僕の両方の耳を、指でなぞるように優しく撫でてくれる
🐰「ここ、今も弱い、、?ㅎ」
🐣「ぁ、、ん、、、、」
僕は一瞬で囚われてしまったかのように、夢見心地で目を閉じ、小さく頷いた
グクの温かい、少ししっとりした手が、
僕の身体に触れてくれていることを、心が素直に喜んでいた
さっきまで、触れられることにすら怯えていたにも関わらず、
いざその手に愛撫されると、それをずっと求めていたんだと確信し、心も身体も満たされるのを感じる。
🐰「僕がヒョンのここ、敏感に変えちゃったんだよね、、まだ感じちゃうなんて、、かわいいね、、」
そう、あのころ、僕の身体の性感帯は全て、
グクによって丁寧に開発されていた。
今も尚、感じてしまうほどに。
彼に弱い所を触れられただけで、
身体が快感でぞくぞくと震え、麻痺して動けなくなってしまうほどに。
薄目を開けると、グクが微笑んでこちらを見ているのが分かって、
僕は心地良さでゆっくり瞬きしながら、彼の綺麗なブラウンの瞳を見つめた
🐰「やっとジミニヒョンが穏やかな顔してる、、そんな気持ちいいのかな?
早くこうしてあげればよかったね、かわいい。そのままぼうっとしてていいから聞いて、、」
🐰「僕はヒョンと別れてから、
もうずっと、誰とも付き合ってないんです。」
🐣「、、、ずっと、、?」
🐰「うん、だってジミニヒョンより素敵な人なんていないから。」
触れられているだけなのに、それがグクであるだけで、僕の身体はもう使い物にならなくなる
いつの間にか耳だけじゃなくて、首や頬、頭になぞるように移っていた優しい指の愛撫も、
重なって触れている体も、
グクの甘い声も言葉も、
全部気持ちよくて、脳が蕩けて
なんだか子供に戻ってしまったみたい
🐰「だからね、ひょん、僕はずっと待ってるから。」
🐣「、、なにを、、?」
🐰「ヒョンがまた、僕のところに戻ってきてくれないかなって、ずっと待ってる。
テヒョニヒョンと付き合ってるって聞いた時、もう諦めてたんだけど、、やっぱり隠し続けるのは苦しくて、、
別に僕とまた付き合って欲しいって言ってるわわけじゃないです。こんな僕がいること、それだけ分かっていて、、、。」
グクは泣き出しそうな顔をして、僕の胸に顔を埋めた。
コメント
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更新ありがとうございます😭 ちょっともうふわふわしてる🐥が可愛い
主様〜更新ありがとう ございます🥰 🐰くんの温かい優しさに🐣ちゃん だけではなく私も蕩けてしまいました💕💕💕癒された💕💕 少しずつ複雑な状況が解けていくことを…誰もが穏やかに過ごせる日々が来ることを祈りたい🥺
わぁぁやっぱり🐰🐣かわいぃぃ 更新ありがとうございます! 🐰の寛大な心が暖かい… 🐻君も落ち着いてほしいなぁ… 耳が弱い🐣ちゃん、尊い…😇