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扉に手をかけ、 鼓動が早くなるのがよく分かった。震える手を抑えて、教室の扉を開ける。今日は無視か、しょんぼりしながら席についた。すると、前ケラケラと笑っていた酒井さんが近寄ってきた。「みんなさ、あの写真と動画みたらわかるっしょ?名前も、キャラも変えて、転校してきたんだよ?それだけ辛いことがあったんでしょ?てか動画に一部始終写ってたじゃん」
驚いた。てっきり酒井さんは敵側だと完全に思い込んでいた。
「ごめんね、まおりっち」
「ま、まおりっち?!」
びっくりした。陽キャの速攻あだ名の破壊力を忘れていた。
「味方出来なくてさ、でも大丈夫!私復讐とかなら協力するよ!」
「え、あ、あ、ありがとう?」
とても驚いた。こんなことがあっていいのだろうか、まさか敵だと思っていた酒井さんが味方ポジだったなんて。
でも敵が増えるより、味方が増えた方がいいよな、そう言い聞かせて、齋藤くんと、酒井さんと、旧校舎に向かった。
「それじゃあ、作戦会議はじめぇ!てか、名前で呼ばん?」
酒井さん、明るすぎて少し疲れる、まぁ成績優秀だし、ハッキング能力にも優れている、と酒井さんが言っていたから、信じてみることにする。
「うちのことは、酒井さんじゃなくて、ひおりんって呼んでね!」
まさかのあだ名、仲良くなるチャンスではあるが、みんなから変な目で見られないだろうか、
「てか、いつきっちは、まおりっちと付き合ってるん?」
いきなりぶっ込んできやがった、ここで否定しないのもおかしいと思い、
「なわけないじゃん!この前プリント届けてくれた日に初めて話したんだよ?」
本当にそうだ。付き合うも何も、まだ友好関係も築けてないというのに。
「そっかぁー、あ、こういう話しに旧校舎来たんじゃないんだったね、さてさて!パソコン持ってきたから、この写真たちの出処探すぞー!」
それから3時間が経過した。時々お菓子を食べて、雑談して、なんだか死んだ私が浄化されたみたいに感じた。肩がふっと軽くなる。この3時間で手に入った手がかりは、3つ。
1つ目は、あの男がばら蒔いた張本人と共通点が多いことから、犯人だと推測される。
2つ目は、この学校の私たち3人以外が、犯人に操られていること。
3つ目は、私の命日がばらまかれていたこと。
3つ目の説明を2人にした時、きょとんとした顔をされた。まぁそうなることはわかっていたけど。
「ねぇ、つまり、真織の前の名前は影子で、いじめをされていた、だから人格も性格も見た目も名前も変えて、別の人になってたってこと?」
ひおりがそう言った。まあざっくり言えばそうだろう。そこまで深く教えるつもりは無い。今もこれからも。
「今日は解散しよ」
みんなと別れ、家に着いた。家の中には誰もいない。1000円札が2枚置いてあるだけ。
「今日は多いな、機嫌が良かったのかな、」
いつも私のお母さんは、家にいない。私が学校にいる時だけ家にいるらしい。これもあなたのため、なんて言って。
今日も仏壇に手を合わせ、冷えたコンビニ弁当を口に運ぶ。
「おやすみない。”影子”」