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昨日、眠りについたのはいつだっただろうか。目を覚ますと、頭痛と頭痛と頭痛。
いや、頭痛しかないけど。
「あ゛ーー・・・」
どこから出したんだよ、と言いたくなるほど低いうなり声が出てきた。そういえば昨日硝子のところで頭痛薬をもらってから記憶がない。速攻家に帰って寝たならいいけど、さっきから横で聞こえる柔らかな寝息を無視しないわけにはいかなかった。
「あー、真希、さぁん?」
「・・・んん」
「起きてー・・・?」
「ん・・・悟、?」
「つまり、真希は僕が倒れてるのを見て、自慢の怪力で僕の部屋まで連れてきたら眠くなって寝ちゃったってことだね?」
「・・・自慢の怪力ってなんだよ」
「間違えました」
「お前、熱あったぞ」
「あ、ほんと?まじか~」
真希はてきぱきと動いて、その辺から引っ張り出してきたパジャマを僕に渡してきた。
「ありがと」
「シーツ替えねえの?」
「ないと思う」
「じゃあ私の奴貸してやるよ」
「え、真希その年でまだおねしょするの?」
「しねえよばか!」
殴られそうになった。危ないなあもう。仮にも病人だよ僕!?
真希がシーツを取りに行ってくれている間、僕はパジャマに着替えておいた。意外に体力が消耗されるらしく、真希が戻ってきたころにはぐでっとしなだれていた。
「おー、ばててんな」
「からかわないでよ・・・病人には優しくね・・・?」
「シーツ変えるからいったんベッドおりろ」
「肩貸してぇ・・・」
重たいとか言いながらも肩を貸してくれる当たり真希らしいと言えるだろう。
「そういえばいまなんじ?」
「今?今は9時」
「夜の!?」
「んな訳ねーだろ、朝のだよ」
「だよね~」
にしても遅くない?9時?僕9時に起きたの?遅すぎじゃん!!
「悟、薬は硝子さんから貰ってきたの飲めよ。あとおかゆか雑炊どっちがいい?」
「おかゆ」
「りょーかい」
「まーきー」
「んだよ」
「呼んだだけー」
いやぁ、風邪ってこんな感じだったっけかなぁ。もうちょっと楽だった気がする。
ほんとに年かもしれない・・・。
うとうとしながらベッドで横になっていると、いい匂いがしてきた。
あーお腹すいてきたかも。
「あ、悟に冷えピタつけてやろ」
にひひ、と笑う声が聞こえて、ぞっと悪寒が・・・。これは風邪のせいじゃないかもしれない・・・!
おでこにひんやりした感覚があって、やっぱり冷えピタつけられたんだ、とわかった。
「悟、おかゆできた」
「ちゃっかり自分の分まで用意してるし」
「文句言うな、人間だから腹くらいへる」
「そーだねー」
「食わせてやろうか、おかゆ」
「え?」
「え?」
「今聞き間違いじゃなきゃ食べさせてくれるって・・・」
「言ったけど」
「お願いします!」
「あー」
「ん」
幸せ!生まれてきてよかった!!風邪ひいてるときに思うことじゃないけど!
食べ終わってしばらくして、僕は眠りについた。あ、寝ようとしたら一回起こされて薬も飲んだけど。
「お、悟、熱下がった」
「いや~、真希のおかげだね。ありがと」
「ん」
耳が赤くなってる・・・。照れてるみたいだ。
「照れてる~」
「うっさい!」
stay tuned.
リクエストいただいたものを書かせていただきました!