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告白のあと、時間はしばらく止まったみたいだった。
でも現実は、止まってくれない。
——次の日。
和葉はいつも通り学校に行って、いつも通り友達と話して、いつも通り笑った。
ただ一つ違うのは、スマホを見る回数が増えたこと。
昨日のやり取り。
滉斗からのメッセージは、短かった。
『昨日のこと、ちゃんと話したい』
それだけ。
それだけなのに、重かった。
(“ちゃんと話す”って…何を?)
期待と不安が、同じくらい膨らむ。
一方で滉斗は、その何倍も苦しんでいた。
若井滉斗はスタジオの隅で、ギターを持ったまま手を止めていた。
頭の中は、昨日のことでいっぱいだった。
和葉の「好き」。
自分の「好き」。
——言ってしまった。
一番言ってはいけないと思っていた言葉を。
「はぁ…」
深く息を吐く。
嬉しかったのは事実だ。
でも、それ以上に——現実が重くのしかかる。
13歳と29歳。
この関係は、周りからどう見えるのか。
何より——
(和葉の未来、潰すわけにはいかねえだろ)
その結論は、最初から決まっていたはずだった。
——夕方。
二人はまた、あの分かれ道で会った。
でも、空気はまるで違う。
昨日までの“言えない距離”じゃない。
“言ってしまった後の距離”。
それは、もっと不安定で、もっと壊れやすい。
「…来たな」
「うん」
目が合う。
でも、すぐ逸らす。
どちらも、何から話していいかわからない。
沈黙。
重い沈黙。
やがて滉斗が口を開いた。
「昨日のことだけど」
和葉の心臓が強く鳴る。
「うん」
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滉斗は一度、言葉を選ぶように黙る。
そして——
「嬉しかった」
その一言に、和葉の目が揺れる。
「俺も、同じ気持ちだから」
追い打ちのように続く言葉。
胸がいっぱいになる。
でも——
次の言葉は、優しくなかった。
「でも、ダメだ」
空気が凍る。
和葉の呼吸が止まる。
「……え?」
滉斗は目を逸らしたまま続ける。
「俺たち、付き合うとか…そういうのはできない」