10月1日、新たな月の始まりとともに世界情勢は再び大きく揺れ動いた。米加同盟――アメリカとカナダの戦略的協力関係は、この日、ついに崩壊を迎えることとなった。
もともと表面上は堅固に見えた同盟も、呪術師ゲームによるプレッシャーや、各国が次々と脱落していく中で、亀裂が深まっていた。呪霊や景井によるCPUによって次々と滅ぼされていく国々。生き残りをかけた焦燥感と恐怖がアメリカとカナダの内部をも侵食し、ついには冷戦状態へと突入したのだ。
アメリカ側では、内部のエリート軍閥が呪力の管理と使用を巡り、カナダ政府と対立を深めていた。「呪術師ゲームで勝ち残るためには、積極的に呪力を行使すべきだ」とするアメリカの戦略派と、「呪力は慎重に、平和のために利用すべきだ」と主張するカナダの慎重派。両国の姿勢は大きく乖離していた。
10月1日の会議で、ついにカナダ首相が立ち上がり、アメリカ側に対して一言放つ。
「我々カナダは、これ以上、君たちの無謀な戦略に付き合うことはできない。呪力をむやみに使えば、またどこかの国が消滅するかもしれない。我々は世界の未来のために、慎重に進むべきだ!」
アメリカ側の代表は顔を赤らめ、机を叩いた。
「未来?お前たちが悠長なことを言っている間に、我々の民は呪力の犠牲になっているんだ! 我々には時間がない!」
この対立を機に、アメリカとカナダはついに同盟を解消。呪術師ゲームのルールが残りの国々を急激に追い詰める中、両国は独自の戦略で生き残りを目指すこととなった。しかし、裏には新たな暗躍が始まっていた。アメリカ内部の一部勢力が、密かにカナダの呪術師たちを暗殺し、呪力を奪う計画を進めていたのだ。
一方、カナダ側でも、一部の呪術師たちがアメリカとの戦いを避けるために、秘密裏にモンゴル側と接触し、呪霊の協力を求めていた。
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