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悩みに悩んで、わたしは演劇部の舞台で演じた赤いマントがトレードマークの騎士の仮装をすることにした。


赤いマントをなびかせながら、悪政を行う役人や強欲な商人から庶民を守る『赤いマントの騎士』は、亜紀が中学の時、初めて書いた脚本だった。



中学時代、わたしたち演劇部は演劇用に書かれた脚本集を使ってきた。


けど、脚本家志望の亜紀は自身でオリジナルの脚本を書いて、部員たちに演じてほしいって思っていたんだ。


ところが、そう簡単にはいかなかった。亜紀にとってもオリジナルの脚本を書くのは難しく、書いては消して、消しては書くの繰り返しだった。


「まだ中学生だもん。いつもの脚本集から多数決で選ぼうよ」

「でも、私たちの代になったんだから、やっぱオリジナルがやりたいよ」

「うーん……そうだよね」

「書いているうちに、主人公のキャラクター************************

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